「あの時は大変だった」と、いつか振り返る日が来るでしょう。
学校に行けなくなった日のこと。
最後の大会や発表会が中止になった日のこと。
この先どうしようかと考え続けた日のこと。
そんな時、思い出してほしい。支え合った友人のこと。
誰もいない教室で、また会える日を待ち続けていた先生たちのこと。
この未曽有の出来事に、今、何ができるだろうかと、奔走した大人たちがいたことも。
コロナ禍にも精一杯輝き、この日を迎えた令和3年春の卒業生を、私もずっと忘れることはないでしょう。
全力で疾走する姿も、燃えるような声援も、歯を食いしばり稽古をした背中も、訥々と夢を語る横顔も。
たくさんの高校生にお会いして感じた底力は、今もなお、心に刻まれています。
「人の志操(不変の志)は失意の時に真にして、人の情好(友情や愛情)は失意の時に密なるものなり」(佐賀の偉人・大隈重信のことば)
人生にはいいことも、そうでないこともある。けれど、自分の思いの中でこれからも全力を尽くしてほしい。
誇らしい佐賀の地で育んだ志と、信じた仲間を大切に、前へ前へ、自分が選んだ道をまっすぐ進んでいこう。
卒業おめでとう。