このたび、オイスカ佐賀県推進協議会が、創立30周年を迎えられましたことを心からお喜び申し上げます。
毎年3月に国連が発表している「世界幸福度調査」。この調査では、国や人種、文化を問わず、世界中の人たちに次のような質問をしているそうです。
「10段ある梯子を想像してみてください。ありうる最高の人生を10段、最悪の人生を0段としたとき、今、あなたは、その何段目にいますか。」
何が最高の人生かは人それぞれ、幸せの形も様々です。主観的な幸せの指標が最も重要とされるこの調査から、一人ひとりが幸せを感じられることがいかに大切であるか、その価値に改めて気づかされます。
貴団体は、30年という長きに亘り、佐賀とフィリピンをはじめとする支援国の架け橋となってこられました。
毎年実施されている「オイスカ佐賀ラブグリーンの翼」では、参加者の方々は現地の人たちとともに汗を流しながら、一つ一つ苗木を植え、また、交流を深めていらっしゃると聞いています。
これまでの活動では、様々なご苦労もあったことと思います。それでも、高い志を持ち続けながら積み重ねられたその活動によって、小さな苗木は、今では豊かな葉を茂らせるほど大きく成長していることでしょう。
ここ佐賀でも、ふるさとの豊かな森を育てるとともに、清らかな川や豊饒な海の恵みに感謝し、これを守るため、「森川海人っ(もりかわかいと)プロジェクト」を進めています。
「森・川・海はひとつ」をスローガンに、森、川、海にかかわる人たちが交流を深め、ふるさとを思う心を未来へつなげていこうとするこのプロジェクトは、オイスカの皆様が世界で取り組んでいる活動とも重なるように思います。
こうした取り組みはまた、私たちの生活を支え、心にうるおいや安らぎを与えてくれることによって、一人ひとりの幸せを育みながら、未来をつくる大きな力になっていくことでしょう。
近年、佐賀に暮らす外国人の増加率は、全国で最も高くなっています。
ふるさとを離れて暮らす方々にとって、慣れない土地での生活は戸惑いや苦労の連続だと思います。
そんな中にあっても、佐賀の地が、どんな人にとっても、その人なりの幸せを感じられる、多様な価値観が大切にされる場所であってほしい。そして、様々な交流の中から大きな夢や希望が次々と生まれていくような、佐賀をそんな地域にしていきたいと私は考えています。
県政の基本理念である「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」を胸に、私も、県民の皆様とともに手を携えて、一人ひとりの幸せを大切にする地域づくりに取り組んでまいります。
最後になりますが、オイスカ佐賀県推進協議会の御発展と関係者の皆様の益々の御活躍を心からお祈りしまして、お祝いの言葉といたします。