「人の志操(不変の志)は失意の時に真にして、人の情好(友情や愛情)は失意の時に密なるものなり」
佐賀の偉人・大隈重信は、晩年、18歳で佐賀藩藩校・弘道館を去った日を振り返り、このように語ったといいます。
ペリーが黒船で浦賀に来航したのは、大隈が16歳の時。その出来事は日本中を揺るがし、開国か否か、佐賀の若者たちは昼夜、議論を交わしたのです。
藩校の伝統的な教えに反発し、先輩との激論の末、弘道館を飛び出した大隈。
その若さゆえのつまずきは、自分は何者なのかをあらためて問い、揺るぎない志を抱くきっかけとなり、
失意の中で感じた人の温かさ、無二の友との絆は、生涯、大隈の支えとなったのです。
皆さんはこれから、自分が選んだ道を歩みだします。
変化し続ける時代だからこそ、失敗を恐れずに挑戦し続けてほしい。
そして、何かにつまずいた時は、この言葉を思い出してほしい。
ともに学んだ仲間、温かく見守ってくれた方々、あなたを育んだ数えきれないほどの情景とともに。
今日、巣立つあなたの描く夢が、いつか揺るぎない志となって、未来をつくる力となるように、
いつまでも、佐賀はあなたを応援しています。
卒業おめでとう。