第68回日本PTA九州ブロック研究大会佐賀大会が開催されますことをお喜び申し上げます。
九州各県よりご参加いただきました皆様、ようこそ佐賀にいらっしゃいました。心から歓迎いたします。
皆様におかれましては、PTA活動の充実と発展にご尽力いただき、学校や地域、家庭などで、様々な役割を果たしていただいていることに深く敬意を表します。
幕末・維新期に佐賀藩主であった鍋島直正は、教育によって人間性が育まれ、そうした人間によって藩が豊かになると考え、藩士の子息が藩校・弘道館で学ぶことを必須としました。
ここでは、若者が自ら学び、活発な議論を行うなど革新的な教育が行われ、佐賀から副島種臣、大隈重信、江藤新平、大木喬任、佐野常民といった近代日本の礎を築く多くの優れた人材を輩出しています。
「幼子はだまさず怖気付かせず、強く叱らずに」
彼らが武士の心得としていた書物「葉隠」にある子どもの育て方には、上から押さえつけることなく、子どもたちの前向きな気持ちを育てたいという想いが記されています。
現代になっても、この考え方は変わることはありません。
子どものころの体験は、将来の生き方、学び方に大きな影響を与えます。
たくさんの体験を通して高い志と自己肯定感をもった人生を楽しむ人に育ってほしい。
そんな思いから、佐賀県の恵まれた環境の中で自然やスポーツなどを体験できる「骨太な子どもに育てtaikenプログラム」を進めています。
この取組は、「佐賀で子育てしたい!」とたくさんの方に思ってもらい「幸せのバトン」を社会全体で繋いでいくための「子育てし大県“さが”」プロジェクトの一環で、ほかにも出会いや結婚、妊娠出産から仕事と子育ての両立まで様々なライフステージに応じて切れ目のない支援を行っています。
私も3人の子どもの親として、子育ては家庭だけではなく、学校や地域が一体となって取り組むことが不可欠だと体験してきました。
そして、九州にはそうした文化が根強く残っていると感じています。
県知事として引き続き、日々子どもたちに寄り添い、ご支援いただいている皆様とともに、九州の子どもたちの成長を見守り、未来への歩みを支えていきます。
全体会の会場となるSAGAアリーナは今年5月にできたばかりの新しい施設です。
前回佐賀県で開催した折は3会場に分かれて行われていましたが、今回はこの会場で九州の思いを一つにできることをうれしく思います。
本大会にご参加いただいた皆様には、この一体感あふれるアリーナでの活発な議論はもちろんのこと、 “佐賀牛”など世界に誇る佐賀の食を他県の方々と楽しみながら、交流を深め、新たな出会いを土産として、それぞれの地域でのPTA活動にお役立ていただければと思います。
結びに、九州ブロックPTA協議会の今後ますますのご発展と、ご参加の皆様のご健勝とご活躍を祈念しまして、挨拶といたします。