令和4年2月定例会 意見書案と採決状況
意第1号
可決
有明海佐賀県海域西南部でのノリ大凶作に対する対策を求める意見書(案)
有明海は、世界でもまれに見る特異な環境を有し、豊かな自然環境に恵まれており、希少生物を含め多種多様な魚介類が生息している。また、日本一のノリ養殖漁場を形成するなど、漁業者を始め県民にとって豊穣の海であり、佐賀県では18年連続ノリ養殖日本一を達成している。
しかし一方で、有明海は内湾性海域であるため自然環境や人為的な影響を受けやすく、今漁期の有明海佐賀県海域西南部では、プランクトンの異常増殖による赤潮が続き、さらに雨量が少なかったことで川の栄養分が海に流れ込まず、今漁期ノリ養殖については、シーズン最初の秋芽ノリから黄色く変色して満足に育たず、かつてないような大凶作となっている。
よって、同海域では、通常2月末まで続くノリの摘採が1月中旬に終了せざるを得なかった漁場もあり、さらにはこの数年間ノリ漁期中に赤潮が続いていることで、ノリが不作となり、貝類も不漁もしくは休漁が続き、漁獲量も年々減少しており、同海域の漁業者は廃業を検討せざるを得ない状況となっている。
このような状況のなか、令和3年12月に有明海佐賀県海域西南部の漁業者が農林水産省に対してオンラインで被害状況を報告し、「有明海及び八代海等を再生するための特別措置に関する法律」に基づく支援を求めたところである。
今日のノリ不作の原因を早急に究明し、総合的な対策を講じるとともに関係漁業者への支援策を実施する必要がある。
よって、国会及び政府におかれては、有明海が豊かで良好な漁場として恒久的に維持できるよう、次の事項について万全の措置を講じていただくよう強く要望する。
記
1 今漁期の有明海佐賀県海域西南部でのノリ大凶作の事態を受け、「有明海及び八代海等を再生するための特別措置に関する法律」第22条の規定に基づき、赤潮等により著しく漁業被害を受けた漁業者の損失補填等の救済措置を講じること。
また、漁業者の事業継続が可能となるような次年度の事業再建のための支援に努めること。
2 有明海佐賀県海域西南部のノリ不作の原因究明とそのメカニズムを解明し、漁業者が将来にわたり安定したノリ養殖業に従事できるようにすること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和4年3月 日
佐賀県議会
衆議院議長 細田 博之 様
参議院議長 山東 昭子 様
内閣総理大臣 岸田 文雄 様
農林水産大臣 金子 原二郎 様
環境大臣 山口 壮 様
以上、意見書案を提出する。
令和4年3月18日
提出者 全議員
佐賀県議会議長 藤木 卓一郎 様