ご入学おめでとうございます。
今日、新たな一歩を踏み出した皆さんに心からエールを送ります。
皆さんは「鉛筆」の成り立ちをご存じでしょうか。
まだ鉛筆が身近になかった時代、幕末の佐賀で学んだ眞崎仁六は、明治に入り、パリの万国博覧会で手に取った鉛筆の実用性に魅了され、心に誓ったそうです。
「よし、日本でも鉛筆を作ろう!」
その大きな志は、帰国後、すぐ行動に表れます。
失敗を繰り返しながら、ようやく折れない「芯」ができあがったのは、5年後のこと。
さらに、軸となる木材を見つけ、機械設計に苦心を重ね、日本初の鉛筆工業が誕生したのは、さらに5年後のことでした。
それがのちの「三菱鉛筆」であり、皆さんが日ごろ手に取っている鉛筆のはじまりです。
コロナ禍にある今、未来は描きづらいと思われるかもしれません。
けれども、そんな時代だからこそ、若い皆さんには大きな「志」を持って無限の可能性にチャレンジしてほしいと思います。
これからの未来、これからの佐賀をつくるのは、皆さん一人一人なのですから。
自分が描く夢を大切に、学び続け、探し続け、歩み続けることで、いくつもの出会いを積み重ね、この佐賀の地であなたの志が育まれていくことを、心から願っています。