佐賀県で開催予定であった第61回公益社団法人日本食品衛生協会九州ブロック大会が、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、書面での開催となりました。大変残念ではありますが、これまで大会開催に向け入念に準備をされた皆様方に心から感謝申し上げます。
貴会におかれましては、日頃から食品業界における衛生管理の指導を通して、安全・安心な食の普及に努めていただいているところです。
また、九州各県の本会関係者の皆様には、各地域において専門的な知見を活かしながら、食品営業者や消費者などへの手洗いの重要性を啓発するなど、食中毒予防だけでなく感染症を防ぐ上でも非常に重要な役割を果たしていただいています。こうした皆様のご尽力に対し、深く敬意を表しますとともに感謝申し上げます。新型コロナウイルス感染症が世界各地に大きな影響を与えている今、皆様の活動に支えられ、佐賀県も独自の感染拡大防止対策や経済支援策により、県民一丸となってチーム佐賀で対策に取り組んでいるところです。これからも皆様とともに乗り越えていきたいと考えております。
現在、我が国においては、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、誰もが安心できる国際的な統一基準での食品衛生管理が求められています。
とりわけ、近年、貴会では、世界的に導入が進められている食品管理手法であるHACCP(ハザップ)を推進されており、講習会などを通して、この普及にも大きな役割を果たされていることは、食のグローバル化が進む現代において心強い限りです。
HACCPの原型となったシステムを開発し、宇宙での安全な食の開発と管理に尽力しているアメリカ航空宇宙局(NASA)。このNASAの宇宙飛行士として活躍されたドナルド・ウィリアムスは、宇宙から地球の美しさを目前にして、次のように語ったそうです。
「この世界で私たちの分かち合うものは、分け隔てるものよりはるかに大きな価値がある」
食は私たちのいのちの源であり、様々な食が地域や国境を越えて安全安心とともに私たちの食卓に届くことは、私たちの暮らしを豊かにしています。
皆様におかれましては、これからもどうか、九州各地域が互いに協力され、豊かな食を通じて九州の未来を切り拓くよう、お力添えを賜りますよう心からお願い申し上げます。
また、本大会をきっかけに、佐賀県産品の魅力が皆様方に広く知れわたる機会ともなれば幸いです。
結びに、公益社団法人日本食品衛生協会の今後ますますのご発展と関係者の皆様のご活躍を心から祈念いたしまして、お祝いの言葉といたします。