議案等の審議結果
意見書案と採決状況
意第20号
可決
地方財政の充実・強化等を求める意見書(案)
急速な高齢社会が到来し、国の歳出に占める社会保障関係費の割合は5割を超え、社会保障の機能強化と持続可能性の確保が一層重要となっている。
社会保障においては、子育て、医療、介護など、多くのサービスを提供する地方自治体の役割が高まっており、安心できる社会保障制度を確立するためにも、安定した財源の確保が重要である。
しかしながら、先般、社会保障と税の一体改革関連法が成立し、社会保障の安定した財源として期待される消費税が引き上げられることになったが、国民には引き上げ分が、全額、本当に社会保障に使われるのかという疑問もある。
また、今年度の赤字国債の発行に必要な特例公債法案が現時点でも成立していないことにより、地方交付税が予定どおりに交付されなくなっていることなどから、国にはこうした懸念を払拭し、安定した財源確保のための責任ある対応が求められている。
さらに、全国の経済状況が依然として停滞する中、地域の雇用確保、社会保障の充実など、地域のセーフティネットとしての地方自治体が果たす役割はますます重要となっている。
特に、地域経済と雇用対策の活性化が求められるなかで、介護・福祉施策の充実、農林水産業の振興、クリーンエネルギーの開発など、雇用確保と結びつけ、これらの政策分野の充実・強化が求められている。
2012年度政府予算では地方交付税について、総額17.5兆円を確保しており、2013年度予算においても、2012年度と同規模の地方財政計画・地方交付税が求められる。
こうしたことから、2013年度の地方財政予算全体の安定確保にむけて、政府に次のとおり対策を求める。
記
1 被災自治体に対する復興費については、国の責任において確保し、自治体の財政が悪化しないよう各種施策を十分に講ずること。
また、復旧・復興に要する地方負担分は、通常の予算とは別に計上すること。
2 医療・介護、子育て支援分野の人材確保など、少子・高齢化に対応した一般行政経費の充実、農林水産業の再興、環境対策など、今後増大が見込まれる財政需要を的確に取り入れ、2013年度地方財政計画を策定すること。
3 特例公債法のあり方の検討など、将来にわたって安定した財源確保に努めながら、地方財源の充実・強化をはかるため、地方交付税の総額確保と小規模自治体に配慮した再分配機能の強化、国税5税の法定率の改善、社会保障分野の単位費用の改善、国の直轄事業負担金の見直しなど、抜本的な対策を進めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成24年10月 日
佐賀県議会
内閣総理大臣 野田 佳彦 様
衆議院議長 横路 孝弘 様
参議院議長 平田 健二 様
総務大臣 樽床 伸二 様
財務大臣 城島 光力 様
厚生労働大臣 三井 辨雄 様
農林水産大臣 郡司 彰 様
経済産業大臣 枝野 幸男 様
国土交通大臣 羽田 雄一郎 様
内閣官房長官 藤村 修 様
経済財政政策担当大臣 前原 誠司 様
以上、意見書案を提出する。
平成24年10月3日
提出者 篠塚周城 宮崎泰茂 留守茂幸 石丸 博 石井秀夫
木原奉文 伊東猛彦 稲富正敏 竹内和教 伊藤 豊
中倉政義 福島光洋 藤木卓一郎 石倉秀郷 桃崎峰人
土井敏行 峰 達郎 指山清範 古賀善行 大場芳博
内川修治 田崎信幸 岡口重文 原田寿雄 徳光清孝
宮原真一 坂口祐樹 藤崎輝樹 向門慶人 米倉幸久
八谷克幸 原 康彦 定松一生 川﨑常博 江口善紀
服巻稔幸 古賀陽三
佐賀県議会議長 石井 秀夫 様