知事記者会見の会見録や資料を掲載しています。動画もご覧いただけます。
※会見録は、わかりやすいように一部校正しています。
平成31年2月5日 知事定例記者会見
質疑内容
○読売新聞
予算編成に当たってですけれども、世界に誇れる佐賀づくりというのが一通りの柱だったと思うんですが、1期目のときには佐賀の魅力を外に向けて発信するという意欲がよく担っていたかと思います。
冒頭、知事のほうからも今回、「山」「交流」「志」という3つのキーワードが出ましたけれども、受けとめ方としては、外から佐賀に来た人が、佐賀に来た人に対しての魅力の発信だとか、今佐賀に住んでいる方たちに向けてとか、そういうふうな方向性のように受けとめられたんですけれども、知事は今回、予算編成を組むに当たって、1期目のときと2期目のときでどのような違いを出していこうと思われたのか、その辺の編成の仕方にかける思いについて教えていただけますか。
○知事
1期日は、まず現場をよく知ることが大事だということで、県内を本当にくまなく、いろんなところで、「さー行こう!!事業」だとか、さまざまな祭りに参加したりしながら、佐賀がどうなんだろうかということに徹底的にこだわって、できる限りハード事業というものは抑えながら参りました。その中で、この佐賀県の皆さん方のすばらしい地域を大事にしたり、人とのつながりを大事にしたりという、皆さん方にいろんなことを知っていただくことが大事だなと思ったんです。というのは、ずっと同じメンバーばっかりでいろいろ議論をしていると、なかなか煮詰まって前に話が進まないというのを私も全国でもよく見てきたし、堂々めぐりをしてしまう、どうせ無理やっかってなってしまう。それを打開するためには、外の人たちが来て、佐賀ってすばらしいよって。何もなかというのが県民ですから、よそから来て、ここ何もなかねなんて誰も言わないし、例えば脊振の山を見たときに、よそから来た人は、「すげー、美しい」って言うんですよ。でも、県民からするといつもあるもんだから、あれが何もなかに映るわけね。というような現状に気づいた中で、あ、そっか、維新博もやったけれども、もっともっと多くの人たちが佐賀に来ることによって、佐賀ってすばらしいところだねと。今回のキャンプもそうだけれども、世界中の皆さん方って本当に佐賀のことが大好き、すばらしい素材が残っているところだねって言っていただけるので、そういうマインドに少しずつ佐賀県が変わっていくとしたならば、これから世界が近くなる時代の中で、この地域というのはすごい跳躍力を見せるんだろうなと思ったので、できる限り多くの人たちと交流するように、そして県内的には志を持てる子供たちがいっぱいいてというところを意識して、さまざまな新しい時代に合うような価値観、右肩上がりじゃない時代の価値観を佐賀から提案できたらなと思って、今回の予算を構成しております。
○NHK
子育て施策に関して、今回、9億円あって、その中の新規拡充が12項目で、合わせて1億7,000万円余りと、かなり力を入れていらっしゃると思うんですけれども、中身を見ると、出会いから結婚、あと、不育症ですとか、妊娠・出産、子育て、自立支援、不登校対策と、かなり幅広いんですけれども、知事はどういった思いでこの「子育てし大県」という施策を推進していらっしゃるのか。
あと2期目の最初のスタートですけれども、1期目の中で何か課題というのは、佐賀特有なり全国共通の課題というのは見えてきたのか、そのあたりをお願いします。
○知事
子育てって本当にそれぞれなんですよね。家庭もそれぞれだし、人生がそれぞれだということでもあるんだろうけれども、そのいろんな千差万別な一人一人の生きざまにどのように県政というのは網をかけていくべきなんだろうかというのは大きな課題なんです。同じような人たちだったら、同じような施策で網をかければおおむね引っかかるんです。でも、あまりにも家庭環境から、地域差から、人それぞれなんです。ですので、まず決めたのが、少なくとも子育ては楽しいんだって思ってほしいな、いろんな環境の中でも。そして、子供には罪はないので、子供が生き生きとしていて、本当に苦しいときには手を挙げられると。
新年度、今日は説明しませんでしたけど、今やろうとしているのが、DVでも、子供が手を挙げられない、そして、奥さんのほうも、DVされているほうも、私が悪いのよってマインドコントロールにかかっているところがあるわけですよ。そうすると手が挙がってこないわけ。だから、そういったところに僕らが、こちらのほうからアプローチをして助け出せるようなことができないのかなっていうことを考えています。ですので、何となくこういう政策をやって網をかけたよっていうことじゃなくて、それで漏れているところがどうしても出てくるのがもどかしい。そういったところに引っかかるような施策をいろいろやりたいと思っております。
ですので、例えば、さっきの不育症も、流産を繰り返す方って、つらくて人に言える話じゃないというのが現状です。でも、そういう人たちに何とか、行政というのはセーフティネットであり、駆け込み寺だと思うので、手を挙げてくださいっていう施策と、こちらから何か乗り出して、「May I help you?」というような、そういうことができるような考え方でということを全ての段階で考えていくと、どんどん広がってはいるんだけれども、問題は、予算の制約があるので、声はかけられて、いろんなところにやれてるところもあるんだけれども、もっとやってよっていう声って出てくるわけです。
例えば、支援学校のバスにしても、佐賀県は寮をそれぞれの支援学校に置いているので、寮をメーンにやってきたんだけれども、やっぱり親元から通わせたいという人たちの声とかあるから、他県にはないことだけど、バスを走らせる。とりあえずモデルで1路線ずつ走らせているんだけれども、でも、そうすると、もっと近く来てよ、もっと私のところにもつくってよという声も今寄せられていて、そういうことがどこの分野でもあって、その全てにやるというのがなかなか難しいところで、順次、順次。ただ、光が当たらない人たちはないようにしたいなといつも思っていて、全ての分野に対して、我々がしっかり目をかけて一緒に考えていくという形はつくれるようにしたいと思うし、もしそうなっていないところがあったら、それこそ報道機関の皆さん方にご指摘いただいて改善していきたいと、そういう姿勢でいたいと思います。
○佐賀新聞
大きく2点。
まず、今回の2期目のスタート予算なんですけれども、知事ご自身の自己評価はどのような感じなのか、もし点数とかであらわせるのであれば、そういうのをお願いしたいし、自己評価をお願いします。
○知事
そうですね、この予算というのは一つの原案で、これから県議会の中でもいろんな議論があって、そして、この中でもいろんな過程があるので、今の段階で点数をつけるのは本当に難しいことだけれども、少なくともみんなの英知を結集しながらつくった、特に佐賀県庁も、もう4年たって、それなりにいろんな現場を見て、方向性というか、山口県政の方向というのをわかってきた皆さん方も多いので、そうした中でつくられた予算なので、私は期待したいと思うし、もちろんこれでパーフェクトなんて思っていません。これを一つのきっかけにしながら、さらによい事業にしていくことと、新しい気づきがあれば、修正して、場合によっては補正してということだと思います。
○佐賀新聞
もう一点、大きく。サンライズパークの件なんですけれども、これは山口知事の政策判断としてかなり大きな事業だと思うんですが、今回、継続費も含めて338億円で、今年度以降、来年度、再来年度のほうがさらに予算かかってくるんですけれども、今回出されているような幅広くいろんなことに目をかけていらっしゃる中で、先ほど知事も予算の制約があるのでということもおっしゃっていましたが、このサンライズパークをやっていくことで、かなり政策的なことがかかると思うんですけれども、このあたり、ほかの事業への影響とか、そのあたりについてはどのように手当てされていくおつもりなんでしょうか。
○知事
そうですね、佐賀県にとってみると、久しぶりの大型事業だと思います。武雄の宇宙科学館、それから、本丸歴史館、そういったもの以降、ほとんど大型施設整備はしていないのかなと思います。そういったこともあって、今の段階というのは、さまざまな国営事業の負担金というのが収束に近づいているということと、今まで、しっかり健全化に励んできたことによって、将来負担比率が全国4位だったり、一定の財政健全性が保たれていると思います。
ですので、では、今何をやるべきなのかということを散々考えた結果、一つは、国スポ・全障スポというもの。これをみんなで盛り上がってやらなければいけない、50年に1回の事業です。そして、それを契機に、いかにその先まで延ばしていくのかを考えたとき、多くの県外の皆さん方にも来ていただく施設、そして、県内の皆さん方が集えていろんなことで喜べる施設を考えて、さらにまちづくり、もっともっと歩くと、いろんなことを考えていくと、今回、このサンライズパークの整備ということで、新しい時代を切り開くための進路という意味では、よその県は結構こっちをやりますね。でも、本県はすばらしいことに、ここに文化ホールがあって病院がある。そういう施設構成を考えると、ここにアリーナがあることによって、本当に多くの事業がここでできるようになると思います。ですので、いろんなタイミングを考えて、そして、将来の財政推計なんかも考えていけば、ここでサンライズパークを整備するのは非常にタイミングとして、私はいいのではないかと思っている次第です。
○佐賀新聞
それで、今回、プライマリーバランスがマイナスになっているかと思うんですけれども、先ほどの質問でもしたと思うんですが、ほかの事業への影響、ここのコストが膨大になることによって、ほかの事業への影響が出ないのか懸念されるかと思うんですけれども、そのあたりの手当てというのはどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
○知事
基本的に、これをやることによってほかの事業をマイナスにするという操作は必要ありませんでした。どうやって我々の財政の中で、基金やさまざまな地方債によって吸収できるのかという財政計画がつくれるのかということが一つの焦点であったので、この規模も含めて、その範囲の財政推計も含めてセットしてあります。
○STS
質問2点あります。ヘリの墜落からきょうで1年ということなんですけど、まず1点目、まだ原因がわかっていないことについてどうお考えなのか。
もう一点は、先ほど冒頭のコメントで、安全対策について万全を期したいというお話がありましたが、具体的にどういうふうに考えていらっしゃるのか、案があれば教えてください。
○知事
まず1点目なんですけれども、本当に痛ましい事件であって、アパッチは普通に飛んでいたわけですよね、それまでも。ああいう事故が起きて、もう徹底的に原因を調べないとということでした。ですので、さまざまなことが全てここに集約されて、小野寺大臣との間でまず事故原因を調べるということになったわけです。それがストラック・パックのボルトという特定が行われました。この部分というのはわかったわけです。ただ、どうしてそうなったのかということについてはアメリカのほうでないと、その製品をつくったところも含めた検討が必要だということであれば、そのAH-64Dのアパッチは、少なくとも飛ばしてもらったら困るしということになっているわけですね。
ですので、私とすると、それはもう大前提としてこれからも守ってもらうと。原因がわかるまでは飛ばさないという約束で、その原因究明については、これはあせって私どもがやれという話ではないと思います。しっかり本当に安全というもののために原因究明ができたということであれば報告に来ていただくということになると思いますけれども、という趣旨です。
そして、2点目なんですけれども、安全対策については万全を期していただきたいと私言ったんですね。期していただきたいというのは、本当に安全が何よりです。そして、今日本中でも自衛隊の航空機、船舶、動いています。もちろん国防というものに我々は協力をしながら、大事な任務だと思っているんだけれども、そこには国民の、県民の生活があるから、本当に安全対策というものが何より大事だよということは常々申し上げていることなので、安全を期していただきたいというふうに今日も申し上げました。
○佐賀新聞
歩くライフスタイル事業の関係で、先ほど知事の説明では推進本部を立ち上げるというふうな言及があったんですけれども、これはいつしてどのような組織を想定しているんでしょうか。
○知事
歩くと言ってもいろんな側面があるので、さっき言ったように三溝線、駅からどうやってあのサンライズパークまで歩いてもらうのかというまちづくりの問題もあるし、もっともっとみんなでウォーキングして健康寿命を伸ばそうよという健康福祉部のアプローチもあるし、県庁全体となって散策コースをつくるとか、オルレのコースと言ったら観光になるし、いろんなところが複合的に重なり合うので、みんなで協力しながら少しでも県民の皆さん方に歩いていただく。そして、歩きやすいようなまちにしてもらう。そして多くの人たちが来ていただけるようなまち、そういったところを複合的にやる本部が必要と思うので、早急に立ち上げて検討を開始したいと思っています。
○朝日新聞
2日の原子力防災訓練の関連でお聞きしたいんですけれども、昨日、消防防災課のほうからも説明がありましたが、2日のテレビ会議で内閣府と電話がつながらなかった件で、内閣府側の計画されていた停電を確認していなかった、失念していたためのミスだったということが昨日説明されました。
この点について、何か知事のほうから受けとめがありましたらお願いします。
○知事
これについては、当日も私も強く申し上げたとおりなんですけれども、私が今回一番悲しかったのは、計画停電だから、要は電源落ちていたわけですよね。そのときにじゃ、どう判断するのかと。官邸使おうかとか、場合によっては立川使おうかとか、本番だったらそうしなければいけないわけですね。どうしようもなかったら電話でも一報してと。内閣府というのは、緊急事態の公表をしたりとか大きな機能を持って、それを母体にみんな避難したりするわけですから。だから、そこが停電だから、じゃ、その役割を内閣府じゃなくてサテライトセンターでかわりにやってもらおうという発想が僕は危険だと思っているわけです。だって、それは東京でやるべき仕事でしょう。だったらその機能をどこかに移すか何かして。それが訓練なのに。
その担当官が計画停電を忘れていたかどうか、それも問題だけど、普通ちゃんとそのぐらいチェックしておけよという話なんだけど、それよりは、訓練というのは本来、普通起きないときにどうしようかということを検証すること、実践的な訓練をやることだから、本当は、あっ、やべえ、電源ない。パニックになる。どうしよう、それが訓練だと思うんですね。そのときに安易に、じゃ、いいや、その分かわりにやっておってよ、どうせそっちの役回りだから、一人二役やればいいよねというところに僕は甘さがあると思う。
だから、その1つの原因として、副知事からも言ってもらったけど、本人やれよって、役割を果たすべき人が。そうしたら、今担当補佐官がそう判断したのかもしれないけど、本当に統括監が来ていると、──本当どうだったんでしょうね、そのときは。ということじゃないですか。
ですから、私は、本当はブラインド型の訓練というのを推奨しているけど、ある程度のシナリオ型の訓練であってもいろんな手順を確認したりとか、その過程でいろんな気づきがあるので、そっちのほうが大事だと思っております。
今回とっても残念なのは、そういう、あっ、やべっと思ったときにどうするのか。私もずっと危機管理やっていたけど、計画どおりなんかに進むはずがない、実際災害が起きたときに。そんなやったら機械にやってもらったらいい、災害対策というのは。そうならないから、ふだんから現場に根差したオペレーションをみんなで相談しながら、ああしよう、こうしようと、きびきび決めていくのが災害危機管理の要諦なわけです。
そこの部分がないがしろになっているところに国の気の弛みというか、誰かしておけばいいだろう、誰かにしゃべらせておけばいいだろうと、何となくそういうものを感じるので、起きていないときにこそしっかり警戒をして、国としてもう一度危機管理というものを見つめ直してほしいと感じさせられました。あのときはよく原因がわからなかったけれども、でも、今回計画停電だったって何かしゃれにもならないけど、国は本当の話をしたんだよね。事実を言った。それは僕は評価しているんです。それを隠蔽しようとかしたら絶対許さんけど、でもそうだったんですよって言ったというのは、これは国にもまだ何と言うかな、何とか危機管理をしっかりやっていこうというところを感じたので、今回は、次にということで、もう一度訓練というものの意義を再確認してもらいたいなと思っております。