議案等の審議結果
意見書案と採決状況
意第2号
可決
有明海の再生につながる諫早湾干拓潮受堤防排水門の
開門調査の前倒し実施等を求める意見書(案)
有明海の状況をみると、佐賀県のノリ養殖は、ここ数年連続して生産日本一となっているが、西部・南部の漁場では、赤潮の発生による早い時期からのノリの色落ちが続くとともに、二枚貝については、全体の漁獲量が低迷するなど、漁業者にとって厳しい状況が続いている。
こうした中、諫早湾干拓潮受堤防排水門の開門調査については、これまで再三にわたって本県議会をはじめ、佐賀県関係者が早期開門等を要請してきたが、政権交代後の2月2日、就任後初めて佐賀県を訪問した林農林水産大臣は、開門の前倒しは厳しい等の見解を示した。
また、先日、開門時期の前倒しや最終的な全開門などを求めた佐賀県関係者連絡会の質問書に対しても、国はいずれも否定的な見解の回答を示した。
開門期限である本年12月はノリ漁期に当たることから、この時期を避けるよう強く求めている佐賀県関係者にとっては、極めて遺憾な状況である。
一方、開門に反対する長崎県側との協議の進展は見られない。
開門調査には海水淡水化施設の工事等が予定され、工事には民有地も含まれるが、今回の調査は、法的に国が土地を強制的に買い上げることはできないとされていることなどから、長崎県側の開門調査への協力を得られる見通しもない現状では、開門までの道筋は一向に見えない。
さらに、農業用水確保などの一定の対策費については、来年度当初予算となったことにより、その成立は5月の連休前後と見られており、それで12月の開門期限に間に合うのかという疑問もある。
国は、福岡高裁控訴審判決の確定により、本年12月までに開門する義務を負っており、そのためには、開門に反対する長崎県側の理解を得ること等に最大限取り組むとともに、開門の開始時期を含め、開門実現に向けた具体的な工程表等を早急に示すことなどが求められている。
ついては、諫早湾干拓潮受堤防排水門の開門調査の前倒し実施等について、下記のとおり強く要望する。
記
1 開門開始時期については、漁業者の間に、ノリ漁期中の開門開始がノリ養殖を始め漁業に悪い影響を及ぼすのではないかとの大きな不安があることから、ノリ漁期を避け、開門調査を前倒しして実施すること。
2 開門方法等については、佐賀県関係者の意見を十分に反映させ、決定すること。
3 開門調査に向けた長崎県側の理解を得ること等のため、長崎県側との協議に迅速かつ積極的に取り組むとともに、関係者との話し合いを踏まえて、調査実現のための具体的な対策や工程表等を早急に示すこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年3月 日
佐 賀 県 議 会
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
衆議院議長 伊吹 文明 様
参議院議長 平田 健二 様
農林水産大臣 林 芳正 様
環境大臣 石原 伸晃 様
以上、意見書案を提出する。
平成25年3月22日
提出者 篠塚周城 宮崎泰茂 留守茂幸 石丸 博 武藤明美
木原奉文 伊東猛彦 稲富正敏 竹内和教 伊藤 豊
中倉政義 福島光洋 藤木卓一郎 石倉秀郷 桃崎峰人
土井敏行 指山清範 古賀善行 大場芳博 内川修治
田崎信幸 岡口重文 原田寿雄 徳光清孝 宮原真一
坂口祐樹 藤崎輝樹 向門慶人 米倉幸久 八谷克幸
原 康彦 定松一生 川﨑常博 江口善紀 服巻稔幸
古賀陽三
佐賀県議会議長 石井 秀夫 様