佐賀県教育委員会は、先進的ICT利活用教育推進事業に係る先進地視察の一環として、下記のとおり韓国への視察を行いました。
この韓国への視察については、平成20年から毎年継続しているもので、ICT利活用教育の先進国として国際的にも高い評価を得ている韓国の教育の実情を調査研究し、その成果を佐賀県における教育改革の中の検討資料として活用しています。それが今年度の「先進的ICT利活用教育推進事業」の立ち上げにつながりました。
また今年度、本事業を強力に推進するため、現在学校現場で活躍中の先生方の中から「ICT利活用教育推進員」を委嘱しました。
そこで、今回は、推進員を中心に韓国を視察することで、ICT利活用教育の現状を体感していただき、本事業のさらなる展開に役立たせたいと考えています。
さらに今回の訪問では、視察先に「英語村」(英語教育の関係施設)を加えました。これは、「平成23年度佐賀県教育の基本方針」の五つの柱の一つである「社会の進展に対応した教育の推進」の中に、「ICT利活用教育の推進」とならんで「グローバル化に対応した教育の推進」を掲げていることから、視察結果については、今後の佐賀県における英語教育の新たな可能性を検討するための資料としていくこととしています。
記
1 期間 平成23年7月6日(水曜日)~平成23年7月8日(金曜日)
2 視察先 大韓民国 ソウル特別市内の教育施設等
3 視察者 ・先進的ICT利活用教育推進員8名
(小学校教員4名、中学校教員3名、高等学校教員1名)
・佐賀県教育委員会関係者6名(教育長、副教育長、他)
・計14名
4 主な視察先の概要
(1)学校施設
(ア)サムサン初等学校(仁川広域市富平区三山洞58-2)
サムサン初等学校は、2010年よりデジタル教科書研究学校に選定された学校です。今年度は、特にデジタル教科書を活用して自ら学ぶことで学習能力を伸長させることを目指してICT利活用教育に取り組まれていました。
(サムサン初等学校の授業風景)
(イ)トンマク初等学校(仁川広域市延寿区東春2洞928-1)
トンマク初等学校は、2008年から「デジタル教科書研究学校」に選定され、特に今年度は、未来型教室環境の基盤造成とユビキタスラーニングに適した新しい教授法・学習法のモデルづくりに取り組まれていました。
本校は、実証実験学校として初期から参加していて、先生方がデジタル教科書を使った授業法のノウハウを蓄積されていらっしゃいました。
また、本校は、優秀事例として「全国デジタル教科書研究学校のモデル校」になっています。
(トンマク初等学校の授業風景)
(2)韓国英語村(京畿道坡州市炭縣面法興里1779)
韓国英語村は、イングリッシュ・ヴィレッジ (English Village)と呼ばれ、幼稚園児から小・中・高校生、英語を必要とする社会人が、研修や日常生活を通して生きた英語を体験しながら学習できる公的な英語体験施設です。
国民に負担の少ない形で、より英語に触れる機会を増やすことを目的に、2000年代半ば頃から韓国国内に作られました。
現在、英語村と呼ばれる施設は、韓国国内におよそ30カ所あり、大きく分けると、自治体が直営している施設と民間委託で運営されている施設の2種類があります。視察したPajuキャンプは、京畿(キョンギ)道(韓国第二規模地方自治体)が威信をかけて作った、アジア最大の英語テーマパーク(English Village Paju Camp)です。
(韓国英語村の様子1)
(韓国英語村の様子2)
(3)文化施設
(ア)国立中央図書館(ソウル市瑞草区盤浦路664)
国立中央図書館は、1945年10月に設立され、1988年5月に現在地に新築移転された国立図書館で、本館(地上7階、地下1階)、デジタル図書館(2009年5月開館:地上3階、地下5階)、司書研修館、資料保存館から構成されています。
図書館の情報化にも積極的で、オンライン上で誰もが共同利用できるよう、国家文献情報センターとしての役割を果たしています。
(デジタル図書館の様子)
(デジタル閲覧室の様子)
(イ)国立中央博物館図書館(ソウル市龍山区西氷庫路135)
国立中央博物館図書館には、考古学、美術史学、史学など博物館に関する国内外の専門資料が所蔵されています。図書館利用者及び関連分野の研究者に様々な専門的情報を提供している韓国最高の博物館専門図書館です。
(博物館図書館の様子)