平成29年度の取組
1 高校教育改革プロジェクト会議での検討
(1) 検討事項
平成29年度の高校教育改革プロジェクト会議(以下「プロジェクト会議」と記す。)は、以下の3つについて検討した。
高等学校入学者選抜制度の検討
中高一貫教育の検証
国際化教育の検討
(2) 会議実施日
第1回会議 平成29年5月12日(金曜日)
第2回会議 平成29年7月19日(水曜日)
第3回会議 平成29年9月 6日(水曜日)
第4回会議 平成29年12月27日(水曜日)
第5回会議 平成30年1月22日(月曜日)
第6回会議 平成30年3月20日(火曜日)
2 作業部会での検討
プロジェクト会議での議論を深めるために、次の作業部会を設置し検討した。
3 主な検討内容
(1) 高等学校入学者選抜制度の検討
【プロジェクト会議での検討】
-
制度変更後、6度目の実施となる平成29年度入学者選抜に関して、志願状況や中学校、高等学校へのアンケートによる意識等の調査を行い、制度導入に伴う成果と課題について調査、分析を行った。
- 制度運用面の問題点については、より円滑な実施へ向けて見直しを行った。
- 作業部会「県立高校入試制度検討部会」での検討をもとに新しい県立高校入試制度の検討を行い、見直しの方向性を取りまとめた。
≪参考≫
現行制度の課題の抽出及び解決に向けた研究を行うため、学識経験者や保護者、学校教育関係者などを構成員とする「県立高等学校入学者選抜制度検討委員会」を平成28年6月に設置した。
高等学校入学者選抜制度の成果と課題、特色選抜試験及び一般選抜試験の在り方について等の協議内容を平成29年3月に「佐賀県立高等学校入学者選抜制度の在り方について(報告)」として取りまとめられた。
(2) 中高一貫教育の検証について
【プロジェクト会議での検討】
-
各中高一貫教育校の取組状況について、調査及び分析を行った。
- 中高一貫教育校における平成26年度報告以降の進路状況、中学校・高校の志願状況等について、協議した。
(3) 国際化教育に関する検討について
【プロジェクト会議での検討】
-
佐賀農業高校におけるスーパーグローバルハイスクール事業の取り組み状況の報告を行った。
- 国際バカロレアについて、情報収集等を行った。
高校教育改革プロジェクト会議の概要
第1回 平成29年5月12日(金曜日)実施
1 会議概要
(1) 平成29年度のプロジェクト会議開催計画
平成28年度の取組概要について(報告)
平成29年度の取組(案)について
(2) 高等学校入学者選抜制度の検証及び検討について
ア これまでの検証状況(報告)
イ 平成29年度県立高等学校入学者選抜志願状況
ウ 県立高等学校入学者選抜制度検討委員会について
エ 県立高校入試制度検討部会について
オ 新しい入試制度について
2 主な意見等
(高等学校入学者選抜制度の検証及び検討)
特色選抜試験の学区別志願状況では、旧東部学区と旧北部学区・旧西部学区で十数パーセントの違いがあるが、私立学校を含めた選択肢の多さがその要因ではないかと考えている。
今年度から福岡県の県立高校が佐賀県からの受検を可能とする制度変更があったが、今年度の佐賀県からの進学者は8人であった。福岡県の募集は基本的に、定員割れをしている学校に限定しているので、今後、人数が多くなるとは思っていない。
平成21年度入試では新型インフルエンザの全国的な流行により追加試験を実施した。子ども達に複数の受検機会を確保することは、今の時代には必要だと思う。
現行の入試問題は特色選抜試験と一般選抜試験で違いがない。推薦入試をやっていた頃の前期試験の問題は全然違っていた。大学入試改革を見据えながら検討してほしい。
第2回 平成29年7月19日(水曜日)実施
1 会議概要
(1) 高等学校入学者選抜制度の検証について
ア 高校・中学校の校長へのアンケート調査結果
- 高校・中学校の校長へのアンケート調査(特色選抜試験A方式で重視する評価項目、受験校決定の際に重視する項目、通学区域の変更による変化等)の分析結果を報告し、協議を行った。
イ 特色選抜試験A方式の在り方について
(2) 高等学校入学者選抜制度の検討について
ア 県立高校入試制度検討部会について
イ 入試制度検討委員会の報告を踏まえた新しい入試制度の考え方
ウ 新しい入試制度について
2 主な意見等
(高等学校入学者選抜制度の検証)
- アンケートに「高校側の求める『特色をもった生徒』の選抜と中学校側が位置づける選抜されるべき『特色』に隔たりがあると感じることがある」とあり、中学校と高校で『特色』の解釈に違いを感じる。
- 普通科の考えとして、特色選抜試験A方式の時期は大学受験の二次指導で非常に重要な時期でもあるので、A方式は必要と感じていない。
- 中学校側からすると、A方式の2割の枠というのは、ボーダーまでの生徒にとってみればチャンスかもしれないが、ほとんどの受検生にとっては受検機会が2回あるだけの制度になっている。
(高等学校入学者選抜制度の検討)
現行では受検料納付は中学校の教員が高校に直接持参し行っている。事故がないから良いが、銀行払込等にはならないのか。
現行の特色選抜では、不合格になる生徒が多いが、それでもショックを受けている。募集枠を現行より大きくした場合、不合格になった生徒はかなりショックが大きくなるのではないか。その学校を受検することがトラウマになる生徒もいるかもしれない。
現行の特色選抜試験A方式での全校実施を見直す場合、保護者への説明が課題だ。実施する学校、実施しない学校があると説明が難しい。
平成36年度からの新学習指導要領による共通テストの実施を踏まえ、高校入試も内容を変えるべきだ。そのためにも高校入試も問題の質を上げ、思考力・表現力を問うような問題に切り替えていく必要がある。
第3回 平成29年9月6日(水曜日)実施
1 会議概要
(1) 高等学校入学者選抜制度の検討について
ア 入試制度検討委員会の報告を踏まえた新しい入試制度の考え方
イ 8月定例教育委員会勉強会での主な意見
ウ 新しい入試制度について
2 主な意見等
高校入試における調査書の点数化について、野球部で個人では4番で秀でているが、チームでは1回戦で負けた場合など、点数化は厳しい。また、社会人チームで活躍するケースもある。
特色選抜試験A方式と一般選抜試験を3月実施の1回の入試の中で行うアイデアに対し、制度改革の基本的なところが網羅されており、懸念事項の中学生や高校側の負担感が改善されると思う。
特色選抜試験B方式の実施を数週間早めても県外流出の防止にはつながらないのではないか。
他県では、学校裁量的な募集枠があり、本県も導入できればと思う。
1 会議概要
(1) 高等学校入学者選抜制度の検討について
ア 前回会議での確認事項について
イ 新しい入試制度について
特色選抜試験A方式で選考していた特色ある生徒を一般選抜試験の中で選考できるような選抜方法の工夫について、協議した。
現行の特色選抜試験B方式の趣旨を生かしつつ、本県のスポーツや芸術がより充実・発展するための工夫について、協議した。
急な疾病その他やむを得ない事情により、学力検査及び面接等を受けられなかった志願者の受検機会を確保するための追検査の導入について、協議した。
第二次募集の実施のメリット・デメリット等について、協議した。
2 主な意見等
学力検査に傾斜配点を設定する場合、あまり極端な選考、数学0点でも良いというのは、中学校への影響がある。現在の趣旨を十分に理解したうえで、設定してほしい。
スポーツ、芸術に限らず、中学校生活で地道に普段の取組を一生懸命やっている子ども達が純粋に合格できるような枠を残してほしい。
第二次募集について、高校側からすると少しでも定員を増やしたいので実施した方が良いと思う。
1 会議概要
(1) 高等学校入学者選抜制度の検討について
ア 第4回高校教育改革プロジェクト会議での主な意見
イ 新しい入試制度について
入試制度の見直しの方向性のポイントについて、協議した。
一般入試(3月入試)における選抜方法の工夫について、協議した。
特色選抜試験B方式の趣旨を生かした選抜の中で、現行のスポーツ推進指定校や芸術推進指定校以外の種目の導入について、協議した。
追検査や第二次募集の実施について、協議した。
ウ 今回の入試制度改革のねらいについて
2 主な意見等
第6回 平成30年3月20日(火曜日)実施
1 会議概要
(1) 高等学校入学者選抜制度の検討について
ア 新しい入試制度について
イ 今後の検討スケジュール(案)
(2) 本県における今後の中高一貫教育の在り方について
ア 平成26年度の報告書について
イ 平成26年度報告以降の状況について
ウ 本県における今後の中高一貫教育の在り方について
(3) 国際化教育について
ア スーパーグローバルハイスクール(SGH)について(報告)
イ 国際バカロレア(IB)について(報告)
(4)平成30年度の取組(案)について
2 主な意見等
(高等学校入学者選抜制度の検討)
(本県における今後の中高一貫教育の在り方)
本県に中高一貫教育が導入され10年が経ち、落ち着いて課題も見えてきたところだ。中高6年間を経験した教員も出てきており、6年間の反省を踏まえた指導ができつつある。
市町立中学校にとって、県立中学校の設置が刺激になったことは間違いがない。多くの生徒が入学してもらえるように、小学校との連携を深めるなど良い面が出てきている。
市町立中学校と県立中学校との共存の中で、少子化が進んでいくと難しい問題が出てくる。
今後の中高一貫教育の役割等を考慮しつつ、本県における中高一貫教育の在り方について、検討していきたい。
(国際化教育)
佐賀農業高校でSGHに取り組んでいる生徒たちの発表を見て感じたことは、ベトナムにフィールドワークに行くことで、ベトナムの湿地帯で提案できる農業の在り方など伝えたいことが豊富にあり、それを伝えるために英語をしっかり勉強していることだ。
平成30年度は、文部科学省のSGHに関する中間評価を受ける大事な年になる。学校での取組は数多くされており、今後はそれらの取組をどう整理していくかになると思う。教育庁でも支援をしていく必要がある。