かつて米外交官が米軍普天間飛行場の移設先として佐賀空港を「ナイスロケーション」と考えていたことが、沖縄タイムスの論説委員の著書で紹介されているのがきっかけとなって、佐賀空港が、米軍普天間飛行場の移設先の候補地のひとつとして取りざたされるようになった。
昨年11月17日の衆議院安全保障委員会では、移転先候補の例示の中に佐賀空港の実名を挙げて沖縄以外の移転先を検討する考えがないか防衛大臣及び外務大臣に質問がなされ、本年1月19日に佐賀空港を視察した照屋寛徳衆議院議員は、佐賀空港について「ベストロケーション」と発言した。
また、2月16日の新聞報道では、社民党が、それまで移設候補先として主張していたグアムに加え、佐賀空港を含む複数の候補地を示す方向で調整に入ったとされ、3月8日に開かれた沖縄基地問題検討委員会において、国内の具体的な候補地は明らかにされないまま、社民党から移設私案が示された。
これら一連の出来事は、佐賀県民にとって、まさに「寝耳に水」、「晴天のへきれき」であり、正確な情報が掴めないまま、佐賀県民は困惑し、不安に苛まれている。
米軍基地の問題については、その大部分を沖縄県のみに依存してきた過去に対する沖縄県民の怒りや苦しみは十分理解するものであり、国全体の問題として考える時期に来ている。
しかしながら、県民が平和に暮らし、秋にはバルーンが舞う風光明媚な佐賀平野や、豊かな恵みに育まれた有明海の上空を米軍機が飛び交う姿など、想像することもできず、佐賀県民として到底受け入れられるものではない。
元々、「県は佐賀空港を自衛隊と共用するような考えを持っていない」と明記した覚書があり、軍事利用が不可能なことは明らかである。
本県議会は、県民の平和な生活を守り、一刻も早く県民の不安を払拭する観点から、米軍普天間飛行場の佐賀空港への移設に断固反対し、受け入れを拒否する姿勢を明確に示すものである。
ここに、県民の負託を受けた県議会の総意として、断固たる決意を表明する。
以上、決議する。
平成22年3月 日
佐 賀 県 議 会
以上、決議案を提出する。
平成22年3月15日
提出者 全 議 員
佐賀県議会議長 留 守 茂 幸 様