子宮頸がんの予防対策とHibワクチン・小児用肺炎球菌ワクチンの投与に関する意見書(案)
近年女性特有のがんとして、子宮頸がんが増えており、毎年約8,000人が子宮頸がんと診断され、約2,500人が亡くなっている。
発症年齢も低年齢化し、20代から30代の女性に急増しており、その原因のほとんどがヒトパピローマウィルスの感染によることが明らかになっている。
10代前半の女性に広範にワクチン接種を行うことで、子宮頸がんの発生を大幅に減少させることができるため、諸外国ではワクチン接種のための公的補助が行われている。
しかし、わが国においては、任意接種であるため、必要な3回接種で5万円程度の自己負担があり、この軽減とともに定期的検診も必要となっている。
最近、地方において一部助成の動きが出ているが、地方の財政負担を軽減するとともに、地方格差がないように配慮しなければならない。
また、乳幼児が重い後遺症を引き起こす細菌性髄膜炎は早期診断が難しく、発症後の治療も限界があることなどから、予防が重要であるが、乳幼児期のワクチン接種によって、効果的な予防が可能になっている。世界保健機関(WHO)もワクチンの定期予防接種を推奨しており、欧米やアジア、アフリカなどで導入されているところは、発症率が大幅に減少している。
わが国では、平成20年に予防のためのHibワクチンが販売開始されているが、任意接種であるため、費用負担が大きく、小児用肺炎球菌ワクチンも同様に費用負担が大きいため公的助成や定期接種化など、子ども達の命を守るための早急な対策が求められる。
よって国におかれては次の事項について早急に実施されるよう強く求めるものである。
1.子宮頸がん予防のために、10代前半の女児へのワクチン接種を早期に実現されること。また、国による全国一律の公費負担によりワクチン接種にかかる費用負担の軽減措置を講じること。
2. Hibワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンの有効性、安全性を評価したうえで、定期接種対象疾患に位置づけ、公費助成などの対策を講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年6月 日
佐 賀 県 議 会
内閣総理大臣 菅 直人 様
衆議院議長 横路孝弘 様
参議院議長 江田五月 様
財務大臣 野田佳彦 様
厚生労働大臣 長妻 昭 様
以上、意見書案を提出する。
平成22年6月29日
提出者 全 議 員
佐賀県議会議長 留守茂幸 様
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