「諸君は必ず失敗をする、隨分失敗をする。」
これは、大隈重信が、早稲田大学から社会へ巣立つ学生たちへ贈った一節です。
西欧諸国と対等な国づくりを目指し、日本初の鉄道建設や条約改正に尽力した大隈には、数えきれないほどの失敗があったのでしょう。
けれども、多くの仲間たちに何度となく支えられ、世界へと広げた視野は大きな志を育みました。
上手くいかなくても悩む必要はない。失敗は大きな学びとなる。失敗に打ち勝ち、前へ進めーー。こう続く大隈の言葉は、時を超えた皆さんへのメッセージでもあるのです。
今、時代は大きく変わろうとしています。
人口減少が進み、外国人や多様な価値観を持つ人々との関わりが増え、AIが身近にある時代。私たちはこれから、様々な未知へと踏み出すことになるでしょう。
そんな時代だからこそ、失敗を恐れずに挑戦し続けてほしい。
そして、皆さんが挑戦しようとする時、薩長土肥の偉人たちがそうであったように、自分を育んできたふるさとをしっかりと見つめてほしいと心から思います。
ふるさとによって大切にされてきたものは何であるのかを知り、先人たちが未来へ何を託したのかを想像することは、これから進む道を照らしてくれるはずです。
地方がそれぞれの魅力を磨き、世界へも発信していくことのできる今、若い人たちの情熱と知恵は地域を一層輝かせるでしょう。
ここに集まった志ある皆さんが、互いに切磋琢磨しながら、いつか未来を切り拓く大きな力となることを切に願っています。
「志通天 ー志は天に通ずー」