議案等の審議結果
意見書案と採決状況
意第11号
否決
安全保障関連法案の今国会での廃案を求める意見書(案)
政府は、集団的自衛権の行使を容認する内容を含んだ安全保障関連法案を提出した。
安倍総理大臣は法案を提出する前から、この国会で法改正を成立させると表明したばかりでなく、自衛隊法、周辺事態法、国際平和協力法(PKO法)等、本来はそれぞれ丁寧に審議すべき10本の改正案を一つに束ねて提出し、審議を簡略化しようとしている。
戦後70年間、憲法の平和理念のもと我が国が貫いてきた海外で武力行使をしないという原則を大きく転換しようとしているにもかかわらず、国民への丁寧な説明や国会での徹底審議を避け、結論ありきで法改正を強行しようとする政府の姿勢は容認できない。
集団的自衛権の行使を認める「新三要件」には歯止めがなく、我が国に直接武力攻撃がなくても、自衛隊による海外での武力行使が可能となる。新三要件は、便宜的・意図的であり、立憲主義に反した解釈変更である。政府が集団的自衛権を行使して対応しなければならないとする事例は、蓋然性や切迫性に疑義があり、集団的自衛権の必要性が認められず、安倍政権が進める集団的自衛権は容認できない。
また、法案には国際平和のために活動する他国軍の後方支援の拡大、「現に戦闘行為を行っている現場でない場所」での活動の容認など、武力行使の一体化につながりかねない内容が盛り込まれている。国際平和支援法案では、自衛隊の海外派遣を国会が承認する期限を努力義務としており、国会審議を形骸化させている。
さらに、6月4日に行われた衆議院憲法審査会において、憲法学の専門家3人を招いて行われた参考人質疑でも、与党が推薦した参考人をはじめ全員が「憲法違反」との見解を示している。
よって、国会及び政府に対し、安保法制に関する国民の疑問や不安を真摯に受け止めて、安全保障関連2法案の今国会での強引な制定はせず、廃案にすることを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成27年7月 日
佐 賀 県 議 会
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
衆議院議長 大島 理森 様
参議院議長 山崎 正昭 様
外務大臣 岸田 文雄 様
国土交通大臣 太田 昭宏 様
防衛大臣 中谷 元 様
内閣官房長官 菅 義偉 様
以上、意見書案を提出する。
平成27年7月8日
提出者 武藤 明美 内川 修治 徳光 清孝 藤崎 輝樹 江口 善紀
野田 勝人 井上 祐輔
佐賀県議会議長 中倉 政義 様