○読売新聞
もう一点、コロナで西村大臣の発言が議論を呼んでいると思うんですけれども、酒の提供を続ける飲食店へのコロナ対策について、金融機関への働きかけだとか酒類販売業者への取引停止要請だとか、その後、撤回されていますけれども、この一連の対応についてはどうお考えでしょうか。
○知事
やっぱりあり得ないことだなと思っています。これはまず現場のことをしっかり分かっていただくことと、鳥瞰的に日本全体を見ていただくということも大事だと思いますし、佐賀県はずっと太陽政策でやっているつもりなんです。パチンコのときもしっかり話し合いをして、ルールをつくってやったりもしましたし、圧力をかけて何かをやるというのは、特に、コロナみたいにみんなで力を合わせて戦わなければいけないときに、僕は逆効果じゃないかなといつも思っていたので、それぞれの考え方があるんでしょうけれども、非常に最初の時点からびっくりしたということ。
それと、私はもっと心配しているのは、うちの分析チームの中でもあり得ないねとみんな思うわけですよ。そう言っているわけですよ。それを西村さんがたまにぱっとしゃべったことであれば、そういうことを思う方もおるのかなということで済むんだけれども、あれを政府全体として整理されていたという話を聞いて、官僚たちがあれを誰も異議を唱えずに整理がされてしまったということに背筋が寒くなる。そして、であれば、今、政治主導だったら、政治家がどこかでちょっとおかしくないかいというところでせめて議論がなされないと、そんなことで意思決定がなされていくという、この国の姿に非常に危機感を覚えるというか、もっとみんながいろんなことをしゃべれるような姿でないと、国というのはいろんな大きな判断があるから、そういったところをしっかりと組織というか、人の集団としていろんな意見を受け止めるような形になっているのか、現場の声が届いているのかとかね、いろんな意味で心配になります。
ですから、本当にそういったことが声を上げやすい意思決定までの間にね、決まったら、もちろんそれでやるのはいいんだけど、その過程の中で、しっかりといろんな審議なり協議が行われているという部分を大切にしていただきたいと思います。