佐賀県労働者福祉協議会が創立50周年を迎えられましたことを、心よりお祝い申し上げます。
貴協議会におかれましては、時代のニーズを捉えながら、無料法律相談の実施、セミナーや文化講演会の開催などを通じて、県内の労働者とご家族の福祉向上に尽力してこられました。
歴代の理事長様をはじめ、関係者の皆様に対し、深く敬意を表しますとともに感謝申し上げます。
昨年開催した「肥前さが幕末維新博覧会」でも注目を集めた第10代佐賀藩主・鍋島直正は、幕末期、西洋の科学技術を積極的に導入し、佐賀藩を雄藩に導いた名君として知られています。
また、直正は、家族との時間を大切にする殿様としても知られており、その様子は、江戸で暮らす長女・貢姫(みつひめ)に宛てた200通にのぼる手紙に残されています。その中には、忙しい政務の合間をぬって狩りに出かけたこと、花見の時期には別荘を町民たちに開放し、部下たちとも親交を深めていたことなどが綴られており、日頃、花鳥風月にも心を傾けていたことがわかります。
激動の時代に藩を背負った若きリーダーにとって、家族のことを考えたり、藩内の人々と楽しみを分かち合うひと時は、藩政改革を推し進める活力ともなっていたのではないでしょうか。
現代においても、多くの方々は、仕事から離れ、家族や地域の人々と過ごす時間に安らぎを感じられることと思います。日々の幸せは、そうした仕事と暮らしのバランスの上につくられるもの。
佐賀で働く方々には、四季折々に変化する美しい自然や歴史ある伝統文化など、暮らしを彩る地域資源を楽しみ、家族や地域の人たちと幸せな気持ちを分かち合えるような豊かな時間を過ごしてほしいと願っています。
現在、佐賀県では、男性の育児参加促進や、妊娠・子育てのため離職した女性の社会復帰支援など、子育てしやすい職場づくりを進めるとともに、高齢者の方々が活躍できるしくみづくりや、若者が夢を持ち働きたくなる地域づくりを目指しています。また、平成28年度からは、九州・山口の経済界や自治体が一体となって「九州・山口ワーク・ライフ・バランス推進キャンペーン」をスタートさせ、ワーク・ライフ・バランスの意識啓発に努めているところです。
この4月からは、働き方改革関連法が順次施行されるなど、労働福祉のあり方も転換期を迎えています。また、社会を構成する労働者、そしてその働き方が多様化していく中、貴団体におかれましては、労働者に寄り添いながら、一人ひとりがよりよい将来の展望を持てる働き方の実現に向けてご尽力いただくことを期待しております。
最後になりましたが、貴協議会の益々のご発展をお祈り申し上げ、お祝いの言葉といたします。