○西日本新聞
次に新幹線問題について質問ですけれども、国土交通省との幅広い協議を始めてもうすぐ1年になりますが、国交省の申出で始まった協議なんですが、10月の協議以降、半年以上協議が行われていません。これまでの協議内容と、話合いが進んでいない現状についてどのようにお考えでしょうか。
○知事
うちのほうはウェルカムというか、いつでもいいですよという話をしています。ちょっとコロナの関係でということがあって、ここのところ間が空いているんですけれども、むしろ、今ウェブでいいんじゃないかという話をしていて、国交省さんもそれについてはウェブでやれるのであればという話なので、近々ウェブで幅広い協議、続きができそうということなので、その中で、それこそ全てのことについて協議をするということになっているので、さらに協議が進むことを期待したいと思います。
○西日本新聞
与党PTがあるという話なんですけれども、与党PTの中で財政負担の軽減策や並行在来線の維持についてさらに検討を進めるという内容が話し合われる予定のようなんですが、これについて受け止めはどのようにされているでしょうか。
○知事
これは改めてお話しさせていただきたいんですけれども、私も深くは聞いていないんですが、この与党PTは基本的にアセスルートのフルということを前提にしているという印象です、私に言わせると。与党PTがその検討をしていく中で、私も3回呼ばれて、一番申し上げたかったのは、佐賀県は在来線を使っての、例えば、フリーゲージとかスーパー特急については合意していて、前に進める準備はあるけれども、それ以外については何も決めていないし、手を挙げてもいないという話をさせていただいたにもかかわらず、フル規格が適当というような、全く地元のことを無視したような結論が出て、しかも、その与党PTには、佐賀県の意見を代弁してくれる国会議員もおらずということなので、我々はそれについて遺憾だということをずっと言い続けてきているわけです。
今度は、国交省がそれらとは別に、要は与党PTに縛られない形で佐賀県と幅広い協議をしたいと、これは赤羽大臣と話があったから、我々は、それは用意がありますよと、フルも含めて。ただ、幅広くやらせてくださいねということだから、例えば、フルにしても、ルートの話だって、アセスルートだけじゃなくて、海側だって山側だってあるわけで、そこはじっくりと数字も出してもらって、議論させてくださいねという、今向き合っている相手は幅広い協議なんですよ。なので、また与党PTから、さっき言ったアセスルートフルが前提だとしか思えない──そうじゃないなら訂正してもらいたいんですけど、そういうような主張で、例えば、佐賀県の主張を潰されても、もともとそこに限定していないので、だから、すごい違和感がある。
アセスルートフルが適当だと勝手に言われ、そこに対する、佐賀県もいろいろ一つ一つ議会などで答弁していきますから、問題点は言っていくんだけれども、もっと大きな視点で佐賀県は考えたいと思っているので、だから、幅広い協議をしているわけです。ということを皆さんに分かっていただきたいと思います。
○西日本新聞
国交省は幅広い協議の一定の期限が必要という認識ですけれども、一方で、佐賀県は期限を切って討議するべきものではないという立場です。改めて、今後の協議が進んで、どのような内容になったら結論は出せるとお考えでしょうか。
○知事
ですから、佐賀県にとっていい選択肢というものが出てきたら、それは合意します。佐賀県もこれまで、ですから、スーパー特急方式だとか、それこそ、それがまた国からの提案によってフリーゲージに振り替わって、そこまでは合意してきたわけですよね。だから、合意することについて、佐賀県にとって説明ができて、将来の佐賀県民にもちゃんと説明ができるようなことについては合意する準備はあるけれども、あまりにも、先ほど言ったような決めつけたような形でいつまでにと言われても、新幹線というのは地域振興の観点があって、そもそもは地元の要望に応じて、地元の理解の下で進められるべきプロジェクトだと思っているんです。国家的プロジェクトでやっていた東海道新幹線とか東北新幹線のときとはまた違う整備新幹線の手法であるので、だから、我々は今までは佐賀県内の武雄-新鳥栖間は在来線を通るというやり方で、これは私が知事になる前からそこについては合意をしているわけです。逆に言えば、それ以外については全く合意していないので、そこでそれを取っていつまでにと言われるのは、私は筋が違うと思います。ですので、しっかりと佐賀県と向き合って、我々はフル新幹線も含めて幅広い協議をしていいと言っているわけですから、向き合ってもらいたいと思います。