岸田政権は、2023年4月から、マイナンバーカードを健康保険証として使うオンライン資格認証システムの原則義務化を医療機関に求めている。そして、2024年秋に現在の健康保険証の廃止を目指す方針を打ち出している。
これに対し、全国保険医団体連合会が行った実態・意識調査では、回答した1721件のうち、賛成はわずかに9%にとどまり、反対は73%に上る。
オンライン資格認証システムは、導入済みの医療機関が27%、準備中が54%、導入しない・できないが18%である。運用を開始したものの「利用患者がほとんどいない」との回答が85%であった。41%の医療機関でシステム運用開始後にトラブルが発生。「被保険者情報が迅速に反映されない(有効な保険証でも『無効』と表示された)」は62%、「カードリーダーの不具合」が39%であった。
システムを導入しない・できないとした医療機関の理由は「情報漏洩やセキュリテイ対策が不安」「電子カルテなどの改修で多額の費用が発生する」との回答がいずれも65%であった。
国会での十分な説明・審議もなく、現場の医療機関や利用者に、不安と混乱をもたらすマイナンバーカードを健康保険証として使うことに対して慎重な対応を求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和4年11月 日
佐賀県議会
衆議院議長 細田 博之 様
参議院議長 尾辻 秀久 様
内閣総理大臣 岸田 文雄 様
総務大臣 松本 剛明 様
厚生労働大臣 加藤 勝信 様
デジタル大臣 河野 太郎 様
以上、意見書案を提出する。
令和4年11月22日
提出者 武藤 明美 井上 祐輔
佐賀県議会議長 藤木 卓一郎 様