今回は、唐津市呼子町の伝統的な町並みの保存に取り組む港町呼子まちなみ保存協議会の関係者の皆さんと町を歩き意見交換を行いました。
港町呼子まちなみ保存協議会は、令和元年8月に発足。地元で町並み保存活動等を行っていた団体のメンバーや地区の区長等で構成されています。「町並みの調査」「地元住民への啓発活動」「町並みの保存と空き家の利活用推進」を目標に、江戸時代に捕鯨で栄えた歴史と当時の面影を残す町並みを活かした、活気ある地域づくりを行っています。
まず初めに『百と十』を見学しました。『百と十』は築110年余の伝統的な町家をリノベーションし、現在は宿泊施設兼カフェダイニングとして活用されています。この建物は、「百と十」が入居する以前空き家となっており、取り壊される予定でしたが、オーナーの林さんが店を移転するタイミングとちょうどマッチし、お店をやることになったそうです。会の皆さんは、こうした空き家の引き取り手を探し、伝統的な建物を保存しようと活動を行っているそうです。
次に、『永井家住宅』を訪問しました。『永井家住宅』は2020年7月に国の有形登録文化財とするよう答申された建物で、現在は酒屋として活用されています。江戸後期に建てられたと考えられており、当時の住居としてはかなり大きな建物だそうです。こういった建物の調査も協議会のメンバーで行っており、『永井家住宅』の国有形文化財登録への答申を受けることにもご尽力されたそうです。建物の中は、東側の土間の上部には吹き抜けの空間があり、見上げた立派な梁組に驚きました。
最後に『鯨組主中尾家屋敷』を訪問し、関係者の皆さんと意見交換を行いました。『鯨組(くじらくみ)主(ぬし)中尾(なかお)家屋敷(けやしき)』は、その名のとおり長きにわたり捕鯨業を営んでいた中尾家の屋敷であり、県の重要文化財に指定されています。
意見交換では、呼子町の伝統的な町並みを後世に残していきたいという皆さんの熱い想いをうかがうことができました。呼子町には江戸や明治から残る古い建造物が立ち並ぶ町並みがあり、呼子朝市や呼子大綱引をはじめとする大切に受け継がれてきた文化も数多く残っています。そんな町を地元の皆さんが大切に想い、新たな価値を吹き込みながら残していきたいと思ってくれていることをとても嬉しく思いました。
【山口知事のさー行こう!!】
伝統的な文化や町並みが残る呼子の町を大切にしていきたいという地元の皆さんの強い想いを感じることができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。そういった皆さんの想いを県としてサポートしていきたいと思います。
伝統的な町並みを守っていく佐賀さいこう!