議案等の審議結果
意見書案と採決状況
意第22号
可決
農業の持続的発展等に向けた農政重要課題に関する意見書(案)
本県農業は、これまで食料供給基地として農畜産物の生産振興と国民への安全・安心な農畜産物の安定供給に努めてきたが、昨今、こうした取り組みを脅かす農政上の重要課題が多数存在している。
TPP交渉については、11月上旬での大筋合意には至っていないが、あいかわらず交渉内容の情報開示は行われないままであり、年明け以降、急展開も予想され、予断を許さない状況が続いている。
水田農業政策については、新たな農業・農村政策の実行元年において、米価の過去最低水準への下落により、再生産可能な所得の確保すら厳しい状況にある。
農協改革については、政府は、平成26年6月24日に改訂した農林水産業・地域の活力創造プランにおいて、農協制度の見直しを強く求めているが、その内容はこれまでJAが果たしてきている農業振興と地域振興の機能低下、さらには農業者への多大な影響が懸念される。
よって、本県議会は、国会及び政府に対し、下記の事項を強く要望する。
記
1 TPP交渉
TPPの交渉においては、政府の情報開示を十分に行うとともに、将来に禍根を残さないためにも、政府は、米国の圧力に屈することなく国会決議の実現に向け、不退転の決意をもって粘り強く交渉すること。
2 水田農業政策
(1)26年産米価格下落に伴う稲作経営に係る影響を十分精査のうえ、実効性のある当面の資金繰り対策を講じること。
(2)米は国民の主食であり、食糧法の趣旨に沿って、主要食糧の需給と価格の安定を図り、担い手が経営展望を描けるよう、現行政策を十分検証し、再生産が可能な所得を確保しうる中長期的な施策を早急に講じること。
3 農協改革
(1)総合事業によるJA事業の展開について
本県の農業振興と地域振興に寄与するための、JA組織における営農経済・信用(貯金・貸出等)・共済・生活福祉等の総合事業について、一方的な事業方式・法人形態の転換等を強制しないこと。
(2)JAの准組合員の事業利用制限について
JAの准組合員は農家組合員のパートナーであることから、農協法の精神に則ってJAの准組合員に対する事業利用制限は行わないこと。
(3)「新たな中央会制度」の農協法上の位置づけの明確化について
JA中央会組織は、代表機能、総合調整機能、経営相談・監査機能に事業絞り込みを図った「新たな中央会」として見直すこととしたが、これらの機能を十分に発揮するために「新たな中央会制度」も引き続き農協法上の位置づけを行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成26年12月 日
佐 賀 県 議 会
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
衆議院議長 様
参議院議長 山崎 正昭 様
総務大臣 高市 早苗 様
外務大臣 岸田 文雄 様
農林水産大臣 西川 公也 様
経済産業大臣 宮沢 洋一 様
内閣官房長官 菅 義偉 様
内閣府特命担当大臣 有村 治子 様
(規制改革)
内閣府特命担当大臣 甘利 明 様
(経済財政政策)
以上、意見書案を提出する。
平成26年12月18日
提出者 宮崎泰茂 留守茂幸 石丸 博 石井秀夫 武藤明美
伊東猛彦 稲富正敏 竹内和教 伊藤 豊 中倉政義
福島光洋 藤木卓一郎 石倉秀郷 桃崎峰人 土井敏行
指山清範 古賀善行 大場芳博 内川修治 田崎信幸
岡口重文 原田寿雄 徳光清孝 宮原真一 坂口祐樹
藤崎輝樹 向門慶人 米倉幸久 八谷克幸 原 康彦
定松一生 川﨑常博 江口善紀 服巻稔幸 古賀陽三
佐賀県議会議長 木原 奉文 様