近年、食品の偽装表示や、家電製品・石油給湯器などの製品事故、詐欺まがいの悪質商法などによる被害が後を絶たず、最近では、事故米の不正流通や中国産食品からのメラミン検出により消費者の不安が拡がるなど、消費生活をめぐる状況は深刻な事態となっている。
消費者被害の相談の多くは、全国の消費生活センターなどに寄せられるが、その件数は、平成7年度に約27万件であったものが、平成18年度には約110万件に達し、約4倍に増加している。
佐賀県においても、県消費生活センター及び市町の消費生活相談窓口に寄せられた相談件数は、平成7年度が約3千件であったものが、平成18年度には約1万件に達し、3倍強に増加している。
しかしながら、先の三位一体改革において地方交付税が大幅に削減されたこと等による厳しい財政状況の中、地方自治体の消費者行政予算は年々削減されており、増加し続ける相談件数に対応するために、大変な苦労を重ねているのが現状である。
真に消費者利益が守られるためには、地方消費者行政の充実強化が不可欠であり、国におかれては、国民が安全・安心に暮らしていくことができる消費者行政を実現するため、早急に下記の措置を講ずることを強く要望する。
記
1 消費者の苦情相談が地方自治体の消費生活相談窓口で適切に助言及び
あっせん等により解決されるよう、消費生活センターの設置、業務、及び機
能等を法的に位置づけるとともに、消費者被害情報の集約体制を強化し、
国と地方のネットワークを構築するなど、必要な法整備を行うこと。
2 地方消費者行政の体制、人員、及び予算を抜本的に拡充強化するための 財政措置を講ずること。
3 9月19日に閣議決定された消費者庁設置関連法案については、真に消
費者を守ることができるよう、国会等において十分な議論を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年10月 日
佐 賀 県 議 会
衆議院議長 河 野 洋 平 様
参議院議長 江 田 五 月 様
内閣総理大臣 麻 生 太 郎 様
総務大臣 鳩 山 邦 夫 様
厚生労働大臣 舛 添 要 一 様
農林水産大臣 石 破 茂 様
経済産業大臣 二 階 俊 博 様
消費者行政推進担当大臣 野 田 聖 子 様
以上、意見書案を提出する。
平成20年10月 6日
提出者 全 議 員
佐賀県議会議長 石 丸 博 様
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