佐賀県翼の会設立30周年、誠におめでとうございます。
今年は、明治維新150年の節目の年です。当時の日本では、先進的な西洋の技術や文化、制度などが取り入れられ、新しい国づくりが進みました。そうした中、江藤新平や大隈重信、辰野金吾などの佐賀出身者は、様々な分野でその力を発揮し、現代まで伝わる多くの功績を残しました。
一方で、女性が社会に出て活躍する場は少なく、女性化学者の先駆けとなった黒田チカは、女性の立場が認められていない悔しさを感じていたといいます。
そうした社会に立ち向かった多くの女性たちの長きにわたる努力によって、人々の意識や制度は大きく進展し、今では女性の社会進出は目覚ましいものとなっています。これに伴い、夫婦共働きの家庭は増え、現代社会では、男女がいきいきと働くことができる環境――ワーク・ライフ・バランスが求められるようになりました。
10数年前、私は第3子誕生を機に育児休暇を取得しました。保育園の送り迎えや食事の準備、掃除など、やらなければならないことは山ほどあり、家事・育児の大変さを実感したものです。けれど、子どもたちと一緒に過ごした時間は、たくさんの気づきと喜びを与えてくれました。
この経験からも、男性も育児休暇を取得するなど、ぜひ子育てや家事を経験していただきたいと考えています。自ら体験することで、男性の当事者意識が芽生え、家事・育児への積極的な参加につながると思います。
このため、県では「子育てし大県“さが”プロジェクト」に取り組み、ワーク・ライフ・バランスを推進しています。男性と女性が相手を尊重しながら責任を分かち合い、性別に関わりなく個性と能力を十分に発揮できることで、誰もが充実した生活を送ることができるのではないでしょうか。
貴会の皆様は、海外派遣や地域住民との交流などを通じて、男女共同参画の推進に取り組まれています。地域のリーダーとして活躍されている皆様とともに、男性も女性も活躍できる社会の実現に向けて、私も力を尽くしてまいります。
結びに、佐賀県翼の会のますますのご発展と会員の皆様のご健勝、ご活躍を祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。