では、ここからは我々からのお知らせコーナーです。
全国に先駆けて、次世代スギの開発に成功いたしました。この開発をスタートしたのが今から56年前です。ちょうど1965年3月ですから、私が生まれた年になります。そこからこのスギの開発は佐賀県が最も早く着手したんです。人工林が非常に多いということで、このスギ対策が佐賀県にとっての大きな課題だったんだと思いますけれども、成長のよいスギ同士の人工交配を開始して、5年かけて、まず1万3,000本の苗木を作成して、その苗木をさらに4年の歳月をかけて植栽して、10年成長したものから優れたスギを選別していくと。時間がかかりますね。実際に掛け合わせて、その成長を見ながら、さらにハイブリッドなスギを作っていくという作業ですから。厳選して僅か109本。そして、昨年の12月、その選定したスギを成長過程で何度も何度も調査を行って、最終的に56年もかけて、ただ、日本で一番早く最も優れたものを次世代スギとして選抜することになりました。
これを始めた方は、うちの県庁職員で原信義さんという方なんですけれども、残念ながら3年前に87歳でお亡くなりになっています。本当に原さんのためにも、このスギを佐賀県は生かしていきたいなと心から思います。
特徴を3点申し上げます。1点目、早いことです。成長が早いです。従来のスギよりも、すくすく伸びていきます。簡単に言いますと、50年かけて出荷するわけですけれども、30年で済みます。ということは、下刈り、それから間伐、この作業が、我々もドローンとかで薬剤散布の話とかどれだけ大変なのかと、夏の作業とかありますから、それをこんなに省力化することができるので、この早期収穫・低コストを実現できるというスギ、このとても早いということが非常に大きな特徴です。
2点目が、強いことです。強度が1.5倍ということでありますので、建築用資材として幅広い利用が可能ということで、こんなに強い、簡単に言うと、上から乗っても折れないというんですか、堅いということなんです。強いということです。
さらにもう一点、優しいと書きましたけど、花粉の量が2分の1以下なんです。ですので、そういった花粉症対策というか、山から出る花粉の量を落とすことにも利するということで、この三拍子がそろったスギは全国初ということでございます。
この次世代スギの名前が決まったので、今日発表しようということであるわけですけれども、誕生した次世代スギは、まず育つのが早い、育成が早い、そして、大変強い、そして、人に優しいスギです。先ほど申し上げました開発に関わった佐賀のたくさんの人々の熱い想いと、佐賀の山々に力強く育っているスギの姿を名前にいたしました。
では、発表させていただきたいと思います。
名前は「サガンスギ」です。そのままですが、佐賀のスギです。先ほど言いました育成が早くて強くて優しい、サガン鳥栖にオーバーラップするところがあるわけですが、サガンスギということで品種登録済みであります。そして、現在、商標登録出願中ということで、サガン鳥栖の了解を取っております。令和4年春に苗木の出荷を開始したいと思います。
これがうまくどんどんどんどん入れ替わっていきますと、全部このスギに佐賀の山が変わるのに160年ぐらい、そんなにかかるんですが、その間、少しずつというか、調子を見ながら、問題点がないかというところもチェックしながらの進行になりますので、順次増やしていくということになろうと思います。
「サガンスギ」による新しい佐賀の森林づくりに取り組んでいきたいと思います。よろしくお願いします。