<令和7年度6月補正予算案>
今回の補正予算額は86億円ということです。補正後の予算は86億円を足しまして5,216億円ということになります。
この86億円の内訳ですが、通常補正分が11億円、そして社会資本整備に係る国庫認証増が47億円、国の経済対策、特に6年度の国の補正などへの対応分について28億円ということであります。
今から、この47億円、28億円の説明をして、最後に、いわゆる通常補正の11億円という順番で説明します。
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まず、この47億円ですけれども、いわゆる国庫補助金の認証増があったので、それに対応する予算でございます。例えば道路、ジャンクションについての着手がこれによってできるようになったりとか、河川、晴気川など、そういったところの改修工事だったり、公園事業だったり、鹿島駅周辺のロータリーだったり、吉野ヶ里関連だったりで9.2億円の増。そのほか、港湾の整備ということで、呼子港や伊万里港、特に久原の浚渫工事、こういったようなものが追加で国から来ることになったので、それに対して県の分については地方債を打ったりとかしながら対応する予算が47億円ということでございます。
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続きまして、国の経済対策等に対する28億円についてです。
例えば、この医療とか農業のこういったところを見ていただきますと、R6年度の国の経済対策で、具体的内容が示されたというか、国のほうでまだ準備が間に合っていなくて繰り越したりしたものについて、こういった形で具体化がなされたことによって、この6月補正で我々のほうでその国の考えているようなものについて予算化をしたということであります。
一つは医療現場の処遇改善などについて、それから病床数適正化への支援ということでのこと。
それから、農業でありますと就農のためのハウス整備への支援、こういった形で今回国庫を中心に組み立ててありますということ。
それから、教育に関しては高校授業料無償化ということで、3党合意がなされて自公維新でしたかね。ということで、それに対応してということで、ずれ込んでというか、この6月のタイミングで、これが全額国庫で今回支援をすると。いわゆる年収910万円以上の世帯、これが追加になったので、これについての対応をするというものがこの28億円と思っていただいたらいいと思います。
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では、佐賀県が独自というか、我々として今回補正をする11億円についての話をしたいと思います。
主なものです。
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一つは、輸出関連企業の多角化を支援しようという予算です。
これは、いわゆるトランプ関税の関係で、今今、切羽詰まった声が直接届いているということではないんだけれども、佐賀県の場合は様々なものづくり企業など、いわゆる部品とかのサプライヤーが多いんですよ。ですので、こういう懸念の声があって、我々も様々な金融の窓口を設けたりとか、いろいろ庁内の会議をやったりとか、いろいろしながら準備は進めていますけれども、これから起こるいろんなことについて対応できるようにということで、専門家による伴走支援を強化したり、事業の多角化を今からやっておこうというところに支援をしたりとか、製造業の展示会への出展に対する支援をしたりということで、直接この支援自体が関税に対する問題はないわけだけれども、いわゆるこういう、しっかり今のうちに様々な方面にとって準備をしておいたほうがいいんではないかということで、多角化をするところについて先手先手で支援をするようなものを用意したということであります。
企業の経営力を強化したいということでございます。
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次は、外国人材ドライバーが佐賀県で活躍してほしいという事業です。
物流業界が非常に厳しいという話は昨今、全国的な問題ではあるわけでありまして、我々も物流支援パッケージというのを実施したりしているわけですけれども、一つ、令和6年3月、昨年3月に、トラックのドライバーが足りないということで、国のほうで外国人の特定技能に自動車運送業分野というのが追加されたんですけれども、県内事業者の声を聞くと、そうは言ってもなかなか方法が分からないとか、そういう事例がなかなかないということもあって、県とすると、タイからまず先行で事例としてやってみてはどうかということです。タイは右ハンドルというか、左側通行だし、今、我々としてもお付き合いもあるところなので、最近、外国人ドライバーの問題もいろいろ議論になっていますけれども、しっかり丁寧にやることができるのではないかということで、今回まず3人受け入れようということで、タイでの送り出しのところからしっかりとその3人をフォローしながら、一回、運転業務のところまでしっかりと我々のほうで、免許の切替えとかそういったところも、それから、実地の練習中の、そういったところも丁寧に対応しながらやっていくというプログラムをやって、これでうまくいったら1つのモデルとしてこれを広げていくということを考えたわけですので、国際交流協会とか自動車学校とかトラック協会とか、みんなで連携しながら、タイからの3名の受入れというものを実施してモデル化してみたいという事業でございます。
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では、次に行きます。
いわゆる増便です。これが国際線の、九州佐賀国際空港の状況なんですけれども、コロナの前に14.9万人いたものが、今ぶおーっと戻りつつあるというか、むしろコロナ前を追い越す勢いで今増加傾向と我々は思っています。台北便も4月から週3便に増便しまして、これは就航以来初めてということでした。7月になりますと、7月6日から佐賀-上海便が5年ぶりに週4便に増便するということ。
ということで、この増便に絡んで、やはり航空会社ともいろいろ話をする中で、もうちょっと日本の方にも来てもらってもいいんじゃないかと。基本的にインバウンドが8割、9割ですね。ということでありますので、実は佐賀県、パスポートを取っている方は少ないんですよね。11%しかいなくて、県民の。これは全国は17.4%です。全国も少ないんだけど、17.4%だから。それでも佐賀は非常に少なくて。なので、ぜひみんなでパスポートを取って、実は上海、ソウルは東京よりも近いので、もうちょっとみんなで行って、食事やエステとか、1泊でもいいのでという、そういったことをいろいろやってみたいなと思っております。
ということで、新規パスポート取得者に向けた割引キャンペーンだったり、学校交流の渡航費の支援とか、こちらからいわゆるアウトバウンド、日本側から向こう側に行くという部分をもう少し増やすことができたら、相互交流にもなるし、さらなる増便というところへの機会も増えてくるのかなというふうに思っております。という予算が1,300万円ということで、航空会社とも連携強化して九州佐賀国際空港の利用をさらに促進していきたいという予算です。
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続きまして、パラスポーツの輪をさらに広げたいという予算です。
ご案内のとおり、昨年、SAGA2024では非常にパラスポーツが盛り上がりまして、特に全国障害者スポーツ大会で佐賀県は全部、団体スポーツも含めて全部、ストレートインで参加できるということで、みんなで声を掛け合って、参加しよう、参加しようとやってきたら、どんどんみんなが盛り上がって、試合をやるのも楽しいということで、何かとても意義のある大会になったなということがあって、ただ、全障スポがまたなくなって、ほかの県に行くと九州で1つしか出られないとかいうことで、またしゅーっとしぼんでしまうというのは、せっかく盛り上がったのに残念だよねという意見も多くて、できる限りそういった構図は維持して、今まだ、例えば、家に引き籠もったりしている方とかにももっと声をかけて、みんなでパラスポーツを盛り上げるような県にしたいという、その盛り上がりを維持するためにも、今回、県独自のSAGAパラスポ2025というものを企画したわけで、当初予算で当初、3競技をやることにしておりましたけれども、みんなでいろんな相談をした中で、フライングディスクとかバレーボール、それから、全障スポにはなかった種目だけど、ゴールボールも、これはパラリンピック種目であるのでやってみたいという声もあって、追加でこの3競技をやろうということになりましたので、その部分の予算化をしました。
さらに、スポーツ庁との連携の中で、特別支援学校在学中に、そういったパラスポーツに参加して盛り上がって、それが卒業後も日常的に楽しめるようなというプログラムの事業をやりませんかという声かけをいただいて、これは国庫10分の10ですけれども、スポーツ庁と一緒にやることになったので、そういった予算が合わせて900万円ということでございます。
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続きまして、西九州大学の新学部設置への支援ということです。
今、ご案内のとおり、全国で様々な大学が魅力化というか、学生に選んでもらえる大学をつくろうとか、我々も県大をつくろうとしているわけですけれども、そういった動きが進んでるわけですが、西九州大学につきましては、健康データ科学部(仮称)を新設するということで、令和9年4月に佐賀キャンパス内に新たに設置するという話を承りました。
そして、地元佐賀市も支援をするということでありまして、佐賀市が2億円の支援をするということでありましたので、我々とすると、佐賀市の負担の2分の1ということで、1億円の支援をするということで、県内での学びの選択肢を増やすための予算としたわけでございます。
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最後が、吉野ヶ里遺跡「クニのはじまり」研究プロジェクトというものを行ってみたいと考えています。
ご案内のとおり、吉野ヶ里遺跡というのは佐賀県の誇る財産ですね。世界的な財産と我々は思っております。今回の石棺墓についても、発掘のライブ配信をしたり、レプリカを作ったり、実は埋め戻しをして後世のまた新たな研究を待とうということをしたりしております。
これは弥生時代なわけなんですが、弥生時代の貴重な遺跡というのは、鳥取、岡山にもありまして、鳥取の妻木晩田遺跡(むきばんだいせき)だったり、岡山の津島遺跡だったりして、これは交流があったわけなんですね。
私も、このときに初めて知ったんですけど、奄美大島辺りからも船で弥生時代に吉野ヶ里のほうに渡航していたって。人間ってすごいなって思ったりしたんですけれども、ですから、当然のようにこの時代、鳥取、岡山とも交流があったわけなんです。
そこの交流の仕方というのが、まだ必ずしも定かではなくて、これは連携して共同で研究してみると、それぞれの遺跡の価値を再確認できるのではないかというふうに考えが至ったわけです。提案は鳥取県からなされました。
例えば、稲作って、菜畑遺跡(なばたけいせき)が唐津にあるんですけれども、そこが最初というふうに言われていて、岡山には津島遺跡というのがあるんです。だから、稲作がどういう形で普及していったんだろうかとか、青銅器も同じ時代に吉野ヶ里の型と青谷上寺地遺跡(あおやかみじちいせき)の型があって、これがどう影響し合ったのかとか、それから、お墓についても、うちの石棺墓と同じ弥生後期に鳥取では、四隅突出型墳丘墓(よすみとっしゅつがたふんきゅうぼ)と、四隅が突出したお墓があって、岡山ではこういう楯築遺跡(たてつきいせき)というのがあって、ほぼ同じ時期に、これはどういう関係なんだろうかということを共同で探ってみたら、とても有意義なのではないかということで鳥取県の提案で佐賀と岡山連携で共同研究しようということになりました。
合同シンポジウムを今年の12月に佐賀のほうで行って、我々としても、我々の誇るべき吉野ヶ里遺跡というものに、さらにその特徴というものが導き出せたらすばらしいなと思ったわけでございます。
以上、6月補正予算の説明でございました。