議案等の審議結果
意見書案と採決状況
意第8号
可決
諌早湾干拓潮受堤防排水門の開門調査の開門方法について、
段階的開門から実施し、最終的に全開門を求める意見書(案)
現在の有明海の状況をみると、ノリ養殖は、8年連続で生産日本一となるなど、順調な生産が続いているように見えるが、地区別にみれば、佐賀西部・南部では赤潮の発生により、ノリの色落ちが発生し、商品にならないノリが多くできるようになり、経営は不安定な状況のままである。
また、二枚貝については、全体の漁獲量が未だ低迷が続いている中、タイラギについては、平成21年度は久しぶりの豊漁となったものの、平成22年度の漁獲は大幅に減少した。
このように、漁業者は、先行きに不安を抱きながら操業している状況が未だ続いており、一日も早い有明海の再生が強く望まれている。
一方、諫早湾干拓事業に係る潮受堤防の開門調査については、昨年12月に福岡高等裁判所の控訴審判決が確定し、平成25年12月までに開門調査を実施することが決定しているところである。
国は、開門調査に係る環境影響評価の準備書(素案)を基に、開門調査に向けた関係者との協議に入ったところであるが、制限開門に導いているかのような準備書(素案)の示し方や、「制限開門」の採用を示唆した農林水産副大臣の発言等を考えると、有明海再生の観点から上告を断念し、判決を受け入れて開門調査を決定した菅総理大臣の思いを、本気で成し遂げようとしているのかという大きな疑問が残る。
我々が望むのは、開門調査の実施により、有明海の環境を改善し、有明海の再生と沿岸の水産業、農業の振興を図ることである。
ついては、諌早湾干拓潮受堤防排水門の開門調査の開門方法などについて、下記のとおり強く要望する。
記
1 国は、5年間の常時開放を命じた福岡高裁の判決のとおり、排水門を常時開放することとし、排水門の開門方法については、段階的開門から実施し、最終的に全開門となるようにすること。
2 開門にあたっては、農業、漁業、背後地防災に影響がないよう万全の対策を講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成23年7月 日
佐賀県議会
内閣総理大臣 菅 直人 様
衆議院議長 横路 孝弘 様
参議院議長 西岡 武夫 様
農林水産大臣 鹿野 道彦 様
環境大臣 江田 五月 様
内閣官房長官 枝野 幸男 様
以上、意見書案を提出する。
平成23年7月5日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 石井秀夫 様