新たな農業基本法制定にあたっては、(1)市場原理一辺倒の農政から安心・安定の農政 の実現、(2)国の責任による食料自給率の明示、(3)家族農業と農村の持つ国土保全など の多面的な公益機能の重視と現行農地制度の堅持、(4)都市と農村の共生などの国民合意 が得られるものとする。これらの基本理念から左記のことを新たな農業基本法に盛り込む ことを求める。
1. 食料の安定供給は、国内農業生産の基本として維持・拡大に努めること。
2. 食料自給率は、国の責任においてカロリー・ベースで当面50%を目標とすること。
3. 株式会社の農業参入は、環境保全型農業づくりに逆行するばかりか、農地の投機的な取得や農村社会の崩壊が懸念されることから認めないこと。
4. 中山間地域などの条件不利地域はもとより、平坦地を含めた農業・農村の持っている多面的公益機能を適正に評価し、日本型デカップリング(直接所得保障)を導入すること。
5. WTO(国際貿易機関)農業協定の再交渉にあたっては、自国の食料は、自国で生産することを基本にした「新たな農産物貿易ルール」の確立を図ること。
以上、地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。
平成11年7月 日 |