平成30年11月定例会 意見書案と採決状況
意第13号
否決
国民健康保険税を「協会けんぽ並み」に引き下げるため、
国庫負担増を求める意見書(案)
国民健康保険法は、昭和34年(1959年)1月に施行され、昭和36年4月から国民皆保険が達成された。国民健康保険制度発足時、職業別の世帯構成割合は、農林水産業と自営業が70%近くを占め、無職は10%程度であった。しかし、今日(2016年度)では、無職と非正規雇用の被用者が80%近くを占めるように、その「構造」が大きく変化し、知事会などがいう「国保の構造問題」がこれである。
高すぎる国保税は、住民の暮らしを苦しめているだけでなく、国民健康保険制度の根幹を揺るがしている。全国知事会、全国市長会、全国町村会などの地方団体は、加入者の所得が低い国保が他の医療保険より保険料が高く、負担が限界になっていることを「国保の構造問題」だとして、「国保を持続可能とする」ためには、「被用者保険との格差を縮小するような抜本的な財政基盤の強化が必要」と主張している。
保険税額をみると、佐賀県では平均で、年収400万円の4人家族で48万円余であり、中小企業の労働者が加入する「協会けんぽ」の場合は21万余円。いかに国保税の負担が大きいかを示している。所得は低いのに保険料は一番高い、この不公平を正すのは政治の責任である。
全国知事会は、「国民健康保険制度については、平成30年度から都道府県が財政運営の責任主体となったが、新制度の運用状況を鑑み、不断の検証を行いながら国保制度の安定化が図られるよう、平成28年12月22日社会保障制度改革推進本部決定により確約した財政支援について、今後も国の責任において確実に実施すること」を求めている。国保の構造的な危機を打開するためには、国庫負担を増額する以外にない。
よって、政府及び国会に対し、世界にも誇るべき「国民皆保険制度」であり、その柱である国民健康保険制度を守るためにも、国庫補助の増額を強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成30年 月 日
佐賀県議会
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
衆議院議長 大島 理森 様
参議院議長 伊達 忠一 様
財務大臣 麻生 太郎 様
厚生労働大臣 根本 匠 様
以上、意見書案を提出する。
平成30年11月22日
提出者 武藤 明美 井上 祐輔
佐賀県議会議長 石倉 秀郷 様