令和3年2月定例会 意見書案と採決状況
意第3号
否決
女性活躍の推進に向けた取組の一層の充実を求める意見書(案)
21世紀の我が国社会を決定する最重要課題として、男女共同参画社会の実現を掲げた「男女共同参画社会基本法」の施行から20年余りが経過し、この間、国においても、様々な状況に置かれた女性が自らの希望を実現して輝くことにより、社会の活性化につながるよう「すべての女性が輝く社会」の実現に向け、女性の活躍や、ワーク・ライフ・バランスの推進をはじめ、男女共同参画の様々な取組が進められてきた。
「世界経済フォーラム」(ダボス会議)ジェンダー・ギャップ指数2020は153か国中121位で、現状ではジェンダー平等に向けた世界的な潮流の中遅れを取っているが、昨年12月に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画において、コロナ禍における女性への影響も踏まえた上で、2030年代には、誰もが性別を意識することなく活躍でき、指導的地位にある人々の性別に偏りがないような社会となることを目指し、2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度となるよう取組を進めるとされている。また、施策推進については、男女共同参画会議の意見を踏まえ、女性活躍加速のための重点方針を決定し、各府省の概算要求に反映させることとされ、大きな期待が寄せられるところである。
地方においては少子高齢化を伴う人口減少や首都圏への若年女性の流出は、地域社会や産業経済の根幹を揺るがすものとして、将来、持続可能な社会を維持できなくなる大きな懸念材料となっていることから、固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)を解消し、男女共同参画意識を醸成するとともに、男女ともにやりがいや相応の所得を得ながらワーク・ライフ・バランスを実現できる環境づくりが必要である。こうした中、先般の前東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の女性蔑視発言が国際世論の反発を招き、日本社会全般の意識構造まで問われることとなった。こうした事態から脱却するために男女共同参画の実現に向け、各国にもまさるより一層のスピード感を持った実効性のある取組を求めるものである。
よって、政府及び国会におかれては、すべての人が、その個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の早期の実現を目指し、女性活躍の推進に向けた取組をより一層充実させるために下記の事項を講じられるよう強く要望する。
記
1 男女共同参画社会の実現に向けて、あらゆる分野における女性の活躍を推進するため、女性の参画拡大の積極的な推進及び女性活躍の視点に立った制度等の整備をより一層のスピード感を持って進めるとともに、社会全体の理解の促進を図ること。
2 女性活躍の推進に関する取組を行う地方公共団体を支援するため、十分な予算額を確保すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年3月 日
佐賀県議会
内閣総理大臣 菅 義偉 様
衆議院議長 大島 理森 様
参議院議長 山東 昭子 様
財務大臣 麻生 太郎 様
総務大臣 武田 良太 様
厚生労働大臣 田村 憲久 様
女性活躍担当大臣 丸川 珠代 様
以上、意見書案を提出する。
令和3年3月19日
提出者
武藤 明美 徳光 清孝 藤崎 輝樹 江口 善紀
野田 勝人 井上 祐輔 一ノ瀬裕子 下田 寛
佐賀県議会副議長 岡口 重文 様