○NHK
出水期を迎えることに関連して、昨年の佐賀豪雨の教訓をどう生かすかということについて1点お伺いします。
油の流出に関してです。
佐賀鉄工所の再発防止の訓練に、県として消防と一緒にコミットしていくということを聞いておりました。企業任せにしないということだと思うんですが、どういう点にその訓練は着目して、どう指導されていくのか、これが1点と、ただ、これは佐賀鉄工所だけの問題じゃないと思っていまして、そのほかの多くの事業者に何を求めていくか、この2点についてお伺いします。
○知事
私は昨年の佐賀豪雨災害の一番の大きな総括は、佐賀鉄工所の新たな体制における訓練だと思っています。ですので、これは1つどうしても申し上げたいのは、失敗していいんです、訓練は。なので、できるだけ多くの人に開かれた形でやって、失敗前提でやって、それを修正していくということ自体が一番の目的なので、そういう姿勢でみんなが向き合う。ですから、全ての機関、できる限り、もちろん我々もそうですけれども、消防もそうですし、報道機関もそうだけど、いろんな方にできるだけ公開して、いろんなみんなが、ここはもっと直したほうがいいかもね、ああ、そうだねというものができることが大事で、100%うまくできましたねという形をミッションにしてやると、えてして問題点が見えてこない。
これは我々の訓練もそうだけれども、ですから、いつも県の防災訓練も失敗していいよと、失敗して、そこを直そうぜと言っているのもそういうことで、どうしても何か失敗させないように、失敗させないようにというふうに仕掛けができてしまうので、そこの大きな前提を関係者の皆さん方にまず共有してもらいたいと思います。
その上で、新しいハードの整備なんかも佐賀鉄工所さんはやっていただいたので、そういったものが機能するかというのは常に、今度は人の問題。結局ミスが起きるときはヒューマンエラーの掛け算なんです。えっ、そんなことがということが4つも5つも、何でつながったんだろう、このヒューマンエラーがというときに大きな事故になるので、それを一個一個防ぐためにも、多くの皆さん方に見ていただいた形で訓練をやっていくということだと思うので、とにかく1回やることですね。だって、今起きるかもしれない。一度やってみて、その上で足りないところについては、何度繰り返してもいいわけだから、みんなで相談しながら、油流出を今度はさせないようにそれぞれが役割を果たしていく。みんなそういう気持ちになっていくということをつくれるかどうかが今回の大きな訓練のポイントだと思います。ですので、何とか6月中に実施していただきたいと思います。
○NHK
佐賀鉄工所以外の事業者に対して今呼びかけることとすれば何でしょうか。
○知事
事業者の皆さん方それぞれが社会的責務を負っておられるので、今このように新型コロナでみんな大変なんだけれども、様々な危機に対してどう立ち向かっていくのかということを、ぜひそれぞれの会社の置かれている状況を踏まえて、同時に考えていただきたいと思います。
佐賀県はそういう企業、BCP計画もそうですけれども、全力で支えていきたいと思います。そのためには、できる限り正面から真っすぐな、純粋な気持ちで改善活動をやっていくような企業の集団に佐賀県がなっていくことを望んでいます。