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平成24年度第3回佐賀県ICT利活用教育推進協議会を開催しました

最終更新日:

 ●日時:平成25年2月18日(月曜日) 10時~12時

 ●場所:佐賀県庁新行政棟特別会議室A

 ●協議会構成委員(25名)

   ・県教育委員会教育長

   ・県最高情報統括監

   ・県教育委員会副教育長

   ・県教育委員会教育情報化推進室長

   ・県内市町教育委員会教育長(県内20市町)

   ・連携企業代表

 

---------------------------(以下記録)----------------------------

 

1 川﨑教育長挨拶

  各市町教育委員会におかれましても大変お忙しい時期に、本協議会にご参集いただき、厚く御礼申し上げる。川﨑教育長あいさつ

   ご承知のとおり、今日の学校教育においては、グローバル化や情報化が急速に進展する社会経済環境にあって、文部科学省が示している生きる力を育むとともに、学力向上をはじめ、不登校やいじめ対策、特別支援教育の充実、それに、これからますます重要であり、必要となってくる情報活用能力の向上など、対応すべき課題がある。

   こうした課題を踏まえて、佐賀県教育を今後どう進めていくべきかを検討する中で、先進的な取組をしている国々の事例や文部科学省の実証研究などから、今日的課題解決に向けては、ICT利活用教育が最も有効な手段の一つであるとの結論を得たところである。

   そこで佐賀県総合計画2011の“進”重点項目に位置付けて、平成23年度から全国に先駆け、先進的ICT利活用教育推進事業に取り組むこととした。

   ところで、この事業を推進するに当たっては、県と市町の連携が不可欠であるとともに、県と全市町が一定の方針のもと、計画的に進めていくことが重要であると考えている。

   これまでこうした認識に立ち、本協議会を設けるとともに、情報の共有化、さらには、首長や議会の理解と納得を得るための先進地視察を行ってきたところである。

   市町におけるICT機器の現状設備を見たときに、財源の確保が大きな課題となっていると捉えている。

   教育情報化の財源については、文部科学省の説明では、交付税で応分の措置を講じているとのことであるが、交付税による財源では、アピール性や確実な実施を担保する性質が弱いのではないかと思われる。

   そうしたことから、教育の情報化を計画的かつ確実に実践していくためには、国庫負担制度等により財源を特定化する必要があると考えている。

   そこで、国に対して、平成23年4月に文部科学省から公表された「教育の情報化ビジョン」の着実な実施に向け、ICT利活用教育推進のための新たな財源支援策を創設するなど国家プロジェクトとして取り組むよう、幾度となく、積極的に働きかけを行ってきているところである。

   いよいよ来年度は、正念場ではないかと考えるが、県教育委員会としては、不退転の事業として、引き続き、積極的に取り組む所存である。

   県と市町の連携協力により、この先進的ICT利活用教育推進事業が、工程に沿って、計画的に、確実に進められることを願って私の挨拶とする。

 

2 新会員紹介

  上峰町教育委員会教育長 矢動丸 壽之 氏

  太良町教育委員会教育長 松尾 雅晴 氏

 

3 議事

(1) 県の取組状況について(福田室長)  資料1参照

  県教育委員会としては、教育の情報化について、これまでの実証研究の成果等か

 ら、教育の質の向上、児童生徒の学力向上に見通しをもっている。

    ここでいう学力とは、21世紀をたくましく生き抜いていく力であり、そういう意味での

 学力を捉えたとき、ICT利活用教育は十分に効果があると考える。

    平成22年11月に事業化し、これまで、県立高校については事業内容の拡大、精選

 を行ってきた。あわせて市町においても積極的な取組をしていただいており、県全体

 での推進が図られている。平成25年度からは、成果を「佐賀スタイル」として全国に

 発信していきたい。

    本事業は、総合計画2011の“進”重点項目に位置付け、事業推進体制の構築、人

 材育成、実証研究の充実(システムや機器整備)、市町等との協議・連携、そして国と

 の連携を密にすることに取り組んでおり、4年間の工程表に沿って進めているところ

 である。

    そうした中、県立学校の機器整備の状況であるが、今年度は、電子黒板について

 は協議を重ね70インチのTVタイプを全県立高校に導入した。学習者用端末につい

 ては、生徒の使いやすさや先生の管理、価格面、学習教材の面などについて総合的

 に検討してきたが、Windows8PCの発売が遅れ十分な精査ができなかったことなども

 あり、引き続き、iPadとWindows8PCを比較検証しながら、平成25年度のなるべく早い

 段階に機器の選定を行うこととしている。今後、電子黒板や学習者用端末の購入を

 考えられる場合には、県との共同調達等を検討していただければと考えている。

    各市町でも独自の教育情報システムがあると思うが、県では、授業でも使える、家

 庭学習でも使えるシステムとして、校務管理、学習管理、教材管理の3つの機能を統

 合したシステムを構築しており、4月から稼働する。

    また、県と市町を結ぶネットワーク「佐賀県教育クラウド」について、市町にも参画

 しやすい形で機能の整理や予算面等も考慮し構築している。

    電子黒板の効果については、先生方からは、授業のやり方が変わった、授業の幅

 が広がったという指摘と評価をいただいている。

    学習者用端末については、児童生徒からすると、受け身ではなく主体的に授業に

 参加できる点で効果があるといった評価をいただいている。

    特別支援教育については、市町においても特別支援学級があるが、児童生徒個々

 人の特性に応じて使えることから、ICT機器は非常に効果が高い。

    今後、このシステムが完成すると、システムと学習者用端末・電子黒板を利活用し

 た遠隔授業等を通じて、授業の遅れを防止する、学校への復帰を支援する、特別

 支援教育の充実に役立てるといった、いつでもどこでも誰でも良質な教育を受ける

 ことが可能になる。

    新教育情報システム(SEI-Net)については、4月から稼働することになるが、4月、

 6月、9月と順次、機能を拡大していく。市町については、この機能の一部または

 全部を使っていただけるよう協議していく。

 

【質疑】

 ○小城市

  ・ICT利活用教育については、小城市でも強力に進めるというスタンスを持っている。

  ・一定の交付税措置はあるがあとは市町で、という話があっているが、市単独で議

      会や首長部局にも説明し、市単独で基幹システムを構築している自治体がある一

   方で、県のシステムに乗れば安くできる、という話が後で出てきたりする。

  ・小城市のように、単独での整備を進めてもよいものなのかということと、システム

   につなげるということであれば、その仕様を早期に公開していただけないと、使う

   かどうかの判断ができない。

 ○福田室長

  ・当方としては、入札前に担当者に説明を行った。本システムを実際に使うかどうか

   については市町の判断となる。ただ、小学校から高校まで同一のシステムで一人

   の生徒の成長を見ることができるのが理想的だとも思っている。将来的には一緒

   にやる方向で構築していきたい。

  ・小城市で予定されているのは校務支援ではないかと思うので、LMSやLCMSだけ

   でもつなぐことを検討いただければと思う。

 ○森本CIO

  ・個別にシステムをつくる、という観点からみると、これはコストがかかる、設計には

   かなりの能力が必要、という問題がある。独自に作ることを今から検討するので

   あれば、県のシステムのメリットは大きいと考える。

  ・現在、県と市町の情報部局では連携が進んでいる。ICT推進機構という団体を立ち

   上げ、システムの共同利用により数十パーセントのコスト削減の実績もある。そう

   いった情報部局にも相談してみてはどうか。

 

(2) 市町の取組状況について

 ○みやき町

  ・平成23年度からみやき町ICT利活用推進協議会を立ち上げ、整備に係る協議会と

   指導法に係る研修会を進めている。

  ・平成23年度から24年度にかけて、電子黒板と無線LANを整備したほか、学習者用

   端末を各校40台~80台整備。教師用書画カメラや指導者用デジタル教科書も積極

   的に導入している。今後、ICT支援員も各校区に1名置きたいと考えている。

 ○福田室長

  ・国も積極的に進める意向はあるものの、都道府県レベルで動いている事例がなか

   った。佐賀県が動くことで、産業界にもバックアップを要請中である。

  ・例えば、更新期を迎えているWindows XP端末の更新にあたり、これまでアカデミッ

   クライセンス対象ではなかった部分についてもアカデミックライセンスでの対応が

   可能という話があるほか、NTTラーニングシステムからも県のシステムに安価で

   教材を入れるという話が出ている。

  ・市町で何が必要かという情報を上げてほしい。

 

(3) 実証地区・実証校の取組状況について

 ア)概要説明

  ○県の実証校の取組状況説明(教育情報化推進室係長)

   ・利活用については、通常の授業のほか、公開授業、操作体験会等、幅広く

    利活用し情報提供している。

   ・電子黒板については、有用性の評価が大変高い。指導者用のデジタル教材

    や自作教材を利用されている。生徒の視線を引き付ける効果がある。

   ・端末については、調べ学習、学習者用デジタル教科書、教材等を利用してい

    るほか、授業支援ソフトによる教材の配信・回収及び協働学習が行われてい

    る。生徒の視線を内面に向け、理解の深化や学習の定着に効果がある。

 

 イ)実証地区からの報告

  ○玄海町

   ・平成23年度から県の実証研究に参加し、電子黒板を活用している。

   ・生徒にとっての成果は、「わかりやすい」、「イメージがわきやすい」、「視覚的

    に理解することができるようになる」などが挙げられる。

   ・教師にとっては、「興味関心を高める」、「授業のポイント整理」、「生徒の言語

    活動・話し合いに活用」など。問題提示型から思考型の授業へ、教師中心から

    子どもが動く授業へと変わってきたようだ。

   ・活用時間は、昨年度と比較しても大幅に伸びている。

  ○太良町

   ・平成23年度から県の実証研究地区として、電子黒板を使った取組を進めてい

    る。今年度は全教科・領域等における日常的な利活用等を目標としており、

    様々な場面で活用している。

   ・校内研修も充実していることから、教師のICT能力も大幅に向上した。

   ・また、学力について言えば、学習状況調査の結果も技能・表現分野を中心に

    向上しており、成果があったと考えている。

   ・校務支援については、指導要録・出席簿等は市販ソフトにより対応していると

    ころである。

 

(4) 協議

  ○佐賀市

   ・校務支援システムについて、導入は市町教委の判断に任せるとのことであっ

    たが、教職員は全県的な異動があることを踏まえると、合わせたほうがよい

    のではと思う。本当に市町教委の判断でよいのか。

  ○福田室長

   ・県システムは、来年度に全てが完成するというものではなく、これから4~5年

    かけて熟成していくものと考えている。市町も入って全部でやれればそれに越

    したことはないが、システムが完全ではない現時点では市町の判断でと考え

    ている。ただ、LMSとLCMSだけでもぜひ導入いただけたらとは考えている。

  ○佐賀市

   ・平成25年度以降、佐賀市も整備を進める予定をしている。また、平成25年度

    は小学校4年から6年の教室に電子黒板を導入し、26年度から27年度にかけ

    て残りの学年も導入を予定している。端末については、フューチャースクール

    推進事業の成果を見て検討したい。

   ・校務支援システムは、現在各校まちまちな状態なので、異動等で混乱すること

    もあり、統一したいと考えている。まずは平成25年度にモデル校を設定し、県

    のシステムにつなぐことを検討したい。

   ・ICT支援員は5校に1人程度の配置を予定している。

  ○福田室長

   ・校務支援システムについては、教員の負担減だけでは一般には説明しづらいと

    考える。成績向上も保障する必要がある。そのためには、LCMSやLMSの導入

    が必要と考えた。

  ○多久市

   ・東京書籍のドリルの件についても、24年度に無償だったので一度予算を削って

    いる。一度なくした予算の復活はかなり困難なため、25年度に契約が必要であ

    れば金額面での交渉をお願いしたい。

  ○武雄市

   ・現実的に、一度に入れるのは難しい。今の電子黒板は何年使えると見込んで

    いるのか。導入時期をうまくずらし、必要な予算を均して措置できればと考えて

    いる。

  ○福田室長

   ・電子黒板はパソコンで動いている。パソコンの保守期間は5年が一つの目処で

    ある。液晶テレビタイプの電子黒板の場合は、もう少し長く使えると思うが、プロ

    ジェクタタイプだと、ランプの交換が早いタイミングで必要となる。

  ○武雄市

   ・平成26年度から学習者用端末は保護者負担とあるが、義務制で同様に保護者

    負担とした事例はあるか。

  ○福田室長

   ・高校は自分の意思で入るもの。制服等必要なものは基本的にすべて有償。端末

    だけが例外とは理由が立たないと考えた。

   ・ただ、義務教育は教科書等無償が原則であるため、国には準じるよう要請して

    いる。大阪市では、実証中は市が負担することとしているが、それ以降について

    は触れていない。韓国の場合、実証中は企業等が提供しているという状況であっ

    たようだが、現在は「端末はどの家庭も持っている」という前提に立って、自己

    負担の方向で考えられていると聞いている。

 

(5) その他

  ○事務局より

  ・県では、平成25年度の当初予算で、600台程度の電子黒板の購入を予定している。

   市町についても、仕様が同様で、県との共同調達を希望する場合、委任してもらえ

   れば県で調達に係る事務を行うことが可能である。

  ・学習プリント配信システムについても、引き続き利用を希望する自治体があれば連

      絡をいただきたい。

 

参考:当日資料 新しいウィンドウで(2646KB; PDFファイル) 

全体の様子

 

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