○記者
大臣が就任してから、きょう初めて来られて、改めて漁業者の方からもいろいろな現状についてお話があったと思うんですが、まずお伝えしたことについて知事からご所感をお願いします。
○知事
そうですね、まず現地訪問、特に有明海を見ていただいて、だいぶ有明海に対する認識を深めていただいたことと、今の意見交換会もそうですけれども、私の発言ですとか漁業者の皆さん方のいろいろな発言とか、特に打ち合わせしていなかったわけですけれども、それぞれが本当に思ったことをしっかり主張して、それが大臣にも届いたんではないのかなと。
特に自然を大事にしなければいけないという佐賀県の思いですね、それをあまり形を変えて造作してはいけないんだと、できる限り自然な形でという思いというところ、それとあわせて「森川海人っプロジェクト」についても、すばらしいねということでお話があったので、非常に有意義な会だったと思っています。
○記者
知事から見られて、大臣の聞かれている姿勢というのはどのような印象を持たれましたか。
○知事
そうですね、有明海はやはり普通の海とは違う。北海道の海とは全く違うので、その特徴、特性ということについてご関心をお持ちのようで、どんなものが生息していて、ノリの養殖というのがどういう形で行われるのかということについて、特に今回はあれだけのノリ柱がずっと何万本もある姿を見て、非常に驚かれていました。
○記者
船に乗られている間も有明海の現状についてのご説明というのは、知事、あるいは所長からあったと思うんですけれども、それについてはどんな反応をされていましたか。
○知事
そうですね、特にタイラギが厳しいという話がありまして、アゲマキとウミタケについては、小さな光だけれども、何とか今光が見えてきていると。ところが、タイラギについてはなかなかこれが難しくて、国のほうで今頑張っている兆しが出てきたという話の中で、じゃ、一緒にやらんばいかんねとか、大臣のほうから、それはもう移してもいいんじゃないかとか、結構そういう発言も出たりして、大臣からは佐賀県の有明海再生に対する思いや事業に寄り添っていこうじゃないかというような発言が見られたように思いました。
○記者
きょうの漁業者の方のお話にもあったように、確かにアゲマキとか、一部では成果が出ているものもありますけれども、依然として漁業不振というのは根強いというお声もありましたけれども、どうですか、大臣に期待というのは持てそうですか。
○知事
そうですね、吉川大臣は具体的に私に対してどうして欲しいかとか、ここをどうだというふうに聞いてこられる方だったので、そこは非常に何かを組み立てようという気概を感じましたし、もともと佐賀県との関係で吉川大臣は非常にいろいろつながりもあった方なので、佐賀県のために汗をかきたいなという、少しでもそういうところを見つけていきたいなという意欲を感じることができました。
○記者
漁業者が訴えられていた本明川を川にしてほしいという訴えなんですが、あれは間接的な開門の要望のように聞こえたんですが、知事としてはどのように受けとめられましたでしょうか。
○知事
要はそのままフレッシュな水が有明海に流れ込むような方法ということであったと思います。それはもともと一番自然な形はそのまま流すこと、すなわち全面開門だと思うんですけれども、そうでなければ、そのままその水をどのように、ポンプになるのか、いろんな方法が技術的にあるのかもしれない。調整池があって、せきとめられた姿というところが、できる限り自然な形、ナチュラルな形で、川と海というふうなつながれた姿をつくってほしいという訴えだというふうに私は認識しました。
○記者
知事が最後に枠組みをつくってほしいという話をされていたかと思うんですが、あれは具体的にどういうもので、どういう思いの中でそう言われたのでしょうか。
○知事
毎年毎年の予算というような形だと、岩永さんが言っていましたね、新有明海のほう。毎年毎年陳情をやって、来年どうなるか不安でしょうがないということであれば、継続的にもっと法的な枠組みだとか、そういったものと関連させるとかいうことで、ああ、これは少なくとも10年間続くんだなというような枠組み、そういったものの中に整理ができないかなと。何となく交渉の中でやる、やらないではなくて、一定の部分がしっかりできるという中で安心して漁業をやりたいということです。
○記者
それは県として今後も要望されていく感じになるんでしょうか。
○知事
そうですね、非常にそこは我々も感じているところもあるので、特に裁判との関係とも関連してなんでしょうが、一つ一つの交渉事になってしまう面が多々あるので、漁協さんは自然な形で、先の姿もイメージしながら操業したい、子供に引き継ぎたいというお考えだと思います。できる限りその形に寄り添っていきたいと思います。