障害者自立支援法の応益負担の廃止を求める意見書(案)
障害者自立支援法の施行から3年が経過した。福祉サービスや自立支援医療(更正医療・育成医療及び精神通院医療)に導入された原則1割の「応益負担」が、障害者のサービス利用の抑制を招いており、障害者が人間として当たり前の生活をするために必要な支援を「益」として重い負担を課せられることに、障害者やその家族から不安の声が上がっている。また、事業所に対する報酬算出基準の変更や利用実績払い(日額払い)の導入により、施設・事業所の経営は苦しくなり、施設の廃園や職員給与の引下げが起きている。
こうした中、政府も利用料軽減を含む「特別対策」や「緊急措置」を実施してきた。さらに、今年の3月に政府・与党が提出した障害者自立支援法改正案は、本格的な審議の無いまま廃案になったが、「応益負担」に対する強い批判を受けて、現状の仕組みを踏襲するものの、「応能負担」を原則とすることに見直されていた。
そもそも、障害者が生きていく上で不可欠の福祉サービスや医療に負担を求めること自体、憲法や福祉の理念に反するものである。すべての障害者が人間らしく生活できるよう、憲法や国連の「障害者権利条約」を踏まえた総合的な福祉法制を確立し、障害者福祉・医療の拡充を図るべきである。
よって、国会及び政府が、障害者自立支援法の応益負担を廃止されるよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成21年12月 日
佐 賀 県 議 会
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫 様
衆議院議長 横 路 孝 弘 様
参議院議長 江 田 五 月 様
厚生労働大臣 長 妻 昭 様
以上、意見書案を提出する。
平成21年12月17日
提出者 武藤明美 宮崎泰茂
佐賀県議会議長 留守茂幸 様
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