○毎日新聞
次に防災ですけれども、きのうも雨は強かったですが、先日、鹿児島での大雨でも避難の実効性というんですか、避難率ということが問題になりましたけれども、避難の呼びかけだったり、あと、防災、減災について今県が備えていること、どういったことを備えているかというのを教えてください。
○知事
災害対応って本当に実際に起きていることに関して住民の皆さん方とどれだけ皮膚感覚が、警報とか避難勧告、指示を出す側と意思疎通ができているかというところがキーポイントと思っているんです。ややもすると、もうAIで自動的に出せるようにしたらいいんだとか、警報が出たらそのまま勧告とか、自動的な措置になったほうがいいんじゃないかとか、これは難しい判断だからというふうに流れがちなんだけども。統一的な、自動的な動きに。ただ、私はいろんな災害現場を見てきて、現場も違うし、状況も全く違う中で、生身の感覚、そのときにどこの皆さん方にどう避難していただくのかとか、その準備を普段からどうしているのかという、人仕事というのかな、そういう部分がとっても災害対応って大事なので、そこをなおざりにしながら自動的な措置ばっかりに目を向けていることがかえってリスクを生むこともあるので、私がよく言ういわゆる全市避難とかね。
全市避難ということが続くと、住民の皆さん方は、ああ、また何もなかったねということになったり、もちろん空振りを恐れる必要はないんだけれども、そこの部分の避難に関するキャッチボールというものをもっと市町はやるべきだと思うし、県もそれに対してもっと積極的に手助けをして、習熟した関係を平時から住民の皆さん方とつくれる、そういった地域が防災力の強い地域になっていくのではないのか。そこを橋渡しをする担い手、防災士の皆さん方とか、そういう皆さんになっていただく仕掛けを普段からやっていくことが大事だと私は思っています。