尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件及びロシア大統領の
北方領土訪問に対する国の毅然たる外交姿勢を求める意見書(案)
去る9月に尖閣諸島沖の日本領海内で発生した中国漁船衝突事件では、政府の外交の対応が不適切であったことから、我が国が、国際社会に対し「中国の圧力に屈した」との印象を与えることとなった。
これにより中国政府は、尖閣諸島を自国の領土と主張した上で、我が国への謝罪と賠償の要求、政府高官の交流中止、レアメタルの輸出制限、我が国の民間会社員の逮捕を行うとともに、中国国内では、各地で民衆による反日デモが発生し、日本企業の店舗等が壊されるといった事件も引き起され、最近では、尖閣諸島付近で中国の漁業監視船が、我が国の領海線に近づいたり離れたりを繰り返しながら、挑発的な航行を行うという状況となっている。
また、11月にはロシア大統領が我が国の北方領土の一つである国後島を訪問するという事態が起こった。
これは、択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島からなる北方四島が、歴史的にも国際法的にも我が国固有の領土であり、国民は北方領土問題が一日も早く解決されることを悲願としている中で、旧ソ連時代を含めロシアの国家元首が、北方領土を初めて訪問するという由々しき事態であり、ロシアによる四島の不法な占拠を既成事実化しようとする憤怒に堪えない、極めて遺憾な行為である。
こうした一連の事態に対して、政府の外交姿勢は極めて不適切と言わざるを得ず、国際社会における我が国の立場を貶めると共に、国民に大きな失望と不安を抱かせ、国の安全保障に対する懸念を強く抱かせるものである。
よって、政府におかれては、中国やロシアをはじめとする諸外国に対し、毅然たる外交姿勢を示し、現状の改善と再発防止のために、早期に外交戦略を立て直すなどの対応策を講じ、我が国領土の保全並びに国民の安全と安心を期するよう強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年12月 日
佐賀県議会
内閣総理大臣 菅 直人 様
衆議院議長 横路 孝弘 様
参議院議長 西岡 武夫 様
法務大臣 仙谷 由人 様
外務大臣 前原 誠司 様
国土交通大臣 馬淵 澄夫 様
防衛大臣 北沢 俊美 様
内閣官房長官 仙谷 由人 様
以上、意見書案を提出する。
平成22年12月17日
提出者 原 口 義 己 吉 田 欣 也 篠 塚 周 城 宮 崎 泰 茂
留 守 茂 幸 石 丸 博 石 井 秀 夫 武 藤 明 美
木 原 奉 文 伊 東 猛 彦 稲 富 康 平 稲 富 正 敏
竹 内 和 教 伊 藤 豊 中 倉 政 義 福 島 光 洋
藤木 卓一郎 岩 田 和 親 楢 崎 近 石 倉 秀 郷
桃 崎 峰 人 土 井 敏 行 峰 達 郎 指 山 清 範
古 賀 善 行 大 場 芳 博 石 井 久 起 田 崎 信 幸
岡 口 重 文 原 田 寿 雄 宮 原 真 一 坂 口 祐 樹
向 門 慶 人
佐賀県議会議長 留守茂幸 様 |