教育予算の拡充を求める意見書(案)
子どもたちに豊かな教育を保障することは社会の基盤作りにとってきわめて重要である。 現在、多くの都道府県で児童・生徒の実態に応じ、きめ細かな対応ができるようにするために、少人数教育が実施されているが、保護者や子どもたちから大変有益であるとされている。 しかしながら、国の財政構造改革の一環による地方交付税の大幅削減の影響、また100年に一度の大不況という厳しい地方財政の下、自治体独自に教育予算を確保することは困難となっている。 地方財政が逼迫している中、「子どもと向き合う時間の確保」及び「新学習指導要領」先行実施に伴う授業時数増に対応した定数の確保など喫緊課題となっており、少人数教育の推進、学校施設・設備の充実、旅費・教材費の確保、就学援助・奨学金制度など教育条件の自治体間格差が拡がっている。
教育は未来への先行投資であり、自治体の財政力や保護者の所得の違いによって、子どもたちが受ける「教育水準」に格差があってはならない。
教育予算を国全体として、しっかりと確保・充実させる必要があることから、下記の事項の実現について強く要望する。
記
1 「子どもと向き合う時間の確保」をはかり、授業時数増に対応し、きめの細かい教育ができるように、義務制第8次・高校第7次教職員定数改善計画を実施すること。
2 教育の自治体間格差を生じさせないために、義務教育費に関し、国による確実な財源保障を行うこと。
3 学校施設整備費、就学援助・奨学金、学校・通学路の安全対策など、教育予算の充実のため、地方交付税を含む国の予算を拡充すること。
4 公立高等学校施設の耐震化促進のため、耐震化に係る財政措置について拡充すること。
5 教職員に人材を確保するため、教職員給与の財源を確保・充実すること。あわせて、40年前と比較して増大している超過勤務の実態を踏まえた、給与措置とそのための財源確保に努めること。
6 豊かな地方自治を行うための税源移譲を確実に行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成21年7月 日
佐 賀 県 議 会
内閣総理大臣 麻生 太郎 様
衆議院議長 河野 洋平 様
参議院議長 江田 五月 様
総務大臣 佐 藤 勉 様
財務大臣 与謝野 馨 様
文部科学大臣 塩 谷 立 様
以上、意見書案を提出する。
平成21年7月3日
提出者 全 議 員
佐賀県議会議長 留守茂幸 様
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