本日、五月九日は、今から百三十六年前に佐賀県が誕生した記念すべき日です。このよき日に、県政の各分野で御貢献いただきました皆様に、こうして感謝の気持ちをお伝えする機会を頂き、大変嬉しく思います。
本日表彰させていただく皆様は、多年にわたり、地方自治、教育、文化、産業、福祉・保健衛生・くらしの向上、環境、安全・安心の各分野において、県勢発展のために力を尽くしてこられました。このことに対し、厚く御礼を申し上げます。また、その活躍を支えてこられました御家族の皆様にも、この場をお借りして、深く感謝を申し上げます。
長きにわたる皆様の御活躍を拝見いたしますと、大隈重信の言葉が浮かんできます。
それは、「人間が生きるのは、社会の利益のために存在するということだ。」という言葉です。
大隈は、自ら国づくりに携わるとともに、早稲田大学を創設し、人材の育成に尽力しました。そこには、人こそが、社会をより良くする力であるという強い思いがあったのだと思います。
皆様はこれまで、ふるさとの歴史や文化、ものづくりの技を大切に受け継ぎ、また、佐賀の自然や人々の暮らしを守ってこられました。そうしたお一人おひとりの御活動が、今の佐賀をかたちづくってきたのだと確信しております。
昨年は、明治維新から百五十年の節目として、「肥前さが幕末維新博覧会」を開催し、県内外から、延べ二二四万人もの方々に御来場いただきました。
幕末維新期、時代の大きなうねりの中で、世界を視野に入れ、未来を見つめていた佐賀の先人たちのものづくりや人づくり、その礎となった「志」は、百五十年の時を超えて現代を生きる私たちの心に響きわたりました。
そして、博覧会を訪れた県民の方々から「佐賀に生まれてよかった」「佐賀を誇りに思う」というお声をいただいたことは、私にとって大きな喜びとなりました。
今、令和の時代が幕を開けました。
私は、この新しい時代に大きな希望を持っております。それは、今の佐賀には、本日、お集まりいただきました皆様をはじめとして、志を持った方々が数多くおられるからです。
皆様におかれましては、これからも県勢発展のためにお力添えをいただきますとともに、高い志をもって力を尽くされてきた歩みを次の世代にも伝えていただきますよう心からお願い申し上げます。
最後になりますが、御来賓の皆様におかれましては、本日、御出席賜りましたことを心より御礼申し上げます。本日表彰される方々の御功績が、御来賓の皆様を通じて、より広く県民の知るところになれば幸いです。
結びに、御出席の皆様のますますの御健勝と御活躍を祈念いたしまして、式辞といたします。