小学校5年生、中学校2年生を対象に悉皆で実施された「平成30年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(以下「全国体力調査」という。)について、スポーツ庁から県内公立学校の調査結果が提供されましたので、お知らせします。
1 調査概要
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調査実施期間 平成30年5月~7月(各学校で実施)
調査方法 全数(悉皆)調査方式
調査対象 小学校5年生、中学校2年生(特別支援学校を含む)
県内公立学校の実施学校・児童生徒数(分校を含む)
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佐賀県 |
全 国 |
参加学校数
(校) |
児童生徒数
(人) |
参加学校数
(校) |
児童生徒数
(人) |
小学校5年生 |
169 |
7,756 |
20,121 |
1,061,626 |
中学校2年生 |
99 |
7,036 |
10,645 |
994,158 |
(注)佐賀県の公立小学校数は、県立特別支援学校小学部を含む。
佐賀県の公立中学校数は、県立中学校、県立特別支援学校中学部を含む。
2 調査結果概要
(1) 体力合計点の全国平均値との比較
平成20年度本調査開始以降、初めて全調査対象において、体力合計点で全国平均値を上回りました。
なお、本調査開始以降、体力合計点佐賀県平均値において、小学校5年生男女及び中学校2年生女子は過去最高値でした。
(単位:点)
区 分 |
体力合計点 |
全国平均値との差 |
佐賀県平均値 |
全国平均値 |
差 |
(参考)H29 |
小学校
5年生 |
男子 |
54.79 |
54.21 |
0.58 |
0.27 |
女子 |
55.94 |
55.90 |
0.04 |
-0.48 |
中学校
2年生 |
男子 |
43.04 |
42.18 |
0.86 |
0.95 |
女子 |
51.08 |
50.43 |
0.65 |
0.21 |
(2) 小・中学校の実技調査結果について
全国平均値と比較すると、全調査対象において、20mシャトルラン及びソフト・ハンドボール投げで上回り、上体起こしで下回りました。
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小学校5年生 |
中学校2年生 |
男 子 |
女 子 |
男 子 |
女 子 |
平均値 |
平均値 |
平均値 |
平均値 |
握 力 (kg) |
全国 |
16.54 |
16.14 |
28.83 |
23.83 |
佐賀 |
△ 16.39 |
16.14 |
◎ 29.74 |
◎ 24.46 |
上体起こし(回) |
全国 |
19.94 |
18.96 |
27.25 |
23.77 |
佐賀 |
△ 19.77 |
△ 18.42 |
△ 26.63 |
△ 23.08 |
長座体前屈(cm) |
全国 |
33.31 |
37.63 |
43.35 |
46.19 |
佐賀 |
◎ 33.60 |
△ 37.25 |
◎ 44.01 |
△ 46.03 |
反復横とび(点) |
全国 |
42.10 |
40.32 |
52.20 |
47.34 |
佐賀 |
◎ 42.78 |
◎ 40.83 |
△ 52.16 |
△ 47.12 |
持久走 (秒) |
全国 |
|
|
393.72 |
287.53 |
佐賀 |
|
|
△394.87 |
△292.14 |
20mシャトルラン
(回) |
全国 |
52.15 |
41.89 |
85.65 |
59.55 |
佐賀 |
◎ 54.30 |
◎ 42.54 |
◎ 88.51 |
◎ 61.90 |
50m走 (秒) |
全国 |
9.37 |
9.60 |
7.99 |
8.78 |
佐賀 |
◎ 9.26 |
◎ 9.54 |
◎ 7.98 |
△ 8.79 |
立ち幅とび(cm) |
全国 |
152.26 |
145.97 |
195.59 |
170.06 |
佐賀 |
△151.08 |
△144.49 |
◎196.03 |
◎170.31 |
ソフト・ハンドボール投げ
(m) |
全国 |
22.14 |
13.76 |
20.49 |
12.90 |
佐賀 |
◎ 23.39 |
◎ 14.25 |
◎ 21.03 |
◎ 13.21 |
※(◎:全国平均値を上回っている、△:全国平均値を下回っている)
(3) 体力総合評価の比較
体力総合評価(※)を平成29年度と比べると、小学校5年生女子及び中学校2年生女子は、D・Eの割合が減少しA・Bの割合が増加するなど全体的な底上げがなされ、また小学校5年生男子は、A・Bの割合に大きな増減はみられませんが、D・Eの割合が減少するなど、昨年度に引き続き向上・改善傾向にありました。
中学校2年生男子は、A・Bの割合が増加している反面、D・Eの割合も増加するなど、二極化に近づく傾向にあります。
《小学校5年生男子》 《小学校5年生女子》

《中学校2年生男子》 《中学校2年生女子》

※ 体力総合評価
体力総合評価とは、体力合計点をもとに年齢別に設定された総合評価基準表にあてはめて、A、B、C、D、Eの5段階で総合評価したもの。Aは体力評価が最も高く、Eが最も低い。
(4) 質問紙調査結果について
・
添付資料
(PDF:87.3キロバイト)を参照ください。
3 今後の目標
体力合計点において、全調査対象で継続して全国平均値を上回るよう取り組みます。また、全調査対象において体力総合評価Eの児童生徒の減少に向けた取組を行います。さらに、全国平均値と比較して落ち込みのある種目については、全国平均値を上回るよう取り組みます。
4 体力向上に向けた主な取組
各学校において、一人一人の児童生徒の体力や生活習慣、食習慣、運動習慣(特に運動習慣が身に付いていない児童生徒)を把握し、体育・健康に関する指導の改善が図られるよう取組を継続していきます。
(1)運動に親しむ環境の充実
ア スポーツチャレンジによる運動機会の提供
スポーツチャレンジとは、学級単位等で簡単に取り組める種目を設け(7種目)、記録をホームページ上に記載して回数やタイムを競い合うことで、運動に親しむきっかけづくりとしたり、運動する意欲を高めたりする取組。
イ さがんキッズ体力アップホームページの運用
体力向上の取組好事例や授業づくりの参考資料等を掲載。
ウ 体力向上優良校等の表彰
スポーツチャレンジの取組、体力・運動能力調査結果をもとに学校・学級等を表彰。
(2)小・中学校の体育・保健体育に退職教員等の外部指導者を派遣
(3)体力・運動能力調査の記録用個票の配布
全児童に記録用の個票を配布。児童個々の体力・運動能力の現状について、学校及び保護者の理解や連携を支援し、運動習慣や生活習慣等の改善に役立てている。
(4)教職員の資質向上を図るための研究会・研修会等の開催
(5)体育・保健体育授業充実への支援