○毎日新聞
幾つか質問します。まず、来週水曜日から始まる政府の「Go To Travel キャンペーン」について伺います。まず、この事業自体をどう評価されているのかということと、今この時期にやられるということについてどう捉えていらっしゃるか。あと、感染者が70日以上出ていない自治体として懸念していることがあれば教えてください。
○知事
私はそもそも、全国規模のキャンペーンということに関して危惧を持っておりました。それはもうご案内のとおりで、全国のキャンペーンというのは非常に仕込みに時間がかかるわけで、その調整というもので、今回は委託の問題とかもあり、みんな頑張って早期に実施しようと思った部分が大分遅くずれ込んだと承知しております。ですので、どうしてもタイムラグが出てしまう。本来もっと早くやって第一波が収まった辺りで打ちたかったんだろうと思います。各県はそういったことで、佐賀県も含めて対応したわけですけれども、もともとの仕掛けとして、地域でそれが執行できるような体制でお任せいただけたらいいんじゃないかと思います。これからどういう仕掛けになっていくのか分かりませんけれども、今後展開していく中で、ぜひ地域に任せていただくと。特に知事を信頼して、地域のほうから政策を組み立てていくということを考えてもいいんじゃないかと思います。
特に、佐賀県は先ほど言った「高近長」ということで、まずは佐賀県内、そして九州の近場の地域の皆さんからの集客をメーンにということで組み立てております。そして、47都道府県も様相が全く異なりますし、そして、旅館関係者の意識というものもそれぞれなので、そういったところはそれぞれ地域ごとに組み立てながらやっていくと。もちろん、そのときのコロナの情勢が許せば広域的に対応するということも可能なので、仕掛けのやり方というものに対して一考の余地があるのではないかと思っています。
○毎日新聞
それとも関連するんですが、新型コロナに関してです。近場での集客メインといってもですね、8月のお盆で帰省ラッシュになると、首都圏近郊からも多くの方が来るのかと思います。そこへ向けて、以前のように佐賀県として2週間待機だとか基準を設けて県民にお願いされる予定はあるのか、感染予防策という意味でお考えをお聞かせください。
○知事
これは国の政策としてキャンペーンが行われると、一定数の方々は来られるんだと思います。ですので、今の観光連盟を中心に、各旅館で対応ができるように、国のほうも対応するようにという話が国交大臣から昨日出ていましたけど、佐賀県は佐賀県で独自でしっかりと感染対策はできるような基準を示しながら、今、各旅館に推奨をしておりますので、具体的には観光課のほうに確認していただきたいと思います。
○毎日新聞
最後に私から1点なんですが、県内で発生した、武雄市と佐賀市で多かったクラスターについてです。その広がり方についてなんですが、詳細な調査結果というのはいまだ報道陣に公表されていないと思っています。例えば、ナイトクラブでも従業員の休憩室だったり、寮とか、生活習慣で広がったということが分かってくると、今後、経営される店にとっても教訓になると思うんですけど、詳細な調査結果の公表について、今、知事はどうお考えでしょうか。
○知事
我々にとっては貴重な2つの夜の街クラスターの事例なので、詳細に検討していると思います。その状況については、私は把握していないので、担当のほうからしっかり説明させたいと思います。いずれにしても、我々の場合は店名の公表から念のため検査を幅広くかけたことによって、一応その範囲での抑え込みには成功したのかなと思っていますけれども、ただ我々の想定よりも広くやっぱり感染がありましたので、早めにあれを抑えていなかったら、もっともっと根が残っていて、ゴールデンウイークをさらに越えてということもあり得たのかなと思うので、ぜひそういった初動で抑え込むということ。結局、感染症というのは倍々ゲームなので、4、8、16、32と増えていきますから。そうするとそこからまた横にずれていくということになるので、ぜひ都市部の皆さん方、また東京、大阪の皆さん方にはそういったことも参考にして対応していただきたいと思います。
○日経新聞
コロナの往来のことについてお伺いしたいんですけれども、東京で感染者が200名を超えたのが4日続いたりとか、結構また高まってきているような予兆がありますけれども、そのこと自体はどのように評価されるか。あと、今現在、できるだけ控えるように呼びかけていらっしゃいますけれども、それを強められるお考えがあるか、教えていただけますか。
○知事
私も東京で起こっている事態がつぶさに分かっているわけではなくて、ただ、都の発表などを見ていると、若い人が非常に多くて、夜の街関係も多いということです。一番危惧しているのは皆さんも同じだと思いますが、高齢者だったり、持病をお持ちの方に感染することによって重篤な方が発生することなんです。東京は、基本的に我々でよくあるような3世代同居みたいな、おじいちゃんと一緒に住んでいるという形態と直接結びつく可能性が薄いんじゃないかなと思うんですね。ですので、そのあたりが地方部に感染が飛んだときに直接のリスクとして地方は向かい合わなければいけないので、そこの部分について危惧をしているということと、やはり保健所の業務、さっき記者さんの話もあったけど、我々は47の事例全てについてつぶさに分析をしています。東京都の場合はそれぞれ、23区であれば、区が対応してという形で都が直接執行している部分というのは非常に限定的だったりするので、本当に一つ一つがどう起きているのか、そしてその感染者が今どこにおられて、病院に行かれているのか、ホテルに行かれているのかというところについての詰めが甘いんじゃないかなと思います。
ですので、そういったところを徹底的にやって、オールジャパンでこれは1回潰しにいかないと、ずっとこの形というのは続いていくと。結局いたちごっことずっと言っておりましたけれども、それが止まらないという状況になるので、ぜひこれはそれぞれ各県知事が責任を持って対応していくという話だと思っています。
○日経新聞
やっぱり「Go To キャンペーン」がある以上、東京から、首都圏から旅行者というのは必然的に九州に来るかなと思うんですけれども、その中で、もちろん体調が悪いとか、熱がある人は控えてくださいというのは皆さん呼びかけていらっしゃいますけれども、無症状とかですね、潜在的に抱えている人が自分で気づかないまま来てしまうことがどうしてもあり得ると思うんですよね。そこは首長さんが控えてほしいということをおっしゃっている人もいますけれども、そこはどうでしょうか。
○知事
この問題は難しくて、そもそも佐賀県のすばらしい観光素材を東京の方も含めて、ぜひ知ってもらいたいという気持ちが常にありながら、ここで今の状況の中で話すというのは非常に難しい。ただ、あんまりこういう状況の中で、そんなに遠出をされる方というのは、観光って気持ちの問題なので、どこまで多くおられるのかなというのは思います。そして、キャンペーンを打ちますと間違いなく来られる方もおられますので、非常に旅行がしやすい環境というのは整うので、ただ、佐賀県としてみると、そこについて全力で感染症防止対策をやっていくということ、それから、発生することをしっかりと前提として、すぐ潰しにかかっていくという準備をしておくということに尽きるんじゃないかと思っています。
○STS
今、「Go To キャンペーン」の解釈のお話をされたんですけれども、首都圏からの旅行というのも一定程度受け入れざるを得ないというご認識なのかなと思うんですけれども、その一方で、佐賀県として、首都圏との往来というのは不必要なものについては極力控えてほしいというメッセージを続けられていると思います。その首都圏との往来の自粛要請の今後の見通しと、そことの兼ね合いというか、もう少しお話しいただけますでしょうか。
○知事
できる限り首都圏、自粛をお願いしたいと言っている趣旨は、今県境を越えるのは、国レベルでいうと、往来可能という環境にあります。その中でも、やはり新しい患者さんが71日間出ていない状況というのは我々にとって非常にありがたい状況なので、これを続けていきたいと思っています。
その中で、まず県民の皆さんに関しては、そこは私と気持ちを共有していると思います。今、本当に起きていないという環境を続けていきたい。なので、それでもどうしても佐賀の関係者が行き来するということも致し方ない場合もあるんだと思います。私も今日も上京しますし。ただ、そのときに、本当にそういうメッセージがある中で、どうしても会わないといけない人なのかということだとか、そういったことをそれぞれがチェックしていただくということはとても大きな意味があると思うし、じゃ、逆はどうなのかと言われることもあるんだけれども、今の環境の中で首都圏の方に来ないでと言える状況ではないんだけれども、ただ、今、国全体として首都圏の状況について危惧されている状況の中で、それはおのずとご判断いただける環境になっているのかなと思います。ですので、首都圏の皆さん方もどうしてもという場合については佐賀にお越しいただいておりますし、そういった環境の中で全力を尽くすということだと思います。
○STS
関連してなんですけれども、そういう場合、佐賀県出身で東京にいらっしゃる、住んでいる方の、お盆になるとお盆の帰省というのがあると思うんですけれども、それについてはどう考えたらよいのでしょうか。
○知事
私はよく慎重に考えていただいて、自分の体調、検温とかもしっかりしていただいて、整えていただいて帰省いただいて結構だと思っています。その中で、本当に自分の体調に変化が出たときには、間違いなく手を挙げていただくということ、それについてはまた申し上げたいと思いますので、ずっと今まで首都圏と佐賀で往来不自由で帰省できないということで苦しんでいる子供たちもいると聞いておりますので、ぜひ今のうちから整えて帰省していただきたいと思っています。