核兵器の廃絶と恒久平和を求める意見書(案)
核兵器の廃絶は、世界で唯一の被爆国である我が国のみならず、平和を願う人類共通の願いである。
しかし、核兵器は未だに世界に約23,000発も存在し、その脅威から人類は解放されていない。
2000年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で約束された全面的な核兵器廃絶を、2005年の同会議では採択ができず、核軍縮はもとより、核不拡散体制そのものが危機的状況に直面しており、核兵器開発につながるウランを濃縮・拡大するイランや核実験を行っている北朝鮮の動向などは、核不拡散体制を大きく揺るがしている。
そのような中、昨年4月5日にバラク・オバマアメリカ合衆国大統領が、チェコの首都プラハにおいて、アメリカが核兵器廃絶の先頭に立つことを宣言したことは、被爆国である日本国民に大きな希望を与えた。また、昨年9月に開かれた国連安保理首脳級会合において、オバマ大統領が提案した「核兵器なき世界」を目指す決議が、我が国はもとより、NPTで核兵器の保有が認められている米・ロ・英・仏・中5カ国を含め全会一致で採択された。
わが国は、世界で唯一の被爆国として、このような新たな機運を捉え、核兵器廃絶の動きを国際的な潮流とすべく努力しなければならない。
よって、政府においては、核兵器の廃絶と恒久平和実現のため、被爆65周年を迎える2010年に開かれるNPT再検討会議に向けて、実効ある核兵器廃絶の合意がなされるべく、世界3,680都市が加盟する平和市長会議が定めた「ヒロシマ・ナガサキ議定書」を、議題として提案していただくとともに、採択に向けて各国政府へ働きかけていただくなど、わが国が国際的な核軍縮・不拡散の実現に積極的な役割を果たすよう、強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年3月 日
佐 賀 県 議 会
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫 様
衆議院議長 横 路 孝 弘 様
参議院議長 江 田 五 月 様
外務大臣 岡 田 克 也 様
防衛大臣 北 澤 俊 美 様
以上、意見書案を提出する。
平成22年3月24日
提出者 全 議 員
佐賀県議会議長 留守茂幸 様
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