今回は袈裟丸マリン合同会社を訪問し、藻場再生に必要な海草の観察や、豊かな藻場で育ったブランドうにの試食、アマモ種苗の投下を行い、海の環境保全について参加者の皆さんと意見交換を行いました。
袈裟丸マリン合同会社の代表、袈裟丸彰蔵さんは海士として毎日海に潜る中で、岩礁の海藻が消失する「磯焼け」が広がっていることに危機感をもち、2000年ごろから藻場の保全活動を行っています。磯焼けの原因となっているウニの一種ガンガゼなどの食害生物の駆除や、藻場の手入れを通して海を守っています。20年以上の活動で、今まで繁茂していなかったエリアに海藻が繁茂するなど確かな効果が表れるとともに、活動に共感し、協力してくれる地元漁業者も増えています。再生した藻場でとれた天然ウニは、にっぽんの宝物JAPAN大会2023-2024にて最優秀賞となるグランドグランプリを獲得し、確かな品質が評価されました。藻場再生への挑戦は日本のみならずアジア全域からも注目されています。
初めに、磯焼けの現状やこれまでの藻場再生の取組みについて、袈裟丸さんより説明をいただきました。海水温の上昇によって外来種が異常繁殖し生態系が崩れていること、食害生物であるガンガゼの駆除は素潜りで地道にひとつずつ駆除していることなど、20年以上にわたって続けてこられた、藻場を守り、再生するための活動を聞き、感銘を受けました。
豊かな藻場で育った天然のアカウニを精魂こめて丁寧に商品化した「袈裟丸うに」をいただきましたが、濃厚な香りが口いっぱいに広がり、とても美味しかったです。佐賀県の絶品の海産物は、豊かな海、藻場があってのことだと実感することができました。
その後、藻場再生とブルーカーボンの関係について意見を交わしました。藻場は海洋生物のすみかになると同時に、海中の二酸化炭素を吸収し、酸素を供給する重要な役割を果たしています。豊かな海を守りつつ、地球温暖化対策となる藻場の保全は、より多くの人が協力してやっていくべきことだと強く感じました。
最後に、藻場を形成する主な海藻であるアマモの種苗を海に投下する体験を行いました。ある程度水槽で育てたアマモ種苗を、船から海に投下し、しっかりと海底に定着するようダイバーの方に固定をしていただきました。このような海藻の植え付けを今後も増やしていくという袈裟丸さんの挑戦をこれからも応援していきたいと思います。
【山口知事のさー行こう!!】
アカウニやムラサキウニなどを使用した素晴らしい商品を生産する一方で、藻場の保全のために食害生物を駆除し、海の環境を整える非常に素晴らしい取り組みを20年以上に渡ってされています。
袈裟丸さんご夫婦の藻場保全の取り組みは、ほかの仲間にも広まっています。海を守りながら、地球を守りながらの漁業は、持続可能な取り組みだといえます。これからもみんなで応援していきたいと思います。
豊かな海のために地道な藻場再生活動を続ける、佐賀さいこう!