●日時:平成26年5月19日(月曜日)10時から12時
●場所:正庁 (本館4階)
●協議会構成委員(25名)
- 県教育委員会教育長
- 県最高情報統括監
- 県教育委員会副教育長
- 県内市町教育委員会教育長(県内20市町)
- 連携企業代表
●内容:
(1)教育委員会挨拶 福田副教育長
○ 本日は、大変お忙しい中、平成26年度第1回佐賀県ICT利活用教育推進協議会にご参集いただき、ありがとうございます。県教育委員会を代表して、一言、ご挨拶申し上げる。
○ さて、今日のグローバル化や情報化が急速に進展する世界経済状況にあって、学校教育には、「生き抜く力」を育むことが求められている。
○ 本県においては、学力向上対策や不登校、いじめ対策、特別支援教育の充実、それに、能力の向上、情報リテラシー教育の推進など、対応すべき課題が多くある。
○ こうした中、県教委では、これらの諸課題を解決し、本県教育の一層の進歩充実を図るためには、教育の情報化の推進が効果的であると考え、平成23年度からは、全県規模で「先進的ICT利活用教育推進事業」に取り組んでいる。
○ また、本事業の推進に当たっては、県と市町とが一体となって推進することが重要であり、本協議会で県教育委員会、市町の教育長、また市町の部局等も参画する形で推進しており、本年は4年目を迎える。
○ 昨年度はICT利活用教育の全県展開に向けて、市町首長会から出された県への要望等を踏まえ、県よりICT利活用教育に取り組む市町を支援するための臨時交付金を準備した。
○ 各市町においてはこの臨時交付金や国からの一般交付税等を有効に活用し、ICT機器の計画的整備とそのための予算措置を行い、平成27年度までには、少なくとも、電子黒板については、全普通教室に各一台の整備を終えてもらいたい。
○ また、県立高校については、今年度から全校で学習用パソコンを導入することとしていたが、この4月からは新入生全員が学習用パソコンを購入しスタートした。
○ 本日の協議会では、県や各市町での取組状況、及び国の動き等についての情報交換の場としていただき、今後なお教育の情報化が推進されることを祈念して、挨拶とします。本日はよろしくお願いいたします。
(2)会員の自己紹介
(3) 県の取組について 福田副教育長
1 ICT利活用教育推進の背景
(1)時代背景を踏まえた教育の実現
○高度情報化・グローバル化に対
応した教育の実現(質の向上)
(2)今、求められる学力向上の取
組とは
○次世代を見据えた教育の実現、学力向上の取組強化、生涯教育の基礎となる学習習慣の育成、特別支援教育への活用
(3)ICT利活用で可能となる新たな学習環境
○通常の学校や教室外でも質の高い教育の確保(自然災害、不登校、感染症の流行時への対応)
2 「佐賀県総合計画2011」に示す工程表
※ 県立学校におけるICT環境の整備(現状)
・本年度から全県立高校の1年生に学習用PCを導入
3 教育を支える教職員の指導力
・全県実施に向けた県と市町との連携
・教職員のスキルアップを機器整備に先行して実施
・推進リーダーを中心とした日常的な校内研修の実施。
4 新教育情報システムの構築・運用
・新たな学習環境の構築と教師の事務負担軽減
※ 校務管理(支援)システム、学習管理システム(LMS)、教材
管理システム(LCMS)
5 実践から得られたICT利活用教育による成果と課題
(1)電子黒板による教授法の改善(教師の指導力の向上)
(2)学習用PCによる学習法の改善
6 学習用PCの位置づけ(県立学校)
仕様・保証内容、教材の内容等
7 補助教材確保に当たって留意した点
(1)補助教材導入に当たって留意した点
(2)導入に向けた取り組みの経緯
(3)対象とするデジタル教材の内訳
(4)教材確保と利活用に当たっての留意点
8 円滑な事業実施のためのサポート事業
○県教育委員会の事業推進・支援体制の強化
○「モデル指導資料」の提供
○委託企業からのICTサポーターの派遣
○機器トラブル対応のためのヘルプデスクの設置
9 新たな時代に対応した教育の実現に向けて
・情報モラル、利活用スキルは高度情報化、グローバル化社会が求める
必須条件。時代に即した適切な指導法の転換が必要。
(4)市町の取組状況について
○電子黒板の整備状況について
○学習用端末の整備状況について
○教育情報システムの整備状況について
○その他の取組について
○佐賀市
電子黒板の整備については3年計画にしていた分を本年度末に整備完了する予定である。
学習用端末については、現在検証している段階であるが、平成30年度までには整備を終えたい。また、パソコン室の端末について、更新に合わせて持ち運びできるタブレット端末に変更し、学級に持ち込んでも使えるようにする予定である。
教育情報システムについては現在SEI-Netについて2校で検証を行っているが、できれば全市的に今後導入したいと考えている。
研修関係の推進組織として情報化推進協議会及びその下部組織としてのワーキンググループを作り、そこで活用について検討し、各学校での研修にいかしている。
○唐津市
電子黒板の整備は今年度中に普通学級には全部入る予定。来年度には特別支援学級への整備も終える予定である。ただ、複式学級については2台用意すべきであるとのことで、その辺りも来年度対応する予定である。
教育情報システムについては、タブレットPCを学級に整備するとなると、現在の回線の容量では厳しい面もあるので、その辺りを見ながら進めていきたい。
中学校についてはパソコン室の機器の更新に合わせて持ち出しができるタブレットPCやノートPCに変更していきたい。
これから先は各学校に配布している教師用デジタル教科書の更新が大きな課題になってくると考えられる。
○鳥栖市
電子黒板については今までなかなか整備が進んでいなかったが、交付金をいただけることになって今年度に中学校の普通教室へ60型あるいは65型を整備する予定で準備を進めている。来年度は小学校の全普通教室に整備をする予定としている。
学習者用端末については、パソコン室の端末の更新に合わせて、現在のデスクトップ型をタブレット型の学習者用端末に切り替えていき、導入の検証をしながら整備を進めていきたい。
教育情報システムについては、SEI-Netの校務管理システムを本年度中に導入する予定である。
○多久市
電子黒板の整備については、平成21年度に各クラス1台ずつが完了している。
学習者用端末については、現在小学校中学校の2校に合わせて80台を使った実証研究を行っており、3年目になる。その結果を受け、来年度か再来年度に残りの2校に整備予定である。
○伊万里市
電子黒板の整備については、交付金を活用しながら来年度までに整備を終える予定である。
学習者用端末については、小学校は平成23年度、中学校は平成22年度に整備しているが、そのあとの保守ができていないので、平成28年度から平成31年度までにかけて検証を行いながら小学校・中学校の分を整備していきたい。
教育情報システムについては、本年度8月から9月にかけて、SEI-Netの全ての機能を使えるように(ネットワークの整備を)計画している。校務支援のシステムまで活用しながら、どのように使えるのかを検証しながら進めていきたい。また、ICT研究委員会を組織して、SEI-Netの運用の検証などを行っていきたい。
○武雄市
電子黒板の整備については、平成27年度までに完了する予定である。
学習者用端末については、小学生に配布をして反転授業(スマイル学習)に算数と理科で取り組んでいるところである。各学校の先生方が分担して動画コンテンツの制作に取り組んでおり、教材研究には大変役立っている。整備したことによっていろんな指導の可能性が出てきている。
教育情報システムについては、校務支援システムを整備済みであるが、事務の低減等にもっと生かせるのではないかと考えている。
○鹿島市
電子黒板については、来年度までに整備を終える予定である。
学習者用端末についても計画しているが早くて27年度から40台を整備していこうと考えている。
教育情報システムについてもできるだけ早く導入したいと考えている。
○小城市
システムの構築とICT機器の整備については一通り終わっている。その中で、平成24年度から市の教育情報化推進委員会に環境整備部と授業実践部の2つの組織を作っていた。これからは、校内研修を充実させ、タブレット等の有効な使い方について、現場の先生方の意識を醸成していく必要がある。そこで、授業実践部を市の学力向上研究会に移行させてよりいっそう現場に身近な研修が進められればと考えている。
○嬉野市
電子黒板は平成27年度までに整備完了する予定である。
学習者用端末については、全小中学校に1クラス分ずつを平成29年度までに整備する予定である。
教育情報システムについては、既に整備をしているが、利活用のレベルアップについて検討しながら進めていきたい。
○神埼市
小中学校の児童生徒が1人1台の学習者用端末を活用できるように本年度から検討を始めている。
パソコン教室のパソコンについて、来年度から可動式のパソコンに更新する予定である。
県立高校が1年生に1人1台の学習者用PCを購入するということで、中学3年生については、本年度323台を整備したいと考えている。
電子黒板については、本年度中に学級数+αの整備を進めることにしている。
○吉野ヶ里町
学習者用端末については、中学校2校のパソコン室のパソコンの更新として導入した。本年度、来年度もパソコン室のパソコンの更新として予定している。その後、学年単位で広げていく予定であるが、予算も厳しい折、国・県等の動向を見ながら財政とも話し合って進めていきたい。
教育情報システム(SEI-Net)については、本年度での整備としていたが、技術的な検証が十分でないということで、平成27年度当初以降の整備としたいと財政と協議をしている。
電子黒板については、来年度までに全学級+αの整備が完了する予定であるが、県の方では一体型ということであったが、吉野ヶ里町では乱反射の問題と最後列からの視野角の問題等を考え、ボード型の82型ということで取り組んでいる。
○基山町
電子黒板については平成27年度までにすべて整備完了を目指している。
学習者用端末については、平成29年度までに1人1台の端末の導入を計画している。
教育情報システムについては、現在独自のものがあるが、SEI-Netの活用を考えている。
課題としては、指導者の端末に入れるデジタル教科書について予算をどうするかというのがあげられる。
○上峰町
電子黒板については平成27年度までに整備を完了する予定である。
学習者用端末については、県立高校が導入したこともあり、中学3年生1クラス分をまず整備する予定である。その後、平成28年度以降に順次整備を広げていく計画である。
教育情報システムについては、SEI-Netの活用を考えていきたい。
○みやき町
電子黒板については、平成25年度までに整備が完了している。
学習者用端末については、今後生徒1人1台に向けて検討をしていきたいと考えている。
教育情報システムについては、平成25年度に事務用として校務情報ポータルシステムを整備している。SEI-Netについても活用していきたいと考えている。
○玄海町
玄海町は現在2小、2中であるが、来年度4月1日に1小、1中に統合し、小中一貫校とする予定で現在建設中である。従って、平成27年4月に向けて、電子黒板、学習者用PC、教育情報システムを整備する計画である。ただ、学習者用PCについては、今年度実証授業を行う予定であり、整備についてはその実証の結果を受けて判断したいと考えている。先進市町の状況も教えていただければありがたいと思う。
○有田町
以前より、50型の大型テレビを電子黒板と同じ扱いで導入している。画面がいくらか小さいので今後4~5年で更新を考えている。デジタル教科書についてはかなり整備が進んでいるので、これについては各学校よく活用している状況である。
タブレット型については、本年度整備しようと考えていたが、思った以上に予算がかかるといいうことで、現在検討をしているところである。本年度中の整備は難しいと考える。
教職員のスキルアップを図るため、本年度は教職員の研修のためにICT支援員を各学校に配置している。
SEI-Netについては、本年度整備する予定である。
○大町町
電子黒板については昨年度導入が完了している。かなりよく利用されている。
学習者用端末については、現在40台が整備済みで、残り40台を今後整備していく予定である。
SEI-Netについては、本年度中に整備する予定である。
課題としては、ソフトウェアの充実と効果的な活用について、検証を通じて取り組んでいく必要がある。
○江北町
電子黒板については、本年度中に各学級1台の整備が完了する予定である。
今出てきているのは、特別教室にもほしいという要望である。学習者用端末については、本年度から中学校のパソコン教室のパソコンの更新に合わせて40台を整備する予定。それに合わせて利活用促進のため支援員も配置し、有効活用についての検証を行う。小学校についても計画中であるが、中学校での検証を受けて計画を見直していきたい。今後、デジタル教材の効果的な活用や教材の自作等も研究を進めていきたいが、それに対応するためにも支援員をお願いしているところである。
○白石町
電子黒板は指導者用、学習者用PCは学習者用のツールであると切り分けながら整備を進めていきたい。電子黒板については県の支援もいただき、本年度中に整備が完了する予定である。小学校については50型のままだが、中学校については70型を整備する予定である。
学習者用端末については中学校については、県立高校が今年から1年生全員が学習者用端末を使うということで、中学3年の時にある程度慣れさせておきたいと思う。昨年度に1校、本年度1校、また来年度1校と整備をしていきたい。小学校については2校についてはパソコン教室の更新で20台ずつ学習者用端末に更新した。残りの学校については、3学級分として123台を整備した。これは特定の学校に整備するのではなく、各学校持ち回りで体験させたい。その時に機器だけではなく、支援員も同じように一緒に派遣したい。
今後は効果的な活用、学習の質を高めるための取組が課題であると考えている。
○太良町
電子黒板については、本年度中に整備が完了する予定である。
学習者用端末、教育情報システムについては、今後整備を図っていくという状況である。