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教育長定例会見(令和5年8月10日)

最終更新日:
 

教育長定例会見(令和5年8月10日)

 

<発表項目>

 〇唯一無二の学校づくり―入学者選抜の見直しと県立高校普通科改革―

 〇開幕まで348日 SAGAインターハイを支える高校生活動が始動しています!

 〇伊万里実業高校フードプロジェクト部 子ども食堂「学びのkidsレストラン」 高校と地域が一体で運営を行っています

 〇彩志学舎中学校 学校説明会・体験授業開催

 〇「秋選考」今年もやります!



<配布資料>

  R5.8.10 教育長定例会見資料 別ウィンドウで開きます(PDF:2.44メガバイト)


<概要>

 おはようございます。教育長に就任後、初めての定例記者会見です。よろしくお願いします。今年度の重点プロジェクトや基本的取り組み方針を引き継いで進めています。

<唯一無二の学校づくり―入学者選抜の見直しと県立高校普通科改革―>

令和6年度県立高校入学者選抜を見直します

特別選抜は、これまで「スポーツ推進指定校」と「文化芸術推進指定校」の2つの柱でやってきました。このうち、「文化芸術推進指定校」を改編し、「文化芸術推進指定校」と「特色ある教育課程推進指定校」に分けました。

また、一般選抜は、帰国・外国人生徒等の入学機会拡大のため、「帰国・外国人生徒募集枠」を設けました。国語の試験は「作文」、面接は「個人面接」、入国3年以内の人が対象と、それぞれ変更しました。県立三養基高校で実施します。

入学後は、日本語指導体制を整え、卒業時に他の生徒と同じように進路選択が可能となるよう取り組みます。県立高校の入学への機会を拡大し、学びの環境を整えます。

 

“普通”ではない、唯一無二の学校づくり

県内のすべての高校は、県内外の生徒から通いたいと思われるような学校づくりを目指しています。これからは、普通科も多様な社会のニーズや生徒の興味、関心等を踏まえた教育の実現が必要です。学科やカリキュラムの見直しに取り組み、生徒の能力を伸ばしたいと考えます。

 

普通科は、県立高校の16校にあります。今年度は、佐賀東高校、唐津西高校、鹿島高校の3校で改革を進めます。

佐賀東高校は、「スポーツ科」を設置。スポーツ系の教科の科目を充実させ、トレーニング理論やスポーツ経営など専門分野を学び、競技者、指導者、スポーツビジネスのスタッフなど多様な進路選択ができる人材輩出を目指します。

唐津西高校は、地元の自治体や企業、学術研究機関等と連携した課題解決学習を行う「地域探究進学コース」と、テーマを学問分野に設定し大学や研究機関等と連携した課題解決学習を行う「学際探究進学コース」を設置。

鹿島高校は、講義形式や学習形態を工夫することで思考を深める学習につなげる「文理探求進学コース」と、協働的、体験的な学習を重視し多様化する入試形態に対応する「未来探求進学コース」を設置。

3校とも、1年次は共通のカリキュラムで学び基礎を固め、2年次から生徒の興味、関心に応じて学科やコースに分かれます。

 

3校の普通科改革の動画を作成し、ユーチューブで公開中です。その中の、佐賀東高校の動画をご覧ください。

【動画放映】

唯一無二の誇り高き学校づくりに取り組み、生徒や保護者に通いたい、通わせたいと思ってもらえる魅力や特色のある教育の実現を進めます。

 

<開幕まで348日 SAGAインターハイを支える高校生活動が始動しています!>

SAGAインターハイは、来年7月23日にフェンシング競技で開幕します。実行委員会では、ロゴやキャラクター“かちまる”の競技別(県内で開催される6競技)デザインを作成しました。また、懸垂幕も設置し、大会に向けた機運を高めたいと考えています。

8月10日から31日まで、「SAGAインターハイ応援キャンペーン」を実施します。「あなたのフォローが応援にツナガル」と題し、佐賀県実行委員会の公式インスタグラムをフォローして、「いいね」をつけてもらうと、抽選で“かちまる”のハンドタオルを30名にプレゼントします。

 

支える主役 高校生活動 始動

高校生活動には県内すべての高校が参加し、高校生活動生徒委員会が企画するアイデアを実現していきます。この高校生活動をリードする生徒委員会は、県内10校から推薦された各2名で構成されています。5月に第1回生徒委員会を開催し、委員長に唐津南高校の北方心遥さん、副委員長に佐賀学園高校の德富愛音さん、有田工業高校の池田ここなさんに決まりました。

生徒委員会の愛称は「さがまる」に決定。5月26日の県高校総体開会式で、「さがまる」がSAGAインターハイをPRする横断幕を持って入場行進に参加し、北方委員長が開会宣言をしました。

 

生徒委員会は、イベント、メディア、おもてなし、グッズの4つの活動グループに分かれ、アイデアの深堀を行っています。グッズグループは、「さがまる」のTシャツデザインを検討、決定しました。生徒委員は、これを着用し活動を盛り上げています。

 

北海道で開催されている今年度のインターハイに、「さがまる」の計13名が2班に分かれて視察します。来週は、第2班が行く予定です。北海道の生徒委員、九州北部3県の生徒委員との交流や総合開会式に参加、県内で行う競技の視察をします。

視察後、第2回生徒委員会を開催する予定です。活動内容を具体化し、そのアイデアを「さがまる」が直接実施したり、各高校に依頼し、実現していきます。

インターハイを支える主役である高校生活動と、その活動をリードする「さがまる」にご期待ください。

 

<伊万里実業高校フードプロジェクト部 子ども食堂「学びのkidsレストラン」 高校と地域が一体で運営を行っています>

伊万里実業高校のフードプロジェクト部は、企業や団体から寄せられた余剰食品や規格外商品を活用した加工品を販売したり、食品ロス削減に向けてフードドライブを実施、子どもたちへの食育活動に取り組みました。また、伊万里市などと持続可能なまちづくりにも参画し、幅広く活動してきた実績があります。

今回は、NPO法人こすもす村と共同企画し、新しい形の子ども食堂が始まりました。毎月1回、伊万里市内在住の小・中学生40人が対象です。高校生が主体の定期的な子ども食堂は、全国的にも珍しい取り組みになります。コンセプトは、「おいしく食べてしっかり学ぶ!新たな学びの場!」です。フードドライブや規格外食品を活用し、高校生のアイデアが詰まった楽しく学べる食育の場をつくっています。

 

オープンに向け、NPO法人や地元企業とともに、地域の方へアンケートを行い食育講座の内容を検討しました。地元企業にご協力いただき、会場はホテルのレストラン。メニューの検討や会場での準備から配膳まで打合せを重ねました。

7月1日のプレオープンで、実際の流れを確認。規格外野菜とはどんなものか実物を見せた方がいい、子どもたちに積極的に声掛けしコミュニケーションを取るなどの気づきがありました。

7月23日、オープンの日。参加者の誘導や配膳の手際がよく、歓迎する気持ちが伝わる声掛けがあり、すてきなKidsレストランがオープンしました。

生徒からは、「調理の手順や役割を検討し、おいしさだけでなく、参加者とのコミュニケーションを大切にした」とのコメント。

子どもたちからは、「早寝早起き、朝ご飯の大切さが分かった」とのこと。高校生が手作りしたパネルシアターの成果です。これは、ユニークなショートストーリー仕立てになっていて、笑いながら引き込まれる内容になっていました。

本格的なメニュー、温かい声かけ、工夫を凝らしたパネルシアターに接し、高校生の可能性を感じてもらえたと思います。

 

フードプロジェクト部の皆さんは、準備、実践といった流れを通じ、ビジネスについて深く学ぶ機会になったと思います。食品ロスと食育活動を融合させた新たな学びの場がスタートしました。地域とつながって話し合いを重ね、深く考え、行動に結びつける素晴らしい取り組みが実現しました。伊万里実業高校ならではの特色ある教育活動だと感じました。

 

<彩志学舎中学校 学校説明会・体験授業開催>

当日の学校説明会は、目指す学校像や学校生活の話をします。体験授業では、タブレットを使った社会と数学の授業を体験してもらいます。また、希望者には個別相談の時間を設けています。

夜間中学への入学希望者、あるいは興味のある方、保護者の方など、どなたでも参加可能です。ウェブかお電話でご連絡をください。当日参加も可能です。

 

<「秋選考」今年もやります!>

令和6年度佐賀県公立学校教員採用試験のご案内です。今年は、一般選考のほかに「さがUJIターン現職特別選考」を実施します。他県で働く現職の先生方を対象にした面接試験のみの試験です。佐賀へ戻りたい人、佐賀への移住を検討中の人に受験しやすくなっています。

 

本日、実施要項をリリースしました。県内外から多数の方々に受験していただきたい。

社会の変化はめざましく、スピードも速い時代です。子どもたちが、自分で主体的に考え判断し、行動する、チャレンジすることが大切になってきます。そのために、「ほめるから、はじめる。はじまる。」に取り組んでいます。子どもの持つ力を尊重し、子どもたちが自信を持って夢や志の実現に向け進んでいけるよう応援していきたいと思います。



<質疑>


〇読売新聞

唯一無二の学校づくりのところで、普通科の残り13校は、今後取り組みが始まるのか。また、期間はどのくらいかを教えてください。

〇教育長

唯一無二の学校づくりは、特色ある学校、選ばれる学校への取り組みです。各学校が、その学校ならではの取り組みを磨いています。必ずしも学科やコースをつくる前提ではありません。何をどれだけつくるとか、いつまでにどうするものではなく、唯一無二を考えながら取り組みを進めていくという考えです。

 

〇読売新聞

昨年度の「秋選考」の総括をお願いします。

〇教育長

昨年は、小学校教諭等の人材確保が目的でした。87名に受験してもらい、一定の効果があったと思います。秋選考までの受験者を含めると、昨年度の受験倍率が小学校教諭等で約1.5倍でした。秋選考が人材確保につながる手立てになったと考えています。

 

〇読売新聞

1.5倍というのは、夏選考・秋選考の両方を受けた人をダブルカウントしているのですか。

〇教育長

夏に不合格でも秋選考に再チャレンジできます。それぞれ応募した人数を分母にしています。

 

〇時事通信

例年、外国人生徒の高校進学希望者は何人ぐらいですか。

〇教育長

昨年は、数名でした。国語の学科試験が、ハードルが高く敬遠されているのではと考え、受験しやすいように変更しました。

 

〇時事通信

三養基高校で実施する理由、きっかけは何ですか。

〇教育長

以前、三養基高校には、国際文化コースを設置していた時期がありました。現在も選択授業に中国語があり、異文化理解に関する教育の下地がある高校です。また、交通の便が良く広範囲から通学しやすいと考えています。

入学後の日本語の指導、特別な教育課程の編成など、十分な教育体制を確立するため三養基高校を拠点に始めます。

 

〇時事通信

ほかの高校にも拡大していく方針はありますか。

〇教育長

まず、三養基高校でと考えています。日本語指導の人材を確保し体制を確立した上で、社会情勢の変化を考えながら対応していきます。

 

〇佐賀新聞

普通科改革の考え方は理解できました。保護者や生徒は、魅力ある学校に楽しいから行きたいと考えても、将来の就職や進学を考えると二の足を踏むのではないかと思います。学校側、教育委員会は、進路に対してのアプローチや目標のようなものがあるのでしょうか。

〇教育長

生徒の進路選択には、多様なニーズがあります。各学校は、それに合わせて取り組みを進めています。入試も多様化し、学科試験中心の選抜、学校推薦型、総合選抜型などがあります。それらに対応するカリキュラムも考えています。大学の一般選抜への学力をつけて進学するという強みも生かしながら、新たなコースもつくって対応しています。

 

〇佐賀新聞

多様な入試の時代になり、その変化に合わせていくのだと思います。教員を配置する際、そのニーズを満たした先生を配置するのでしょうか。

〇教育長

教員の配置は、全体をみながら適切に配置したいと思います。的確な人事配置に努めます。

 

〇日経新聞

唐津西高校に新設された地域探究進学コースに、自治体と企業と連携した課題解決学習を行うとあります。この具体的なものを教えていただきたい。

〇教育長

地域の方、企業の方、地域づくりの方を含め話し合いをしています。地域の課題を知り、解決したい課題は何かを話し合い、地域のニーズや課題をどうくみ取って学習するのかをこれから具体的に組み立てることになります。それが、子ども食堂になるのかエシカル消費といった環境問題になるかもしれない、様々あると思います。

 

〇日経新聞

その場合の学科や指導者をどうイメージされていますか。

〇教育長

もともと探究学習できるようになっていますので、そういった教員やほかの教員とチームを組んで対応することになると思います。

 

〇日経新聞

三養基高校に入学した外国人は、卒業時に高校の普通科の卒業資格が得られます。現在、ウクライナからの避難民や県立高校に通っている外国人が留学生の場合、卒業資格が得られません。その人たちが三養基高校に編入できるなど、卒業資格が得られない人たちに対して窓口が広がるなどのオプションがあるのでしょうか。

〇教育長

今回は、作文や面接という一定の日本語能力がある方に入学してもらうものをつくりました。留学生の場合、本国の学校との両立があり、対応が難しいところがあります。しかし、今後は問題意識を持ちながら留学生に対する対応を考えていきます。

 

〇日経新聞

現在、在学中の人は、日本の高校の卒業資格がもらえる可能性はないのですか。

〇教育長

現時点では、そこまで考えていません。確かに課題だと思うので、何ができるかを考えたいと思います。


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