このまちの森は、その約9割が人の手によってつくりあげられました。
戦後荒廃した山の奥まで入り込み、この土地を愛してやまなかった人々がつくりあげてきたこの豊かな森は、今、川を通じて海を育み、私たちの暮らしをしっかりと支えています。
森と川と海、そしてそこから広がる佐賀の自然の恵みを受けながら、私たちは生きています。
自然と向き合い、自然の中に人々の生活と文化を築き上げてきた佐賀の歴史。それは、オランダの人々の歩みとも重なります。
佐賀とオランダ。遠く離れた二つの地は、遡ること400年前から、海を旅してお互いに影響を与え合ってきました。
例えば、有田焼がオランダ東インド会社によって欧州へ渡り、欧州磁器の発展に影響をもたらしたこと。また、長崎・出島を通してオランダからもたらされた学問や技術は、佐賀藩の科学技術の発展を支えたことなど。
このたび、オランダからMarc van Roon 及び Frans van der Hoevenの両名を再びお招きできたことを大変嬉しく思います。
ピアノとコントラバスによって奏でられる美しい調べは、国境や言葉を超えて、皆さまの心にきっと響き渡ることでしょう。
この美しい森で、佐賀とオランダが歩んできたの歴史に思いを馳せながら、皆さまの思いが、未来の佐賀へとつながっていくことを心から願っています。