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※会見録は、わかりやすいように一部校正しています。
令和3年7月16日 知事定例記者会見
質疑内容
○読売新聞
幹事社から大きく3つのことについて伺いたいんですけれども、まず1つ目は、先ほどのコロナの関係で、国からのワクチン配分で、佐賀県の分については1割削減対象ではなかったということですけれども、ワンクールあたりの配分量というのが増える状況が ないということですけれども、これについては、接種のスピードも遅くなるということもあるのかなと思うんですが、知事として県内への影響とか課題というのは出てくるかどうか、お考えをお聞かせください。
○知事
やはりワクチン接種は、本当、順番順番にやっていくしかなくて、供給された中でベストを尽くすということでやっています。ですので、我々は国の菅総理をはじめ、大きな方針の下で、これはその中でやっていかなければいけないと我々も思って、万全な体制で市町と連携を取りながら事前から備えをしてやっていたわけです。ですので、幾らでも対応できる体制というのが取れたなと自負しているんですけれども、それがなかなか今滞っているということからすると、じくじたる思いがあって、もっと自治体を信用してほしいなと思っています。
それでもね、今回、佐賀県はこうやってほとんど在庫がないような形で、できる限り接種にスムーズに流せるような形を取ることができたので、一定量調整されて、上乗せが、少ないんだけれども、それでもね、そうやってそこに対する受け止めをしていただけたというのはありがたいと思うし、そうやって来た部分については大切に接種に結びつけていきたいと思います。
少なくとも、昨日の段階で、玄海町については全部確保できた。次、大町町もそろそろということで、そうやって佐賀県が済み、済みって、もう終わった、終わったというところを日本に先駆けてやっていって、その効果が実証されていけば、本当にいいなと念願しています。
○読売新聞
もう一点、コロナで西村大臣の発言が議論を呼んでいると思うんですけれども、酒の提供を続ける飲食店へのコロナ対策について、金融機関への働きかけだとか酒類販売業者への取引停止要請だとか、その後、撤回されていますけれども、この一連の対応についてはどうお考えでしょうか。
○知事
やっぱりあり得ないことだなと思っています。これはまず現場のことをしっかり分かっていただくことと、鳥瞰的に日本全体を見ていただくということも大事だと思いますし、佐賀県はずっと太陽政策でやっているつもりなんです。パチンコのときもしっかり話し合いをして、ルールをつくってやったりもしましたし、圧力をかけて何かをやるというのは、特に、コロナみたいにみんなで力を合わせて戦わなければいけないときに、僕は逆効果じゃないかなといつも思っていたので、それぞれの考え方があるんでしょうけれども、非常に最初の時点からびっくりしたということ。
それと、私はもっと心配しているのは、うちの分析チームの中でもあり得ないねとみんな思うわけですよ。そう言っているわけですよ。それを西村さんがたまにぱっとしゃべったことであれば、そういうことを思う方もおるのかなということで済むんだけれども、あれを政府全体として整理されていたという話を聞いて、官僚たちがあれを誰も異議を唱えずに整理がされてしまったということに背筋が寒くなる。そして、であれば、今、政治主導だったら、政治家がどこかでちょっとおかしくないかいというところでせめて議論がなされないと、そんなことで意思決定がなされていくという、この国の姿に非常に危機感を覚えるというか、もっとみんながいろんなことをしゃべれるような姿でないと、国というのはいろんな大きな判断があるから、そういったところをしっかりと組織というか、人の集団としていろんな意見を受け止めるような形になっているのか、現場の声が届いているのかとかね、いろんな意味で心配になります。
ですから、本当にそういったことが声を上げやすい意思決定までの間にね、決まったら、もちろんそれでやるのはいいんだけど、その過程の中で、しっかりといろんな審議なり協議が行われているという部分を大切にしていただきたいと思います。
○読売新聞
次に、2点目について伺いたいんですけれども、オスプレイの関係で、地権者説明会が今月上旬に終わって、当初はすぐに地権者へのアンケート調査を行うという話でしたけれども、結果的に漁業者からあの説明では判断できないということで、追加の回答もくれという状況になっていますけれども、今回、知事は防衛局の説明が十分な内容だったかというのも含めて、今回のこの状況というのをどのように受け止めていらっしゃるかを教えてください。
○知事
地権者説明会は終了したということで、これは1つよかったなと思っている点なんですけれども、その中で、当然ですが、説明会で様々な意見が出たりとか思いがある中で、その後にアンケートが予定されていたと聞いておりますが、アンケートに答えることに関して、その判断材料が足りないということで、それこそ土地の問題だとか、排水とか環境の問題だとか、それこそ米軍の問題とか、そういった課題に対してしっかりと防衛省が答えるということが大事だと思いますので、今、調整が図られていると聞いています。ですので、防衛省からまた改めて補足する説明とか資料とかがなされると聞いておりますので、それを皆さんの信頼に応えられるように、しっかりと防衛省には対応していただきたいと思っています。
○読売新聞
幹事社から最後1点なんですけれども、先日、知事が別の会合のところで、大隈重信が主導した高輪の鉄道遺構について、その一部を佐賀に持ってくる方向で調整したいというお話があったと思うんですけれども、その検討状況とか見通しとかあれば教えてください。
○知事
そうですね、私の聞いている限りでは、少なくとも主要部分については何とか残る方向で今進んでいると聞いています。ただ、余りにもあれは壮大に残っていますから、その全てというのはなかなか難しいんではないのかなと思っていて、その中で、佐賀県の中に持ってこれる部分というのができるんじゃないかなと。そのままではもったいないし、我々にとっても貴重な遺構なので、というやり方について、今、そういうことがどういう方法でやることができるのかということについて、JR東日本とか港区とも相談しながら進めたいと考えております。
○朝日新聞
オスプレイの問題についてお伺いします。
オスプレイの地権者説明会については、今回、非公開で行われました。一方、九州新幹線の問題に関しては、知事はいつもオープンな場でというので、公開の議論にこだわられてきたと思います。防衛省に対しては公開の場での説明というのは求めないのでしょうか。
○知事
これは司司の判断だと思っています。
新幹線の協議は佐賀県が協議主体で国交省とやるので、我々として公開でやりたいということで、当事者として話ができるんだけれども、今回は防衛省と地権者との話合いということなので、そのやり方について我々が何かを言うということについてはどうかなと。基本的な進め方というものの当事者間の話があるわけだから、そういった意味で、我々、中に入って調整もしているんだけれども、県としての調整、だから、協議がスムーズに進むようにという形で調整にしっかりと丁寧に進めていくという立ち位置なのかなと思っています。
○朝日新聞
公害防止協定という点では当事者は県と漁協ではあると思うんですけれども、その点を置いてでも、やはり今回のことに関しては別に公開は求めないということですか。
○知事
そうですね、仮に公害防止協定の手続とかいうことになると、今度は私が当事者になるので、そのときは公開の方向で考えると思います。ただ、それぞれの当事者がいるので、何でもかんでも自分たちの考え方をということではなくて、それは当事者当事者間で相談しながら考えることだと思いますし、実際、今回はいろいろ値段の問題だとか、面積の問題だとか、いろんな問題もあるんでしょう。なので、きっとそれを全てつまびらかにすること自体が、特に交渉過程の問題でもあるので、それについては、私はそういった非公開でやるということについても理解したいと思います。
○朝日新聞
説明会で配られた資料に関しては、これまで県議会で示されたものよりも簡素化されていたりとか、金額の提示もなく、今までの公開された説明と同じような内容だったと思うんですけれども、それでもやはり公開はしなくていいという考えなんですか。
○知事
それも当事者間がどう考えるかという、まさに当事者間の考えなので、それを公開するかしないかも当事者間で考えるべきだし、お互いの中でそれが、今回また、防衛省が、漁業者側、地権者のがもうちょっと詳細な情報をということで、それの補足資料を今作られていると聞いているので、そこのやり取りをしている途中だと認識しています。
○西日本新聞
原発関連で質問ですけれども、九州電力玄海原発の基準地震動の見直しについてですが、先日、原子力規制委員会が見直す必要がないとする九電の主張を退けました。委員長は普通に考えれば納得するはずのない説明で、九電の姿勢には疑問を持つと述べましたけれども、原子力規制委員会の判断と今回の九電の姿勢について知事はどのように思われるでしょうか。
○知事
原子力規制委員会、更田委員長をはじめ、本当によく仕事をされているなと思って、信頼申し上げています。やっぱり誰が何であろうと、自分たちとして規制機関としての仕事を全うするという姿勢に非常に好感を持っています。ですので、今後とも何よりも安全を優先して厳正な審査を行っていただきたいと思いますし、九州電力さんもそれに対してしっかりと真摯に向き合って対応していただきたいと思います。
○西日本新聞
原発関連でもう一つですけれども、先日、経済産業省が2030年時代の発電コストについて、太陽光が原子力を上回る安さになるという試算結果を公表しました。
知事はかねてから原発に頼らない社会を目指すという考えを示してきましたけれども、この結果についてどのように受け止めていますでしょうか。
○知事
今回、その試算が出たわけですけれども、私は今、北島さんから説明いただいたように、依存度をできる限り低くしてシフトを積極的に進めていくべきだと考えておりますが、なかなかこれをエネルギー基本計画、今改訂も含めた検討が進められておりますけれども、そうした中で、先ほどの発電コストの試算結果とかがどう反映されるのかということに大変注目をしています。しっかり注視していきたいと思います。
○NHK
知事が8月をめどにとおっしゃっていたLGBTのパートナーシップ制度についてなのですが、県のほかにも、今、唐津市が手を挙げている状態だと思うのですが、県と市の連携は同じものを使うのか、別の制度になるのか、連携について教えていただいてもよろしいでしょうか。
○知事
唐津市さんとそうやって同じ気持ちになったということは大変うれしく思っています。ただ、これから確かに県と市がどう立てつけるのかというのは詰めなきゃいけないですよね。じゃ、パートナーシップ認証を県がやるとか、市がやるのかとか、それこそだから今一つの論点になっているのは、佐賀県民とほかの県民だったらとか、そういうところがあるので、基本的に今順調に検討は進んでいるんですけれども、そういった制度設計というところが大事になってくるので、そこの調整はしっかり図っていきたいと思いますが、何よりも当事者が大事です、これも。LGBTで今いろんなことで苦労されている皆さん方がどうお考えになるのかということを受け止めることを第一義に、唐津市さんなど関係機関と調整をして、何とか8月までには間に合わせたいと思っています。
○NHK
1点、幹事社の小野さんから質問があった件の追加で、高輪遺構の件なんですが、これについては既に港区やJR東日本のほうに佐賀県の意向を正式に伝えているような状況かというところと、あと、知事のイメージとして、あそこの遺構のどういったところを佐賀に持ってきて、どういうふうな形で展示とか保存をするというふうな考えをお持ちでしょうか。
○知事
まず、先だって港区長ともお会いしましたし、我々の意向は伝えております。JRにももちろん伝えています。それをどう活用するかなんですけれども、もちろんまだ決まってはいないんですが、今みんなで議論するイメージとすると、美術館、博物館のエリアだったりとか、大隈重信記念館だったり、早稲田佐賀の校内だったり、そのうちの幾つか、もしくは全部か、よく分かりませんけれども、それこそどういった部分をどのように抽出して持ってくるのかということにも関係しますので、そういったイメージを持ちながらも、これからさらに検討を進めて、岡田三郎助のアトリエを移築したのご存じですよね。
あれ、恵比寿から持ってきたんです、引っ張ってね。あれが本当に、向こうにアトリエがあったのを持ってきたのが非常にすばらしくて、今みんなに愛されておりますので、あの成功体験を生かしながら、みんなに分かっていただけるような大隈重信の創造力というか、あの時代にああいったものを造れたということがみんなの気持ちと一体化できるような形での移設を考えていきたいと思います。
○NHK
もう一点、改めて佐賀に移築してというその意義と、あと、知事がそういうことをしたいとお考えの気持ちはどういったところからでしょうか。
○知事
まず、昨日、それこそ佐賀東高校の演劇を見て、大隈重信ってみんな知らなかったけど、こんなすごいことを、いろんなことをやってきた人たちだったんだねって思ったりとかいう話を聞いて、私は知事になって仕掛けたのが明治維新150年の維新博なんです。それはなぜかというと、佐賀の子供たちがなかなか明治維新のときの佐賀のすごくいろんな思いだったり、成し遂げたことだとか、葛藤だとかというのを知らなくて、ちょうど佐賀県が1回お取り潰しになっているんですね、7年ぐらい。その間に、誇りも断絶していたんじゃないかななんて思ったりもしたので、すごくそう思っている中で、さらに今年は大隈重信の没後100回忌なんですよ。100回忌のときに、まさか自分たちが、みんなが乗っていた山手線と京浜東北線の下からそのままの形で出てくるなんてとんでもないことだなって思ったので、そういう感動を県民の皆さん方ともっともっと共有したいなという思いです。
○NHK
細かい点でほかの件、いいでしょうか。
月曜日に成田に行かれて春秋航空の社長と会談されたとかあっていますが、今回の会談の目的と、あと、何か佐賀県にとっていい話があったかどうか、その点を聞かせてください。
○知事
今回、LCCで、春秋航空日本の株が、日本航空が6割を超えるという形になったことであったので、その意味で、米澤社長という新しい社長がJALから来て、どういう形でこれから経営が変わっていくのかということ。特に我々にとってみると,成田-佐賀県線ってとても大事な路線でありますし、九州の中で春秋系はうちだけです。ほかのところはジェットとかが飛んでいたりはするんですけれども、九州のほかの空港はですね。
そういった中での佐賀空港の位置づけということを米澤社長に確認できて、とても大事な路線だと思っているので、これからしっかり充実強化していきたいと、もちろん需要を喚起しながらですけれども──という話ができたのと、やはりJAL自体が中国とのネットワークに非常に意欲的ということでありましたので、そこにつきましては、我々も春秋航空さん本体との連携というのをこれまでもやってきたので、そういった中での話がなされたということであります。
○佐賀新聞
総務省の国勢調査で、前回調査に比べて県内人口が2万人ほど減っていたということなんですが、知事はこの人口減少問題に関する受け止めを聞かせてください。
○知事
減少率自体からしてみるとかなり健闘しているなとは思っています。その中でも、私は佐賀県のポテンシャルという意味で、まだまだ、ヒト、モノというものが県内を行き交うということが可能だと思っています。それは、これから豊かな人として生きていくことが価値を持つような時代になっていったときに、今の佐賀県が持っているポテンシャルというのはむしろ輝いていく。だから今、何かどちらかというと、これまでの世の中というのは、文明社会的なほうにばっかり行っていて、豊かさを追い求めていくような、そういう世界があった中で、これから、これでいいんだろうかと、環境問題しかり、様々な問題の中で、人としてみんなで連携して生きていく姿という意味では、佐賀県というのは非常にこれから意義のある、世界的にも非常に評価も高いので、そういう流れができてくるんではないかなというところと、やはりこれから福岡都市圏とのすみ分けということ、それから筑後佐賀圏としての発展の可能性、そういったところを考えると、できる限りこれからそういった部分の減少率を、縮小傾向を、特に社会減を止めていくというところに全力を尽くしていきたいなと思いますし、ただ、人口問題だけを頭の中に入れていくと、ミッション誤りをするので、本来、本当に佐賀に来てよかったなというリアルな体感を増やして、共感を増やして、自然と佐賀に住みたい、佐賀で仕事がしたいという人が増えるような環境をつくっていきたいと思います。