新幹線問題対策等特別委員長報告
委員長 木原 奉文
新幹線問題対策等特別委員長の報告をいたします。
九州新幹線、新幹線停車駅周辺整備及び並行在来線、在来線に関する諸問題の調査に関する件につきまして、3月16日に委員会を開催し、国土交通省鉄道局幹線鉄道課 課長 川島雄一郎氏、同 技術企画課技術開発室 室長 平石正嗣氏を参考人として招致し、意見聴取の後、参考人の質疑を行いましたので、その過程で申し述べられました主な質疑の概要を報告いたします。
まず、参考人より「九州新幹線 西九州ルートに関する幅広い協議の状況」について意見聴取の後、
◎ 平成30年に与党検討委員会がフリーゲージトレインの導入時期の見解を示した僅か四ヶ月後に、与党PTがフリーゲージトレインの導入断念を判断し
た理由
◎ 軌間の異なる在来線間の直通運転を想定したフリーゲージトレインの開発状況と、県が提案する最高速度時速200キロメートル程度のフリーゲージ
トレインの技術開発に対する国の認識と開発の可能性
◎ 北回りルート・南回りルートがフル規格で整備された場合の並行在来線区間に対する国の捉え方
◎ 秋田県・山形県でのミニ新幹線の導入後における県民の意見
◎ 「幅広い協議」の目的と位置づけ、国からの新たな提案や負担金の協議など今後の進め方に対する国の考え
◎ 九州新幹線西九州ルートを整備する目的と意義
◎ 在来線における無人駅の増加などサービスレベルが低下することに対する国の所見
◎ 新幹線の建設に関する法制上の手続きや与党PTとの関係
◎ 佐賀県側の主張に対する国の認識と受け止め
◎ 平成30年3月の軌間可変技術評価委員会の提案に基づいたフリーゲージトレインの試験を行わずに開発断念に至った理由
◎ JR長崎線の利便性確保に係る意見聴取に関する国の受け止めと今後の対応
◎ 地方鉄道の維持に向けた検討会の設置目的と議論の方向性
◎ フル規格の場合の3つのルートについて建設費の積算根拠と空港ルートにおける整備工法と建設費の内容
◎ 全国の整備新幹線における建設中区間、未着工区間の現状と今後の財源確保に向けた国の認識及び新大阪駅の地下ホームについての検討状況
◎ 災害時における在来線の代替輸送として国がフル規格を提案する理由
◎ 新幹線を利用した物流の方向性についての国の認識
◎ 私鉄で実施されている在来線間のフリーゲージトレインの開発状況と、民間で実施されているフリーゲージトレインの技術開発に対する鉄道局の姿勢
◎ 西九州新幹線新鳥栖‐武雄温泉間をフル規格で整備した場合の新幹線の本数と、山陽新幹線や鹿児島ルートとの乗り入れの可能性及び新鳥栖駅につい
ての国の認識
などの質疑が行われました。
最後に、九州新幹線、新幹線停車駅周辺整備及び並行在来線、在来線に関する諸問題の調査に関する件につきましては、今後なお検討すべき重要な問題が残されておりますので、閉会中の継続審査を議長に申し出ることにいたしました。
以上をもちまして、新幹線問題対策等特別委員長の報告を終わります。