【総括】
平成31年度政府予算案は、全体としては、持続的な成長経路の実現に向けて「経済財政運営と改革の基本方針2018」に基づき、「人づくり革命」と「生産性革命」に優先的に取り組むものとして編成されました。
地方財政対策については、地方税が増加するとともに、7年ぶりに地方交付税が増加となり、一般財源総額で前年度を上回る約62.7兆円が確保されたこと、また、臨時財政対策債の発行が抑制され、地方財政の健全化が前進したことは、一定の評価をしています。
税制改正については、地方法人課税において新たな偏在是正措置が講じられたことは、より偏在性が小さい地方税体系の構築につながるものであり、評価しています。
また、自動車に係る措置については、保有時の恒久減税・取得時の軽減分について、グリーン化特例等の見直しや国費補填などにより、これに見合った地方税財源を確保するとされているため、確実に履行されるよう注視してまいります。
なお、消費税率の引き上げに伴う対応(防災・減災、国土強靭化対策を除く)として、が計上されたことに関しては、地域経済の活性化に十分配慮した実効性のあるものとなるよう具体化されることを望みます。
県としては、国の予算を有効に活用し、財政健全化に取り組むとともに、引き続き「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」を基本理念として、未来に向けた好循環が生まれつつある佐賀県を更に磨き上げてまいります。
【子育て支援予算】
待機児童の解消に向け、「子育て安心プラン」に基づき、2020年度までに32万人分の保育の受け皿を整備するとともに、引き続き保育士の処遇改善に取り組むこと、また、2019年10月から始まる幼児教育・保育の無償化において、国が必要な地方財源を確保されたことは一定の評価をしています。
【農林水産予算】
農林水産予算の総額については、前年度と同程度の予算が確保されたことから、攻めの農林水産業を展開し、成長産業とすることを目指している国の姿勢が出ているものとして、一定の評価をしているところです。
なお、現時点においては、具体的な内容が明らかにされていない事業もあることから、今後は、TPP等国際経済連携協定発効への対応を含めて、本県の農林漁業者の経営体質強化などの推進に向けてできる限り活用できるよう、本県への配分等について働きかけていきます。
【有明海再生対策予算】
有明海再生については、漁業者が事業継続を望まれている有明海再生対策事業の予算が前年度と同程度確保されました。県としては、宝の海である有明海を一日も早く再生するため、開門調査を含む環境変化の原因究明と水産資源の回復に国が責任を持ってしっかりと取り組むよう、今後も機会あるごとに求めていきます。
【防災・減災、国土強靭化の緊急対策予算】
防災・減災、国土強靭化の緊急対策予算は、消費増税対策の「臨時・特別措置」として約1.3兆円が計上され、この予算が通常の予算とは別枠で計上されたことについては、評価しています。
なお、本県への具体的な配分額については、現時点では不明となっているため、今後、この緊急対策を着実に推進するため、本県への重点配分を国に働きかけていきます。
【道路関係予算】
道路関係予算(交付金事業を除く)については、全国枠で前年度と同程度の予算が確保されていますが、本県への具体的な配分額等については、現時点において不明です。
平成30年度の予算は政策提案などにより一定程度確保できており、平成31年度についても、生産性向上等のストック効果が最大限発揮され、また、着実な防災・減災、国土強靭化が図れるよう戦略的に道路整備を推進するため、本県への重点配分を国に働きかけていきます。
【城原川ダム事業予算】
城原川ダム事業については、前年度予算の約1.3倍となる約7.0億円の予算が計上されたところであり、早期建設に向けて調査が着実に進められていくことを期待します。
県としては、これまでダム事業が長い年月を要していることを踏まえ、早期建設という地元の皆様の思いにしっかりと応えられるよう、引き続き必要な予算の確保とより一層の事業推進について国に働きかけていきます。
【九州新幹線西九州ルート関係予算】
九州新幹線西九州ルート(武雄温泉・長崎間)の建設費増加分については、平成34年度の開業に向けて財源の見通しが確保されたところです。
九州新幹線西九州ルートについては、六者合意に基づき、「平成34年度の開業」と「肥前山口・武雄温泉間の全線複線化」の確実な実現に向け、しっかり取り組んでいただきたいと考えています。