議案等の審議結果
平成26年2月定例県議会
委員長報告
有明玄海・環境対策特別委員長報告
委員長 坂口 祐樹
有明玄海・環境対策特別委員長の報告をいたします。
海洋環境の保全、水産資源の確保、環境対策に関する諸問題の調査に関する件につきまして、閉会中の2月3日、委員会を開催し、「よみがえれ!有明訴訟弁護団」 団長 馬奈木昭雄氏 他一名、及び特定非営利活動法人有明海再生機構 顧問 川上義幸氏を参考人として招致し、それぞれの参考人から意見聴取の後、参考人への質疑を行いました。
また、3月13日にも委員会を開催し、慎重に審議いたしましたので、それぞれの過程で申し述べられました主な質疑の概要を報告いたします。
まず、2月3日の参考人招致においては、はじめに「諫早湾干拓潮受け堤防排水門の開門を取り巻く環境、及び今後の取り組み等について」の項目に関し、馬奈木参考人 他1名から意見聴取の後、
◎ 諫早湾干拓の開門の実現に向け、国に制裁金を課す間接強制と、国がその執行停止を申し立てた裁判の今後の見通し
◎ 諫早湾干拓の排水門を開門しようとしない国の本音
◎ 「開門前提の協議には応じない」という長崎県側の強固な姿勢の本質的な考え方、及び仮に協議に応じる場合の国の対応
◎ 長崎県側の開門反対に向けたこれまでの取組内容、及び佐賀県と長崎県双方の世論形成の相違点
◎ 長崎県の世論が必ずしも開門に反対ばかりではないという根拠、及び長崎県民の気持ちを変えるための今後の取組み
などの質疑が行われました。
続いて、「有明海の未来に繋げる緊急提言等について」の項目に関し、川上参考人から意見聴取の後、
◎ 開門問題の解決に向けた長崎県との積極的な対話実現や、有明海の環境問題に関わる各大学が連携した共同研究の可能性
◎ 有明海の水産業に対する総合的な振興の取組み
◎ 有明海再生機構が出した提言中、「開門だけでは有明海の再生は困難である」という記述の論拠
◎ 諫早湾干拓調整池内の水質改善を図る開門調査の早期実現の必要性
などの質疑が行われました。
次に、3月13日の審議においては、
まず、海洋環境の保全関係としては、
◎ 開門期限に至るまでに行った国の取組内容と開門調査に向けた今後の見通し、及び有明海再生の話し合いによる解決に向けた知事による働きかけの必要性
◎ 諫早湾干拓調整池の水質や塩水化による効果、開門問題の裁判の現況と今後の対応、及び開門調査の実現に向けた取組み
◎ 開門調査に対する国の対応、長崎県との話し合いの可能性と実施に向けた国や長崎県への働きかけ、及び佐賀県民の機運を醸成する取組み
次に、水産資源の確保関係としては、
◎ 有明海におけるノリ養殖や貝類をはじめとする水産資源の厳しい現況とその要因、及び回復のための取組み、並びに漁業生産の安定に向けた今後の取組み
次に、環境対策関係としては、
◎ PM2.5に関する注意喚起の判断方法、及び喚起の際の県民に対する周知内容やその方法
などの質疑が行われました。
最後に、海洋環境の保全、水産資源の確保、環境対策に関する諸問題の調査に関する件につきましては、今後なお検討すべき重要な問題が残されておりますので、閉会中の継続審査を議長に申し出ることにいたしました。
以上をもちまして、有明玄海・環境対策特別委員長の報告を終わります。