教育長定例会見(令和6年6月11日)
<発表項目>
1.高校生の新しい学びがスタート(「SEIRENKATA」SAGAハイスクールDI人材育成プログラム)
2.佐賀県で先生になりたい!その志・想いを後押しします(ペーパーティーチャーの研修講座の充実)
3.SAGAインターハイまで1か月!
4.中学生への「会計」出前授業やってます!
5.佐賀西高校で、令和6年4月から「標準服制度」が導入されました!
6.対面やオンラインによる高校進学説明会を開催します!
<配布資料>
<概要>
おはようございます。学校現場の取り組みを交えながら、最近の動きについて御紹介します。
<高校生の新しい学びがスタート>
SAGAハイスクールDI人材育成プログラムをSEIRENKATA(セイレンカタ)と名づけました。産業を変革した先人たちの想いを受け継ぎ、将来の佐賀を担うDI人材を育成します。19校から100名の高校生が参加します。
参加する高校生には、「Deepにいこう」と、そして「デジタルで世界をよりよくする術を学ぼう」「デザインでワクワクをつくり出そう」「ダイナミックに常識を変えていこう」の3つのDを大切にと呼びかけています。
ロゴマークは、パーツに見立てた文字を組み合わせ1つのマークにしました。丸と線はデジタル回路を表現し、ナットを想起させる六角形に、ものづくりの精神を込めました。
SEIRENKATAプログラムは、5月18日に開催した関係機関との連携協定締結式、寄附をいただいた企業への感謝状贈呈式及びキックオフイベントを皮切りに本格的に動き出しています。
6月からは、企業や大学からハイレベルな講師陣を招聘して県内のDIラボ7拠点で講座を開講し、高校生が半導体回路設計、プログラミング、データサイエンス、AI活用といった最先端のデジタル技術と地元学を学びます。卒業後は、大学進学、DI人材として就職し、佐賀で活躍する人材の好循環につなげたいと考えています。
地元学の第1回は、電気工学の祖 志田林三郎をテーマに扱い、講座の中で高校生が自分の考えを述べ、話し合う中で最適解を見つけていくような、ビジネスにも通じる学びが提供されていました。
ディープに進む高校生たちをどうぞ、見守ってください。
<佐賀県で先生になりたい!その志・想いを後押しします>
これまで、「教員採用選考の改革」として受験しやすい環境を整え、「魅力発信」では先生へのインタビューを動画配信するなど、様々な教員確保に向けた取組を行ってきました。今回その中の1つ、「ペーパーティーチャーの研修講座の充実」を紹介します。
ペーパーティーチャーとは、教員免許取得者で教職に携わっていない方のことです。文科省によると、教員免許を取得した人、国公立大学の教員養成系の学部を卒業した人のうち、教員になっていない人が、最近では4割、過去には5~6割の年もありました。
また、佐賀県の教員採用試験の倍率の推移から、平成10年~19年ごろまで高倍率が続き、採用数が少なかった時期がありました。今の年齢にすると40歳前後から50歳前後の方々で、先生になりたくても採用にならずに諦めた方がいらっしゃると考えられます。
教育委員会としては、そのような方々や同じ想いをもった方々の教員になりたい気持ちを後押しするペーパーティーチャー研修を実施します。
本講座は、教員免許取得後に教職に就いたことがない方や教職に就いたが、早期に退職した方などを対象に、最近の学校事情や授業の作り方、教員免許制度などを説明するもので、県内3か所で開講します。また、今年度は新たに、第2弾、第3弾として学校見学や授業づくりの演習、個別相談会を行いより具体的に踏み込んで自信をつけていただける機会にしたいと考えています。
加えて、佐賀大学の教職大学院では、2年間かけて学び直しができる制度があります。じっくり学びたい方は、教職大学院に入学し、学び直しができることを紹介していきたいと考えています。
SAGAインターハイ開幕まで、あと42日となりました。佐賀県では、7月23日のフェンシングから始まり、計6競技を開催します。
5月から6月初めにかけて、県の高校総体が開催され、一部の競技を除き、インターハイ(全国大会)に出場する高校生が決定しております。高校生の全国での活躍を期待しております。
また、SAGAインターハイを支える高校生活動推進委員会「さがまる」が、県高校総体の開会式でインターハイのPRをしました。現在は、会場を装飾する草花の栽培とそれを飾る花台を高校生が手作りで準備しています。加えて、メッセージつきのうちわ、応援者用うちわ、デザインを考案したオリジナルシューズ入れ、宿泊施設に飾るミニのぼりの制作など、高校生自ら企画し大会を盛り上げようと取り組んでいます。
そして、6月22日にはインターハイ直前イベント「STAND BY meeting」を開催します。北部総体に出場するすべての選手、SAGAインターハイを支える高校生にエールを送るイベントです。「する」「みる」「ささえる」それぞれの立場でインターハイを盛り上げていければと思います。
イベント当日は、元久光スプリングスの石井優希さん、元サガン鳥栖の高橋義希さんを特別ゲストに迎え、高校生とのトークショーを企画しています。その他にも、高校生のブース出展、高校生の演奏とダンスパフォーマンス、来場者がイベント会場から応援メッセージを投稿する企画、オリジナルグッズが当たる抽選会があります。
SAGAインターハイに向けて高校生が企画を考え、様々な取組を進めています。夏のインターハイは、秋に開催されますSAGA2024国スポ・全障スポにつなげていく大会にしたいと思います。
昨年度から、商業高校の先生による中学生会計の出前授業を行っています。
中学生は社会科として経済活動や社会の仕組みを学びますが、会計の意味を学ぶことで、よりその内容について理解しやすくなります。ただ、会計は中学校ではなじみのない分野かと推察できますので、商業高校の先生が出前授業という形でサポートをしています。
昨年は、分かりやすい教材の作成や出前授業を8校で実施しています。その中で関心を持った生徒には日商簿記初級プログラムへの案内し46名の生徒が申込みされ、自主的に会計学習会に参加された生徒もいます。また、日商簿記初級に6名の生徒が受験し、5名が合格したという嬉しい話も聞いています。
授業に参加した生徒からは、企業の売り上げなど、一目でその会社の状況の変化がわかる会計のすばらしさがわかった、との感想がありました。このような取組を通じ、生徒が経済活動や社会の仕組みについて関心を持ち、将来の選択に役立つお手伝いができるという紹介でした。
<佐賀西高校で、令和6年4月から「標準服制度」が導入されました!>
佐賀西高校では、令和6年4月より標準服制度が導入されています。
標準服制度は、指定日には標準服、ほかの日は私服での登校を認める制度です。生徒制服検討委員会を中心に検討を進め、昨年の夏休み・冬休みの試行期間を経て、4月から導入に至りました。現在、3~4割程度の生徒が私服で登校し、気温に応じて調節しやすい等、生徒の反応は非常によいと聞いています。
生徒が自ら考えて、判断し、行動する取組としてご紹介します。
<対面やオンラインによる高校進学説明会を開催します!>
対面やオンラインにより高校進学説明会を開催し、県内の高校の魅力や特色を発信しています。対面の高校進学説明会は県内5会場で実施し、各地区で、県立高校、私立高校、高等専修学校がブースを設けます。また、さらに詳しく聞きたい方には、個別相談会を予約制で受け付けます。
実際に参加した方からは、生徒が聞きたいことを直接質問でき、保護者も参加できるなど、好評をいただいています。また、鳥栖・嬉野会場は、すでに開催し、多くの方に来場していただきました。
オンライン高校説明会は、6月初めからウェブで動画を公開しており、いつでもどこでも視聴が可能で、質問フォームから投稿することができます。
さらに、今年度から新たに「出張!佐賀さいこう!高校進学説明会」を隣県の久留米市と佐世保市の商業施設で開催しました。加えて、首都圏の移住者向けイベントで、ブース出展を予定しています。こちらのイベントでは、全国募集をしている有田工業高校と唐津青翔高校のPRなどを行い、教育内容や学校行事、住まいの相談にも応じます。より多くの方に佐賀県への進学に関心を持っていただくきっかけとなればと思います。
令和5年度のペーパーティーチャー研修講座の参加者数と、採用試験の受験者数をお願いします。
49人の参加があり、8人が講師として学校現場で働いています。教員採用試験はこれから受けられます。
会計に特化した出前講座が実現した経緯を教えてください。
文部科学省の学習指導要領の解説に、経済活動を学ぶ上で会計を通して学ぶことも重要である、と記載されています。会計は経済の基本を知る上で重要な内容でありますが、中学校教師にはなじみのない分野ということで、地元の子どもたちの力になりたいと商業高校から企画されています。
そうです。各中学校に講座内容を紹介し、希望があった学校へ出前講座をする形です。
DIラボの設置場所は具体的にどちらに設置していますか。
また、SEIRENKATAは授業になるのか部活動として扱われるのか、普段の授業とどのように両立されているか教えてください。
最後に、SEIRENKATAでは地元の歴史に特化した要素がありますが、最先端を学びつつ、歴史も学ぶ狙いがあるのですか。
まず、拠点の設置場所は、佐賀西高校、致遠館高校、佐賀工業高校、佐賀商業高校、武雄高校、唐津南高校と佐賀市内の民間の施設の7つ。各拠点校では拠点校の生徒だけでなく私学を含めて拠点校以外の生徒も参加できます。
続いて、活動の形態は、学校の活動とは全く切り離した活動になります。
地元学では、地元の起業家、佐賀の産業を学びます。地元とのつながりを持って育ってほしいという想いがあります。そして、将来、佐賀で働く意味、佐賀のことを思い、佐賀を支える人材として活躍を期待しています。そのような理念も大切にしたいと思います。
大財の「Passo」と呼ばれる施設の中にレンタルオフィスがあり、その1つを拠点にしています。
ペーパーティーチャー講座受講後、現場で働く8人の小・中・高の内訳と働き方の形態を教えてください。
勤務校種の内訳は、小学校2名、中学校3名、高等学校1名、特別支援学校2名です。
働き方の形態は、常勤講師及び非常勤講師があります。
佐賀県の教員免許を取得した人、国公立大学の教員養成系の学部を卒業した人のうち、教員になっていない人のデータはありますか。
佐賀県のみの数字はありません。教員免許は、出身大学の所在地の教育委員会が管轄し、登録をするため、登録地と働く地域が別のことがあり、県内の数値はありません。
佐賀大学教職大学院の取り組みは、ペーパーティーチャー講座の一環ですか。
ペーパーティーチャー講座の一環ではなく、佐賀大学教職大学院の取組です。佐賀大学教職大学院は、教育実践を理論的に研究する専門職大学院で、そちらでも学び直しができるという案内をさせていただきました。
ペーパーティーチャー研修後、働き始めてからのアフターフォロー研修や仕事上の悩みをサポートする体制はありますか。
学校の中の体制や教育事務所で悩みや状況を聞く形をとっています。また、教員の研修は、一緒に受けられます。
「丁寧なサポート体制の構築」とは、ペーパーティーチャーに特化したサポート体制をつくったということではないのですか。
今回の「丁寧なサポート体制の構築」とは、今回新たに開催する第2・3弾の講座でじっくり学ぶことができるようにすること、講師登録後に採用につ ながるようサポートすることを指しています。それらを丁寧に進めたいと思います。
県内のペーパーティーチャーの方々に対して、現場に戻ってほしいという思いをお願いします。
教員は、子どもが成長していく姿にかかわる感動する仕事、やりがいのある仕事です。今一度、教員になりたいと思われている方を、サポートします。
2024年5月1日時点で小・中学校の欠員数は45名、記録を取り始めた2017年は4名で、その間欠員が続く状況です。今年の欠員数への受け止めと、欠員の生じる原因をどうお考えですか。
欠員が生じることで、学校現場には大変な負担がかかります。解消に向け、しっかり取り組むべき課題だと受け止めています。
要因は、定年による大量退職者が続くこと、及び少人数学級や特別支援学級に対する教員増員体制によって不足していると考えています。
ペーパーティーチャーの取組は、佐賀県が全国に先駆けた取組ですか。
他県でもありますが、本県では取組みをきめ細かに進めていきたい。
出張高校進学説明会で、特にPRする高校が有田工業高校と唐津青翔高校ということですが、この2校が対象となった理由と今後、全国に向けてPRする対象学校を増やしていくのかを教えてください。
この2校は、地域みらい留学に参画し、全国から生徒を募集しています。また、有田町や玄海町では、地元の協力をいただいて住まいを確保し、全国から入学してもらえる仕組みを整えています。
また、有田工業高校は、デザインやセラミックが学べ、唐津青翔高校は、韓国の文化や地域の自然を生かした学びができる環境が整っています。そういった特色を打ち出し、全国から学びたいという生徒を募集しています。この2校を紹介していきたいと考えています。
このような取組は、どの学校で取り組めるものではないので、まずはこの2校と考えています。
他の学校においては全国募集とまではいかなくても、県外からはもちろん進学できますので、唯一無二の誇り高き学校づくりに取り組み、魅力の磨き上げをしているところです。
日本中学校体育連盟が、全国中学校体育大会の規模縮小を発表しました。受け止めを教えてください。
様々な議論の結果、縮小に至ったと推察します。全国中学校体育大会の競技から外れるいくつかの競技について生徒の発表の場がなくなること自体は残念なことですし、それぞれの関係団体で議論いただき、何らかの形で子どもたちが発表できる場があったらいいというふうに思います。
本県では、SAGA部活に取り組んでいます。(楽しくやりたいとか、勝って記録を伸ばしたいとか、)いろんな思いの子どもたちがいますし、地域資源も活用しながら様々なパターンで、それぞれの部活動を応援しており、子どもファーストで私たちは取り組みたいと思います。